142/150
142
駆けていったあの少女はどこへ行ったのだろう?
太陽のように明るいあの子はどこかへ消えてしまった。
誰に尋ねても、あの子の居場所を知る人はいなかった。
待てど暮らせど現れない。
心当たりを探しても、どこにもいない。
まるで、この世から存在が消えてしまったかのようだ。
不安が駆り立ててくる。
昨日まで当たり前にいた存在が行き成りいなくなるなんて誰が思う?
鏡に映る自分の瞳が不安を煮詰めたような色になっている。
これが後悔に変わる前に見つけ出さなければ。最悪の事態だけは避けなければ。




