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エッセイなど

書く事は演じる事

作者: 羽鳥藍那

私は、物語を書きつづる時にプロットを起こさない。

それが一般的な手法に反する事も、起した方がより深みのある作品が作れるであろう事も承知してはいるが、プロットを起こすと筆が進まなくなってしまうのだ。

では私がどの様にして創作をするかと言えば、表題の通り独り芝居を演じ切ってしまうのである。


目が覚める瞬間であったり運転中であったり、ふとした瞬間に物語のワンシーンが浮かび上がる事が多々ある。

そうして浮かび上がったシーンが場景が、文字として頭からこぼれ落ちる時が創作のスタートだ。

こぼれ出た文字を拾い集め、より鮮明にそのシーンを頭の中に描き出すと、そこに登場する人物が憑依するかの如くポップする。

これが作者としての私の役割であり、私が唯一行なう創作作業となる。


バトンを渡された登場人物たちは主人公の望むスタートシーンに立ち、ただひたすらに感じ、考え、行動し、発言をしてゆく。私はそれを記録として文章にしてゆくのだ。

そこに私の思惑などは無い。有るのは、どの視点で記録を残せば読み返し易く無駄が無いかだけだ。

ストーリーは登場人物たちが歩む道なのだから、彼らが決断し進んでゆけばよい。彼らの要望に応じて次々と増える人物の憑依は許すが、如何せん脳ミソは一つしかないのでポップ数は限られてしまうものの、許す限り提供するのが親としての義務だろう。


当然ながら、最初に溢れ出たシーンに成らない場合もあれば、随分とイメージが変わってしまうこともある。それでも彼らが生きた証なのだから、あえて修正する事もリセットする事もしない。

彼らがまだ先を目指したいと訴えてくれれば、許す限りの時間を提供しよう。共にその時間を共有し、その世界に色を付けて行くのはとても楽しい事なのだから。


こうして生まれた作品は、まったく感情移入しない校正者としての私による誤字チェックを経て世に送り出されてゆくのだが、記録者としても校正者としても未熟な私は、彼らの魅力をはたしてどれだけ表現できているのだろう。

その思いが常にあるので、私は場景を消し去る時間を空けて後、再び彼らをスタートラインに立たせて再演を試みる。


ただ、再演は創作とは手法が異なる。

なぜなら、彼らは駆け抜けてしまった道を振り返るからだ。

『もし…だったら』

『あの時…していれば』

そんな後悔をしながらそれでも歩んだ道をトレースしてゆく彼らを、私は記録者としてより広い目線で俯瞰し、加筆を繰り返してゆく。


読者からしてみれば、未完の未熟な作品でしかないだろう事は承知している。

それ故にPVが伸びたとしても評価が付かないのだろうとも思っているが、書き始めて一年ちょっとの私には、これが最善の手法なのだ。

『一度温めて、見直しして、投稿する』

『プロットを練ってストーリーを決めて書き始める』

それも試してみたけれど、結果としては投稿するに至らなくなってしまった。


だから恥ずかし気も無く、投稿をしている。

見苦しければそっと閉じて頂けると嬉しい。酷評も受け入れる気持ちはあるけれど、『見苦しい』『いつの時代だ』『勉強不足』『人の気持ちを解っていない』なんて言葉だけを投げつけられると、さすがに立ち上がれなくなってしまう。


PVは正直なところ気にならない。

伸びれば嬉しいが、そもそも大々的に宣伝をしているわけではないので、どちらかと言えば伸びる事が不思議だったりする。


評価が付けば、それば1ポイントだろうと嬉しい。

ちゃんと読んで貰えた証だと思うから、どんな点数だろうと良いのだ。逆に言えば、評価が付かないのは読むに堪えられないと思えて辛い。


コメントなんかが付けば、飛び上がって喜んでしまう。

とは言え、私自身が人の作品にコメントを掛けるだけの語彙力が無いので、付かなくても特段気にはならない。


一度は筆を折った身で、いつまで再び筆を折らずに続けられるか分らないけれど、書く事が楽しいと思える間は投稿して行こうと思う。



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