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私は、人の顔を覚えるのが苦手だ。

そういった話をすると、大抵の人が自分もだと言う。

だけど、それが私の苦手と大きな差があるのだと理解するにはそう時間が掛からなかった。

何度も会う人の顔くらいはみんな覚えられるらしい。

でも、私は何度もあっても、その人の顔というのが分からない。

目も鼻も口も付いているのは分かる。

毎日のように顔を合わせる家族の顔は分かる。

でも、職場の人でも数日顔を合わせないだけで、次に会った時に『こういう顔だっけ?』と、頭の中で思ってしまう。

だから、何度も会う人といっても、間を空けてしまうと分からなくなる。

写真を見てもピンとこない。

この人は誰? 前に会った事ある?

声を聞いても、確証を持てなくて不安になる。

分からない。そんな不安にいつも押しつぶされそうで、顔以外の外観的特徴を覚えようとする。

それでも、人はいつも同じ服装でもなければ、同じ髪型でもない。

覚えられない。そう言った事もあった。

けれど、それは甘えだと言われた事もある。

覚える気がないから。興味がないから。そう言われた事もある。

違う、そうじゃない。そう言いたいけど、誰も私が覚えられないくて不安を抱いている事も、人と会う事さえも恐ろしいと思ってしまう事も知らないから、話すに話せないから、理解してもらえないから、言えないままだ。

きっと私は一生誰にも理解してもらえないだろう。

だから、私はひた隠す。

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