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片翼の天使は墜ちてゆきました。

飛ぶはずの翼は片方を捥がれ、焼けるように痛む背中を押さえながらも飛ぼうとしたのです。

けれど、飛べるはずもなく、墜ちてゆきました。

嗚呼、なんと可哀想なのでしょう。


落ちていく、墜ちてゆく、堕ちて逝く。


哀れな天使は、もうその存在も保つ事は許されず、天使としてはいなくなってしまうのでした。

それを弔うように讃美歌が響き渡ります。

それは美しく、清らかで、恐ろしくありました。

嗚呼、救いなどどこにあるのでしょう?

儚くなる存在は一体どこへと向かうのでしょう?


落ちていく、堕ちてゆく、堕ちて逝く。

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