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悲しいニュースが流れてきて、誰かが、こうなる前に相談したらよかったのにと零した。
けどね、相談もできないくらいに追い詰められたり、相談しようにも真面に話を聞いてくれない人ばかりなら、もう、それしか手段は残らないんだよ?
理解できないかのように言うけど、それは理解しようとしないだけ。
元から共感するつもりもないくせに勝手なことを言わないで!
それでも、そんな事も口には出せない。
だって、誰よりも普通を演じないと、私は普通じゃないから。
自分自身がすごく恥ずかしい。
だって、普通が分からないの。
みんなは当たり前のように、楽しそうにしたり、悲しそうにしたり、怒りを感じたりしている。
なのに、私は?
楽しいふりをして笑わなきゃ、悲しいふりをして涙を流さなきゃ、怒りを感じたふりをして怒らなきゃ。
そうやって、しなきゃを繰り返す。
そうして、私は毎日毎日『私』をすり減らしているの。
それがどれだけ苦しくて、逃げたくて、辛い事か、あなたに分かる? 分からないよね?
だからね、もう限界なの。
そうして、私はこの世界にさよならを告げた。