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綺麗な言葉を紡げない。
綺麗な音で奏でられない。
綺麗に振舞えない。
あの子はとても綺麗だった。
みんなが憧れ、羨ましがり、妬んでいた。
私はあの子のようになりたかった。
そして、あの子の隣で堂々と立っていられるようになりたかった。
それなのに……。
ねぇ、あの子を殺したのは誰?
あの子を苦しめたのは誰?
あの子を汚したのは誰?
私はあの子のように綺麗にはなれない。
だって、私は復讐の鬼だもの。
誰もを許さない。
この心を醜いというのなら、あの子を貶めた人達も同じだ。
私は絶対に許さない。