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番外 ジェニファーへ

 兄貴が寝ているので、俺はこっそりベッドから抜け出した。

 前々から、死んだ時を考えていたのだが、どうするべきか悩んでいた。しかし、それも今日で終わりだ。

 俺の遺産や持ち物は全部ジェニファーたちにやることにした。

 女々しくも、彼女との別れの一ヶ月前にウェディングドレスを一式買ってしまい。それを棚に隠している。多分、死んだら知らされるだろう。


 急に遺産が行ったら驚くだろうから、手紙を書いておこうと思う。

 どういった内容を書けばいいのだろうか。

 長々とした手紙だと嫌になられそうだ。それに死んだ後からもずうっと彼女を縛るのは申し訳ない。さすがに惚れて子供を産んでもらうことになっても、線引きはきっちりしておかなければ。


『ジェニファーへ

 急に手紙が来て驚いているでしょう』


 なにか違うと俺は紙をぐしゃぐしゃ丸めた。

 違う違うとあれこれ書いていると、起きたらしい兄貴が俺の部屋を覗いて「なにしてるんだ?」と聞いてきた。

「遺書だよ」

「ああ、遺書ねえ」

「なあ、兄貴」

「ん?」

「兄貴は遺書とか書いてる?」

「まさか」と兄貴は笑った。

「そうか」

 兄貴は俺の手元を覗き込んで「お前の女にか」と言った。

 俺は頷いた。

「惚れ込んだなあ」と兄貴はしみじみと言った。なんとなく恥ずかしくなって手紙を隠してみたが、兄貴は興味がなかったらしく、さっさと近くにある椅子に腰掛けて、コーヒーをすすった。

「兄貴、遺産はどうしてる?」

「金は全部、ガキとその母親にやることになってる。もちろん半分半分だけどな」

「ふうん」

「お前は一人だから楽勝だ。物もやるのか?」

「うん」

「そうか。じゃあ、俺のも入れとけよ。どうせ、俺のガキはやったって、どうしようもねえ。一人は娘だし、レオナルドは友達らしいしな」

 兄貴はニヤニヤ笑ってそう言った。

 俺は「じゃあ、そうするよ」と遠慮なくそうさせてもらった。

 売れば確実に金になるものだし、困った時に売ればいいんだから。

「死んだら出すのか?」

「そう」

「書きたいこといっぱいあるんだったら、数日に分けたらどうだ」

「え? 遺書だぜ、これ」

「ああ、遺書だったな。その割に私情がめちゃくちゃ入ってるし、ただの近況報告じゃねえか」

 もう一度見て見ると、たしかに遺書というよりただの手紙だ。

 俺は頭をかいた。

「遺書とは別にしたらどうだ?」

「ああ、じゃあ、そうするよ」

 兄貴は俺を見て「死んだ後なんて、使えるもクソもないんだ。死ねばおしまい。それだけだ。だから、死んだ後は勝手にしろよ」とだけ言って、居間に戻ってしまった。部屋の外からはテレビの音がする。

 俺はもう一度、遺書だけをかいた。簡潔で分かりやすく、詳細に。家以外のカジノにある部屋のことも全部書いた。

 その日から俺は少しずつ彼らに手紙を書き始めた。

 死んだら出すようにと組織のボスに渡した。

 ボスはギャングのわりに心根が正直で優しく甘い。だから、きっと死んだら出してくれるだろう。兄貴は俺がやっていることになにも言わない。興味がないのだろう。死んだ後なんて知ったこっちゃないんだ。



『ジェニファーへ

 急な手紙で驚いているだろうが、これから数ヶ月はくるから覚悟しろ。兄貴は俺が死んだ後は知ったこっちゃないらしく、これに関しては全面的にオーケーしてくれている。多分、俺が死ぬ時は兄貴も死んでいると思う。なんとなくそう思うんだ。

