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君のスカートがヒラヒラと目の前で踊っている。
まるで、水の中で優雅に揺らめく金魚のひれのようだった。
金魚は観賞用に改良されていった魚だって知ってる?
君も優雅に振る舞って、まるで観てもらう事が仕事のようだ。
人の為に作られた美は確かに美しい。けど、どこか怖いんだ。
君もその美の中に恐ろしさを隠しているようだ。
その瞳がこちらを見ると、君の中の恐怖に捕らえられた気持ちになってしまう。
ああ、君はなんて恐ろしく、美しい人なんだろう。
目が離せなくなったのは、君が何かしたからに違いない。




