漫才「あんた誰?」
アタシ、アタシっ、来ちゃった。
舞台の左右袖から手を叩きながら、ツッコミとボケがやって来る。
ツッコミ「どうも~」
ボケ「ど・う・もっ!ちゅっ!」
ツッコミ「・・・・・・いや~緊張してはりましたね~」
ボケ「そうねっ!」
ツッコミ「夫婦漫才かぁ、ええね、年・・・くってたけど」
ボケ「そうねっ!」
ツッコミ「・・・てっ、あんた誰っ!」
ボケ「あたし?あ・た・しよっ!」
ツッコミ「だから、分からんって!」
ボケ「永遠のアイドル」
ツッコミ「知らん」
ボケ「どんだけーからの背負い投げからの横四方固め~っ」
ツッコミ「痛いっ、痛いっ、本気ですなっ!」
ボケ「アタシはいつでも恋にお仕事本気よっ!」
ツッコミ「・・・㋔かまちゃん?」
ボケ「違うっ!カマちゃいまんねん、パーマでんねん」
ボケは自分のアフロヘア指を刺す。
ツッコミ「ああ、これは見事なアフロで」
ボケ「でしょう」
ツッコミ「でしょうちゃうわ。ボクが聞きたいのはあんた誰ですか?」
ボケ「自分のことカタカナでボクって呼ぶなんてあなた才能あるかも・・・どうかしら、あたしと今夜・・・」
ツッコミ「断固お断り。しかも文字で書かないと分らんし」
ボケ「閉店ガラガラからの~」
ツッコミ「からの~はありません」
ボケ「ボクは死にましぇん」
ツッコミ「言い方なんとなく似ているけど」
ボケ「そう、そう、そう、爽っ!」
ツッコミ「・・・怖い」
ボケ「怖くないわよ~怖いのは、ほんのはじめだけ、だからじっとしててね~」
ツッコミ「するかっ!」
ボケ「あ、だったら実力行使」
ツッコミ「怖いので、ごめんなさい」
ボケ「分かればよろし」
ツッコミ「あ~なんか敗北感が」
ボケ「男は負けて強くなる」
ツッコミ「・・・・・・さよけ」
ボケ「あたし最近、太って来たのよね~」
ツッコミ「急に・・・なん」
ボケ「いいから聞きないさよ~このサイコ野郎っ!」
ツッコミ「ボク、サイコちゃうし」
ボケ「ガタガタぬかすと、奥歯抜いて海に沈めるぞこらっ!あっ、抜いた奥歯はアクセにするねっ!」
ツッコミ「あんたが完全にサイコだよね」
ボケ「逝く?」
ツッコミ「ごめんなさい」
ボケ「で、あたし太ったのどうしたらいと思う?ねぇ、ねぇ、ねぇってばっ!」
ツッコミ「グイグイくるな~」
ボケ「くるう~」
ツッコミ「・・・・・」
ボケ「なんとか言いなさいよ。オラッ!」
ツッコミ「ああ、腹パンはやめて」
ボケ「あなた、腹にパンツ履いてるの?どれ見せなさいっ!どれどれっ!」
ツッコミ「そういうことじゃないって」
ボケ「もう、あたしのスイッチが入ったの」
ツッコミ「どこで入った?」
ボケ「あそこよ・・・あ・そ・こ」
ツッコミ「あそこってどこだよ」
ボケ「ここだよ。ここっ!」
ボケはツッコミのズボンをひん剥こうとする。
ツッコミ「やめれ~」
ボケ「ボクの名前はヤン坊」
ツッコミ「ここに来て名乗り・・・しかも偽名?ボク、マー坊ちゃうし」
ボケ「2人合わせて~からの~」
ツッコミ「ええ加減にせいよ」
ボケ「からの~」
ツッコミ「ありませんっ!」
ボケ「・・・・・・」
ツッコミ「・・・・・・」
互いに顔を見合わせ笑いだす。
2人「えへへっ」
2人「ありがとうございました~」
再び、ひん剥こうとするボケ。
ボケ「どんだけ~」
ツッコミ「やめれ~」
あたし、くるう~。