 さて、今は1927年の5月だ。少し暑いのでシャツの素材が変わった。

 兄貴は今、テレビを見ながらコーヒーをすすっている。朝は毎日こんな調子だ。あまり派手さはない。派手なのは夜だけだ。

 レオナルドとヘンリーは元気だろうか。彼らがどんな大人になるのか楽しみだ。それまで生きていればいいけれど。

 俺と兄貴の服はレオナルドとヘンリーにあげようと思う。靴もそうだ。家もあげる。兄貴は別にいいらしいので、好きにしてくれ。セキュリティは万全だし、今まで外からのことでヤバい目にあったことはないから、大丈夫だと思う。家を丸ごとそのままそっくり君たちにあげるので、好きにしてくれ。

 誰かにあげてもいいし、売ってもいい。あまり物に固執せずに金が必要とあらば、売ってくれ。

 それから、君が再婚したりしないのは嬉しいけれど、俺が死んだら好きにしてくれ。そうそう、マガジンは永久契約みたいなものだから、死んでも届く。レオナルドには安心しろと言っておいてほしい。

 では、次の手紙を楽しみに待っていてくれたら嬉しい』


『ジェニファーへ

 カジノで今日も賭けボクシングで勝った。これでも案外強い方なんだ。兄貴はあまりしないけれど、兄貴も強いぜ。

 今日は賭けで勝った金で酒を飲んでいる。そこまで値の張るものじゃないけれど、なかなかにいい。兄貴もご機嫌で鼻歌を歌っている。そのうち、女を呼ぶだろうと思う。そしたら、俺はベッドじゃなくて硬い床で寝る羽目になるだろう。こんな時に君の家にいけたらと思う。

 レオナルドはしっかりと友人ができただろうか。友達に見せてもらっているというのは嘘だろう。学校の近くで見かけたが、一緒に帰っている友人もいなかった。昔の兄貴もそうだった。

 だけど、兄貴は堂々としてた。レオナルドにも友人が一人としていなくても背筋を伸ばして堂々とするように言っておいてほしい。特にお前は弟がいるんだから、大丈夫だとも言って欲しい。

 そういえば、兄貴が珍しくレオナルドの話をしていた。大きくなったらどうとか、髪型をこうしろとか色々と言っていた。そのうち、整髪剤のプレゼントが届くかもしれない。ぜひ使ってくれ。

 ヘンリーの夜泣きはどうだろうか。

 色々と赤ん坊用のものを送ったが、迷惑じゃなかっただろうか。色々と世話をかける。だが、俺は後悔していない。

 そうそう、死んでも俺のことは父親だなんて思わないで欲しいと言っておいてほしい。俺はギャングではないけれど、相当なことをやっているし、そんなのが父親だっていうのはいけないと思うんだ。実のところ、レオナルドも、俺を父親のように思ってきているんじゃないだろうか。

 嬉しいけれど、複雑だ。

 君の体調はいいだろうか。無理はしないで欲しいが、そうもいかないだろう。そのうち、なにか送りたいと思っている』


『ジェニファーへ

 今日はとても疲れた。兄貴が部屋であれこれとやっていて、俺はその処理に追われてヘトヘトだ。

 さすがに今日はなんとしてでもベッドで寝るが、多分兄貴は少しばかりあれこれということだろう。宥めすかすのも弟の仕事だ。

 レオナルドもヘンリーも君も元気だろうか。

 病気になったら、レイモンドに相談したらいい。少しやばそうな雰囲気はあるが、あれでいて優秀な医者だ。怪我なら、彼がすっかり直してくれるだろう。毎日へんてこりんな怪我を見ているから、どんなものでもなんとかしてくれると思う。

 まあ、彼は開業医じゃないから、自分の病院なんてのは持ってないのだが。

 でも、そのうち開業したら、ぜひ行ってくれ。俺の名前を出せば優先してくれる。

 レオナルドに、靴下を送った。いい靴下だったから、思わず買ってしまった。君にもなにか送れたらいいんだけど、少し難しい。君のことだから色々と察してくれるのだろうけれど。

