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【詩集】Shangri-La

あるように

作者: 野鶴善明


 僕を濡らす

 梅雨の雨は

 しとしとと

 穏やかな顔をして

 あるように

 降り続ける


 植え込みの

 紫陽花は

 あざやかな青紫を

 まき散らしながら

 あるように

 咲き続ける


 焼き板塀の

 かたつむりは

 ゆったりと

 雨雲を見上げ

 あるように

 這い続ける


 世界は

 あるように

 あり続けるのに

 ぎこちないのは

 僕ばかり

 不自由なのは

 僕ばかり


 愚かさの束縛を

 一つほどいては

 一つ増え

 二つほどいては

 二つ増え

 なかなか

 減ってくれない

 そんなことの

 繰り返し


 届かない憧れが

 ささやくように

 雨は降る

 紫陽花は咲く

 かたつむりは這う

 あるように

 ある姿の

 時の静けさ


 僕も

 あるように

 ありたい

 ただあるように

 ありたい

 いつの日にか



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― 新着の感想 ―
[一言] 全ては、あるようにあるもので、梅雨の雨、紫陽花、かたつむり、煩悶の中にいる僕も。 いついつまでも、あるようにあるもので。
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