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地球で虐げられた《最強》闇魔術士は、異世界でエルフ嫁たちに愛される  作者: 銀翼のぞみ
三章

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88話 アルフス王国の戦士長

 アルフス王国は、様々な草木に囲まれた大国だ。


 住まう種族は主にエルフ。

 エルフは、そのほとんどが容姿端麗であり、大自然と調和し生きる姿は、見る者全てが心奪われてしまうであろう。


 だが、そんな中でもひと際美しい特別な存在がいる。


「う〜ん……」


 場所は王都の兵舎。

 その女子更衣室。


 着替えを終えた1人のエルフが、伸びをしながら声を漏らす。


 髪はウェーブのかかった腰まであるプラチナブロンド。

 少しばかり目尻の垂れた……しかし、整った形の瞳の色はマリンブルー。

 左の瞳の下にある小さな泣きぼくろが、どこか色っぽさを感じさせる。


 瞳もさることながら、鼻や口も驚くほど整っており、エルフの中でもその美しさはズバ抜けている。


 言い表すならば絶世の美女――そんな言葉しか思いつかないほどの容姿だ。


 容姿といえば服装だが……


 兵舎という場所に相応しく、白銀の鎧を着している。

 だが、その鎧の形が普通ではない。

 鎧だというのに、腹や二の腕、太ももが丸出しなのだ。

 そして、デザインは非常に際どく、まるでランジェリーのよう……いわゆる、ビキニアーマーというやつだ。


「あぁ、“レオナ”戦士長……今日も美しいわ……」


「ほんとね。それに綺麗な肌に、あの完璧ボディ……同じ女でも見惚れちゃう……」


 彼女が伸びをする姿を見て、鎧へと着替える途中のエルフ2人が、ウットリとした顔で言葉を漏らす。


 絶世の美女エルフ――その名は、レオナ。


 今、1人目が言ったとおり、彼女はこの国の女戦士だけで構成された“アマゾネス戦隊”の戦士長だ。


 そして、これもまた2人目が言ったとおり、レオナは顔だけでなくプロポーションも抜群だ。


 シミひとつない白磁の肌に、線は細いというのに、臀部や太ももは程よくムッチリと……。

 そして胸は、これでもかというほどに、大きく実っている。

 その大きさ……例えるならば“メロン級”。

 どこかの、ご主人様だいすきエロフと同じくらいはあると思われる。


 女であっても見惚れてしまう様な、絶世の美貌と悩ましボディを持ったレオナが、ビキニアーマーなど着て、日頃から兵舎や街中を歩き回るのだから、男性兵や街の男たちは、たまったものではないというものである。


「戦士長ぉ〜! 大変なのです!!」


 更衣室の扉の外。

 廊下からそんな声が響く。

 そして――


 バタンッ! と扉が大きな音を立てて開けられる。


「まぁまぁ、どうしたの“ナタリア”? そんなに慌てて」


 大声の出どころ。

 勢いよく現れたエルフの少女に向かって、レオナが色っぽくも、おっとりとした声で問いかける。


 ナタリア――少々小柄なエルフの少女だ。

 ライトグリーンのショートヘアをしており、その性格は快活。

 彼女もまた、アマゾネス戦隊の隊員であり、小柄な見た目に反し、副戦士長という大役を任されている。


「“中央の森”に早朝警備に出ていた子たちが大怪我をして帰って来たのです! 報告によると“レッサードラゴン”の群れが現れたとのことなのです!」


「――ッ! レッサードラゴン……それも群れでですって?」


 ナタリアの報告を受けたレオナの表情が、おっとりとしたものから真剣なものへと変わる。


 レッサードラゴンとは、その名のとおり下級の竜種のことだ。

 通常のドラゴンのように翼は持たず、飛行能力はない。

 体内に火炎炉もなく、ドラゴンブレスによる攻撃も放ちはしない。

 しかし、その凶暴性やパワー、スピードなどは遜色はないのだ。


 対し、警備に出ていたアマゾネスたちは僅か数人。

 そんな状態でレッサードラゴンの群れに出くわしでもしたら、大怪我は必死……否、生きて戻ってこれただけで、幸運と言えよう。


「討伐に向かうわ。至急、人員を集めなさい!」


「「「了解!!」」」


 ナタリアを始め、その場にいた者たちへレオナが指示を飛ばす。


 エルフは自然の中で暮らす種族。

 ゆえに、王都の中心部にも中央の森と呼ばれる大森林が存在する。

 そこから四方八方にレッサードラゴンが街中に襲いかかりでもすれば……大惨事は免れないだろう。


 指示を飛ばすと同時、自分も準備を始める。

 

 ポーションを始めとした回復薬や、念のために解毒薬なども太もものホルダーに装備していく。


 ――それにしても、おかしいわね……。


 準備を進める中、レオナは思う。

 森といっても、中央の森には害になる魔物は生息していないのだ。

 にも関わらず、レッサードラゴンが出現……それも群れでとなるとあまりに不可解。


 彼女の“エルフの勘”も、何か危険な香りを伝えようとしている。


 ――だからといって、放置するわけにはいかないわ。


 放置などすれば街に被害が出る。

 この国の戦士長として、それは何としても阻止しなければならない。


 現時点で集められる限りの戦力を用意し、レオナたちは討伐に赴く。


 その先に大いなる謀略が待ち受けているとも知らずに……

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