 兄貴が諦めろと最初に言ってくれたおかげで、迷惑をかけずにすんでいる。

 家の兄貴の部屋は危ないものがあるかもしれないから、君だけで見てほしい。血痕のついたものがあるかもしれないし、女物のなにかがあるかもしれない。あまりパッと見はそうは見えないが、隠れているので注意して欲しい』


『ジェニファーへ

 俺ばかりが物を送っていて、迷惑じゃないだろうかと考えたので、少しずつ減らしていこうと思う。兄貴にも、そろそろ減らせと言われた。

 レオナルドとヘンリーの二人に汽車のおもちゃを贈るよ。よくできていて、汽笛の音がとてもいいんだ。

 二人が汽車が好きかはわからないが、遊んでくれたら嬉しい。

 時々、シチューを見ると、君の家で食べた時を思い出す。あの時が一番平和だった。あんな会話、正直とても久しぶりだったんだ。

 はっきり口にも文字にも書けないけど、その時、一番嬉しく楽しかった』


『ジェニファーへ

 しくじって、脇腹と太ももをやられた。

 レイモンドのおかげでなんともないけれど、兄貴には「ドジ踏みやがって」と笑われた。兄貴の敵に油断していたところをやられたんだ。本当にしくじったと思う。これが最初ではないけれど、最近はなかったから、残念だ。

 兄貴もあれでなんだかんだ銃弾やナイフの切り傷がけっこうある。裸を見たならわかるだろうけど。まあ、うすぐらいし分かりづらいか。

 二人は病気もせずに元気だろうか。死ぬのはかまわないんだが、その過程が怖いと思う。

 兄貴は最近、女遊びをしていない。どうしたんだろうか。

 君の方は仕事は順調だろうか。順調ならいいのだけれど。

 君の方は俺みたいな怪我をするようなことは滅多にないだろうけれど、気をつけて欲しい』


『ジェニファーへ

 兄貴の子供が大きい病気をしてたらしい。あれでいて、子供好きだから女の方に目を向けられなかったんだろうと思う。

 心配しなくても、手術で回復していっているらしい。

 もしも、レオナルドかヘンリーが大きな病気に罹った時は知らせて欲しい。手紙でもなんでもいい。面倒ごとをしっかり片付けてから、こっそりと行くよ。死んでも、魂になって、飛んで行くよ。多分、死んでいる時の方が早いと思う。

 もちろん、君が病気になってもだ、ジェニファー』


『ジェニファーへ

 君の言った通り、父親っていうのはすぐには愛情がわかないけど、愛しているのは本当だっていうのは、事実だったんだね。でも、俺のことはただのアレックスにしていて欲しい。

 町で一番でかいカジノのボスの右腕で弟のアレックスに。

 でも、もしもパパだの親父だのなんでもいいけど、そういうことを言われたら、泣く気がするよ。写真の一つでも撮っておけばよかった。

 俺は多分死んだ方が自由にはなると思う。けど、生きていたいと思う。もっと、なんでもない幸せを手に入れたいとも思う。

 でも、俺は兄貴の弟なんだ、許して欲しい。

 君になにも言ってやれない、なにもしてやれない俺を許して欲しい』


『ジェニファーへ

 兄貴の出張で今日から俺がカジノのボスになっている。特にやることは変わらない。兄貴がやってたことは、兄貴がすでにやっているし、俺はいつも通り見回るだけだ。俺と兄貴の格好は派手だけど、やってることは地味なんだぜ。

 カジノで出た会計とか、このままカジノをどういう方針でやっていくかとかの会議なんてのもあるし。本当に案外地味なんだ。だけど、ギャングの店だから危険ではある。時々、入り込んできたりするんだ。

