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1話 討つべき敵は 中編

胸糞注意報

『ヒュベール国王、アダールを排除して欲しいのです!』


「ふん、何が排除だ!」


盗聴効果のある魔鉱石を握り潰し、ヒュベール国王アダールは憤慨する。しかし、この国王に関してはガラハーンが魔王アルシアへ申し出た願いに腹を立てる事は実に筋違いなのだが、やりたい放題に権力を振りかざすこの王には関係がない。

何事においても自分が優先的、自分に従わないものには死を、という協和性の欠片も無い横暴な暴君なのだ。何を言っても無駄という訳だ。


「逃げた奴が仲間を連れてくる!お前らは城の周りを警備しろ、ワシに牙を向く輩は全て殺せ。ワシは寝室におる」


返事はしないものの実行に移す暴君の騎士達、平民の人達よりは身柄や家族の保証はされてるもののアダールに歯向かえば屈辱か死しか残らない。故に反論が出来ない。死にながら生きてるようなモノだと言われても仕方ない、それぞれそんな思いでこの王に仕えていた。

そして、その王は王の間から歩いて十五分ほどにある寝室へと向かう。寝るために向かっているのだろうか?……いいや違う。普通、こんな危機的状況で寝ようとするものはいない。しかし、何のために……答えは案外簡単だった。彼は領地にある平民の妻娘を攫っては手荒くいやそれ以上に酷く犯しているのだ。年齢などに気しないでその行為に走り、その上子を孕んだ女は容赦なく殺す。この寝室に向かっているのも今日も今日とて人の妻や娘を犯すためなのだろう。

それも最悪なことにガラハーンの妻や娘、バダンとターナドのそれぞれ恋人がこの王の餌食となる。数日前に攫われてきたばかりなのでまだ助けられる余地もあったが終わりの時間は一刻と迫っていた。


「どいつから()ろうか」


その問いは本来、自問自答のようなもので誰かが返事してくれる訳では無い。そこまで自我を保っている者や自らこの王の愚息を欲するような者がいないのだ。だが、その場に居合わせて返事した人間が一人いたのだ。


「そうだな、アダール国王。まずはお前から()ってやる」


――返事した人間は『魔王の騎士』――グレイス・ヴェリタス。そう、僅か九分という短時間でガラハーン達が呼んだ仲間はアダールの目の前に現れた。

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