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色とりどりの花びらが舞う中に君は一人で立っていた。
「花が、散ってしまったの」
静かに響いた君の声はとても悲しそうだった。
花が散るなんて当たり前。枯れるのも当たり前。いつかは必ず終わりが来るのは当たり前だ。
なのに、君はその終わりがとても悲しそう。
なんで? どうして?
僕には理解ができなかった。
終わりの次は新しい始まりだよ?
どうしてそんなに悲しいの?
きっと僕には一生分からないんだ。
それは君が散ってしまっても、僕には悲しい理由が分からない。
そんな僕は冷たいのだろうか?