 でも、あんまり気にすることはない。今までそこまでひどいことになったことはないし、すぐに抑え込める。組織の人間がセキュリティーをやってくれてるから、安心だ。

 ここ最近は少しだけ忙しかった。とは言っても、驚くほどってものでもない。

 今なら、兄貴はいないから会いに行ける。でも、会わない。

 諦めるってのはそういうことだ。

 最近、兄貴の言った諦めろって言葉を反芻するんだ。もしかしたら、兄貴も好きな人がいたのかもしれないな。聞いたら答えてくれるだろうが、本当か嘘かはわからない。俺たちは端からみると、とんでもない仲良し兄弟でなんでもかんでも知っていて、わかり合ってるように見えるかもしれないが、ちっともそんなことはない。

 俺は兄貴のことを全部知っているわけじゃないし、兄貴も然りだ。

 もしも、レオナルドとヘンリーが喧嘩したとしても、兄貴だからだなんて言わないでやって欲しい。兄貴はそれで随分とかわいそうだったから。二人とも、喧嘩するぐらいの仲良し兄弟になったらいい。俺と兄貴は喧嘩しないから』


『ジェニファーへ

 やっと兄貴が帰ってきた。長い出張だった。

 なんでも向こうでドンパチやってたらしい。少し服が火薬臭かったな。いくつかのシャツがダメになった。俺の気に入ってたものもあったんだけど、残念だ。

 昔、兄貴は時々出張だのなんだのと言って、いなくなってた時がある。その時はこんな匂いはしなかった。もしかしたら、兄貴はその出張先で色々あったのかもしれない。聞いてみようかと思うけど、知らない方がいいんじゃないかとも思う。

 兄弟について聞かれそうだと思うから、時々書いていこうと思うよ、俺たちが兄弟やってた時のこと。

 喧嘩ができなくなったらダメだぜ。幼い時は随分と喧嘩をするべきだ。俺はできなかったから。

 喧嘩してる時は、こら!って叱るくらいで大丈夫。兄弟の絆ってのはそんなやわじゃないからさ。でも、行きすぎたら止めたらいい。うちの母は兄貴ばかりを悪いと思って叱ってたから、君はそうじゃないだろうけど、どっちの言い分も聞いてやってくれ。

 可愛い彼女とかできるのかな。彼氏でもいい、どっちにしろできたら、俺も見てみたいよ。そしたら、からかってやれるのに。もしも、俺が年寄りになるまでいきてたら、クリスマスに見せにきて欲しい』


『ジェニファーへ

 兄貴の言ってた通り、そろそろ足音が俺にも近づいてるよ。兄貴から手紙をもらった。

 安楽死の薬を持ってこいだって。

 ごめんな、なにもしてやれなくて、今までの手紙では足りないくらい君とレオナルドとヘンリーに言いたいことはあったんだ。なあ、ジェニファー、君は俺に会って幸せだったかい。あの日の夜、ソファーで喋ったことを俺は忘れないぜ。ずっと覚えてる。

 まるで、捨てないでくれっていう男みたいだな。笑ってくれ。

 君に色々してあげたかった。あの5ヶ月間では足りなかった。でも、俺のできることはしたと思う。あの5ヶ月間は俺にとって一番得難い時だったと思う。

 君とちゃんとしたところにディナーに行きたかった。指輪だって渡したかった。教会に行きたかった。旅行にも行きたかった。俺もレオナルドとヘンリーと一緒に寝てみたかった。絵本だって読んでやりたかったし、宿題だって教えてやりたかった。ただ地面に寝っ転がって、笑うだけでよかったんだ。

 ソファーで寝転んで、その上に子供達を乗っけながら、テレビを見たかった。君に叱られたかった。こんなことなら、言葉に出しておくんだった。ああ、俺は情けないぜ。情けない男だ。未練がたくさんある。兄貴は多分ない。

