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昔、学び舎を共にしていた学友は不器用な男だった。

御家の為ならば、自分の感情など殺してしまえば楽だっただろうに。

自分に忠実でありたいのならば、その想いを貫けばよかっただろうに。

どちらもできずに、足搔いて、藻掻いて、苦しんでいた。

けど、そうする事の出来る時間を持てる事が羨ましかった。

自分には貫きたい思いもなければ、ただただ流される事しかできなかった。

何をどうしても、『自分』というものの為に生きる術を持っていなかったこちらにとって、あまりにも羨ましく、疎ましかった。

だから、卒業の時に言ったんだ『いい加減、大人になれよ』と。

最初から諦めていたこっちは、大人なんてものではなかったのにな。

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