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彼女は、なよ竹のかぐやと呼ばれていた。
その長い黒髪は闇夜を思わせ、その白い肌は空に浮かぶ月のように美しかった。
美人は三日で飽きるなんて言葉を聞いた事があるが、そんなの嘘っぱちだ。
幸運にも隣の席になってから、毎日のように眺めているが、全く飽きそうにない。
なよ竹のかぐや、君は何を望むのだろう?
仏の御石の鉢? 蓬莱の玉の枝? 火鼠の皮衣? 竜の首の珠? 燕の子安貝?
どれも、手に入れられそうにないんだ。
それでも、君を振り向かせる方法はあるだろうか?
どうか教えて欲しい、美しい君と寄り添える方法を。