 情けない男だ。君に会いに行けばいい。抱きしめて、髪をすいてキスすればいい。レオナルドにもヘンリーにも同じように会いに行って抱きしめてキスをすればいい。

 でも、俺が走って君に会いに行けば、君たちに近づく輩が出てくる。銃を持った男が押しかける。だから、行かない。

 兄貴が諦めろって言ってなかったら、今頃、君は危険な目にたくさんあってた。

 そこは兄貴に感謝してる。

 レオナルドとヘンリーが二十歳になるのを見たかった。君の隣で笑いながら見たかった。もちろん兄貴も一緒にだ。きっと、レオナルドもヘンリーもいい男になるぜ。絶対だ。俺と兄貴が言うんだから、絶対そうだ。世界一の男になる。

 俺は幸せ者だよ。だから、君もレオナルドもヘンリーも幸せになって欲しい。絶対になって欲しい。

 君たちに会いたい。会いたいが、会わない。諦めろってそういうことだ。

 俺は死ぬぜ。

 兄貴と一緒に、きっと。

 兄貴は一人ぼっちが嫌いだし、一人じゃ寝れないんだ。俺がいてやらなきゃ。君たちの側にもいたいけど、俺は兄貴の弟なんだ。泣いて、恨んでくれて構わない。いや、そうしてくれると嬉しいんだ。忘れられないって感じがして、いいだろう? 嘘だ。忘れてくれた方がいい。

 なあ、ジェニファー、君はこれから大丈夫かい。

 レオナルドもヘンリーも大丈夫だ。彼らは絶望するほど青くなく、理解できないほど幼くはない。彼らならきっと大丈夫だ。勝手に前を向いて歩いて行くさ。子供なんてそんなもんだろ、ジェニファー。

 だから、俺は君が一番心配だ。探偵の野郎もレイモンドも大丈夫だろうけど、君が心配だ。

 張り詰めてないか、気負ってないか、体調を崩してないか、誰かに甘えてるか、頼ってるか、心配だ。死んだら、それでお終いだって兄貴はよく言っている。俺は死ぬけど、君には生きて欲しい。わがままも許して欲しい。それだけ惚れてるってことでさ。俺がここまで惚れたのって君だけなんだぜ、知ってたかい?

 なあ、ジェニファー、俺は死ぬよ。泣いてくれ。それから忘れたように笑っていてくれ。俺は多分地獄行きさ。君たちがどうなるかはわからない。でも、いつか会おう。会える気がする。バカみたいだけどさ。 

 なあ、ジェニファー、どうせ最後だ。でも迷惑になるかな。迷惑だろうけど、死ぬんだから許して欲しい。君がどこかに公表したりはしないと思う。だから、最後だし、書くくらいは許して欲しいんだ。でも、いざとなると気恥ずかしいな。

 愛してる、君を。もちろん、レオナルドもヘンリーも。兄貴も愛してる。でも、君と兄貴とではまったく違う。ああ、そうさ。違うんだ。愛してるから生きてくれよ。死ぬんじゃないぜ。

 それじゃあ、この手紙が最後だ。生き抜いてくれ。大丈夫、俺には兄貴がいるし、兄貴には俺がいる。大丈夫だ。ただ君だけが心配だ。それじゃあ、いずれ会おう。いつか、きっと』

兄貴のことを結構書いてるのでやっぱブラコンだな、お前って思う。

でも、ジェニファーも息子たちも本気で大切に思ってたし、普通に結婚して幸せになりたかった。ジェニファーも離れていても愛してたけど、アレックスだってそうだった。もうほんとさっさと幸せになっててくれよ。

アレックスはジェニファーにだけは君って言うので、ちょっと格好つけてるとこもある。年下だしね、格好つけたいよね。

兄貴が出張云々のところは実際は出張じゃなくて、娘の方のお母さんになってる人に会いに行ってただけの話。本当は弟放ったらかして駆け落ちしようとしたけど、やっぱり弟がいるし、自分の存在自体が危ない輩を集めるからってやめた。おかげですれ違うように彼女を危険から救って、やっぱり、お互い一緒にいないのが一番だって別れた。本当はお互い一緒にいたいんだけどね、辛いね、兄貴。そうして、兄貴は大人になって、弟の恋愛に口出しするようになったわけですね、兄貴。

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