表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界 アルトの転生物語  作者: ときお
12/12

鑑定式と満月の夜に②


???視点


あの数分で3人もやられただと?苛立ちを抑えながら思う。誰だ?人間にやられるとか弱すぎるぞ。それとも久々の当たりか?俺も気分転換に遊ぶかこりゃ。今ハバ村で対抗できるのってロゼ婆くらいだった気がするけど。ラウガ家の抹殺は必達だし、もう少しやられそうだったら行くか。



‘’ザクロ早く片付けろ、3人もやられたぞ”



傲慢な念を飛ばすと、闇の空間を作り出して消えていった。





ザクロ視点



聞いてはいたけど、あの婆さん相当強えーな。俺ら副将だぞ。5対1だぞ。遊んでいたぶって終わらせるつもりだったのに、くっそ。



「小僧、なによそ見してるんじゃ」



ザクロに向かってロゼ婆の左手からの斬撃が炸裂した。


本能が悟るとはこのことなのだろう。

明確な‘死’が差し迫ってくるのを理解させられた。瞬間に今ある最大限のチカラを解放して防御に全て回す。アルトの言う魔装を身に纏うと、その斬撃ごと振り払おうとした。ところが、いとも簡単に魔装を裂き右手を切断したのであった。


もう油断はしない。全力で叩く。襲撃者5人の総意であった。そしてロゼ婆に慎重になりながらも、共に全力の魔装を展開した。





!?!?!?!?



‘’ザクロ早く片付けろ、3人もやられたぞ”





ザクロの額から冷や汗が流れ落ちる。大将からの命令である。これはイレギュラーが起きたに違いない。魔人族の下位戦士とはいえ、数分で3人もやられるなんて考えられないからだ。いやあの婆さんクラスの実力持ちなららあり得るか。待てよ、あのレベルが2人いるなんてたまったもんじゃないぞ。




焦りからか思考が止まる。とりあえず今は切られた腕を元に戻さないと。




「さっきまでの威勢はどこに行ったんだい」




くそが!!!あの婆さん更に強くなってやがる。目の前には魔装のレベルを上げた老人が他の副将達と撃闘していた。急いで斬り飛ばされた腕の所へ駆け寄り、拾い上げ切断部分と重ねて【再生】させた。



ロゼ婆との闘いの中で、周りにいた他を殲滅する予定だった下位戦士達の反応が急減しているのが分かり、見渡すと周りが静かになっていた。


やばい………。








アルト視点




よっと。とりあえずこれで終わりかな。ジュピター家、シー家、ロック家、リナリー家族の合流と安全は確保出来たし。



「よし、皆さん!作戦通りロゼ婆が時間を稼いでいる間に村から出ましょう!」



大人一同はアルト他ウルトとリナリーの強さに驚きを隠せずにいた。今日鑑定式を終えたばかりの6歳の少年少女が魔人族を瞬殺する光景を誰が想像出来ただろうか。


そして何よりもアルトの正確な指示である。初撃の位置よりリナリー家族の抹殺及びハバ村の消滅が主な目的と推測し、魔人族について私たちが知っている事をヒアリング。その情報より単なる盗賊ではなく、確実な悪意と目的達成をしようとしている可能性が高いと判断した。結論はハバ村からの撤退。具体的には味方が居るであろう王都への撤退である。


すぐさま私たちは大事な物だけを持ち村の外へ脱出を図った。





「ウルト、リナリー、これから大切なことを伝える。いいね?」


2人には以下のことについて伝えた。


・魔人族の使う魔装について(勝手に魔装と呼んでいる)

→人間の使う通常の魔力(練られていない状態)の場合、効かない若しくは弱体化される可能性がある。実際魔装レベル①状態で殴った時に自分の魔装が多少削れた事より推測。ただし、魔装レベル②で殴った時は削れずにダメージを与えることが出来た為相手の魔法密度を上回れば問題ないと思われる。


・格の違う敵が出てきた場合の対応について

→逃げろだ。自分が生き残る事に集中してくれ。今回敵の力の入れ方といい、目標は必達だろう。ロゼ婆対魔人族5人のチカラが均衡状態にある中で、イレギュラーな存在である俺らが出てきた場合、その均衡状態が間違いなく崩れる。つまり、失敗する。ここで裏で糸を引く存在の登場である。


・逃げた時の対応について

→集合場所は王都モンテリア。入る際に門の下に名前が分るように傷を付けるように。半年間俺が現れない場合は死んだものとみなし、好きに移動して構わない。ただし修行は何処でも続けるように。


・万が一、俺が勝てない敵が現れた場合について

→スペシャルスキル【魔愾融合】が発現し、Lv5以上になるまで復習はするな。必ず負ける。俺の今のレベルが4だからね。


・逃げ道について

→村から森を抜けた所にある大きな滝を使え。滝の下流は王都に繋がると母から聞いたことがある。ウルトとリナリーの実力なら他家族を含めても守れる筈だ。魔力で包み込んで落下するんだ。




「これで以上だ!、さぁ滝の方へ向かうぞ!」





「アルちょっと待って」




「どうしたリナリー??」



突如稲妻が村の奥地の森の中に落ちる。大粒の雨が頭上に落ちた。嵐の前兆だなこれ。辺りは一瞬にして土砂降り、豪風になった。リナリーは先程の問いを聞き取れずに落ち着かない仕草でもう一度聞いてきた。雨で顔がクシャクシャなのか、涙でクシャクシャなのかがもはや判断できない。聞いてる途中から何かを察したみたいで目が赤くなっていた。ウルトは真剣に聞いていただけだったけど。




「もう待ってて言ってるじゃん!」




俺は無言で問いかける。どうしたと。




「なんでアルと別れる事が決まってる事みたいにお話するの?一緒に戦ってダメだったら逃げればいいじゃんよ!」





リナリーは無我夢中で伝えたい事を言い放った。

俺は無言でリナリーとウルトの肩を抱きしめて抱擁した。



「リナリー、聞いてくれ。初めて出会った時はウルトのついでに強くさせるつもりだった。でも今は全く違う。………。ウルトと同じくらい大切な存在になったんだ。だから生きてくれ。でも勘違いすんなよ、俺はやられないぞ。強いのは十分知ってるだろ!?」


ウルトも何となく感じたみたいだ。2人とも肩を震わせながら静かに頷いた。




「もちろん途中までは一緒に行く。後は王都で合流だぞ!さぁ行くぞ!」




今度は力強く頷いた!





雷豪雨の中、森の半分まで進んだ時に村の方から今までの比にならないような凄まじき爆爆音が鳴り響いた。雷豪雨でさえ数秒間怯んだように止み、耳鳴りがキーンとし無音状態になる。走っていた俺たちはそこから放たれる全員が圧倒的な静圧の前に足を止めていた。



流石に不味いな。いくらロゼ婆と言えど格が違う。リナリーとウルトに別れを告げて、ロゼ婆のもとへ縮地で向かった。残ったメンバーは更に急足で滝へ向かったのであった。




読んで頂きありがとうございます!

評価して頂けると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