表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球で虐げられた《最強》闇魔術士は、異世界でエルフ嫁たちに愛される  作者: 銀翼のぞみ
一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/132

35話 闇魔力の猛威

「どうしたッ、図体がデカいだけの木偶の坊か、貴様ら!!」


『ゲバッ……』 『グゲェ……』


 休息後、安全地帯を後にした舞夜たちを、数体のトロールが待ち構えていた。


 そのトロールうち2体は、サクラがギガントシールドによるチャージアタックで壁に叩きつけた。


 しかし、2体の抵抗の力が弱い。

 表情と声も弱々しいものだ。


「おらぁぁっ喰らえ!」


「げひゃひゃひゃひゃッ!! まさか、それがし達がトロールを圧倒する日が来ようとは!」


 押さえつけたトロールへ盾越しに、ダニーとハワードが次々と黒い(・・)斬撃と打撃を浴びせる。


 騎士隊の武器、それにサクラの盾には真っ黒なオーラが纏わりついている。

 正体は舞夜の闇魔力だ。


 融合魔法の発動に成功した舞夜は、休憩中、試しに皆の武器に魔力付与を施してみたのだ。


 結果は成功。

 舞夜の考えていたとおり、融合魔法の発動より、魔力付与は簡単だった。


 特にサクラのギガントシールドは、質量が大きいため、大量の闇魔力を付与できた。

 付与できた魔力量は《黒ノ魔槍(ブラック・ジャベリン)》の、およそ10倍。

 生命力を奪う特性を持つ闇魔力を、そんなとんでもない量を纏った物体に押しつけられれば、いかにトロールといえども抵抗する力も弱まるというものだ。


 そこへ、さらに闇魔力を纏った斬撃の嵐。

 ハワードの言ったとおり、まさに圧倒だ。


「ご主人様の与えてくださった、大切な装備に触れた報いです。苦しんで死になさい……!」


『ピギャアァァァァァァッ!!??』


 底冷えするようなアリーシャの声。

 その直後に、鳴り響くトロールの絶叫。


 アリーシャがトロールの急所を刎ね飛ばしたのだ。


 もちろん舞夜は、アリーシャの刀と脇差しにも、闇魔力を付与した。

 すると彼女は、どうしても1人でトロールと戦わせて欲しいと言い出した。

 許可を出したあと、危なくなったら、いつでも援護出来るように身構える舞夜だったが、結果は圧勝。


 魔力付与による斬撃が有効だったのはもちろん、新装備であるヴィブラウム合金のガントレットの性能は優秀で、トロールの剛腕による衝撃を完全に打ち消し、見事受けってみせた。


 さらに、アリーシャの攻撃は全てトロールの急所……睾丸へとヒットしていた。

 休憩中、トロールの再生能力の核は睾丸にあると、サクラから情報を得たアリーシャは、迷うことなく、その場所のみを狙ったのだ。


 普通であれば、トロールの攻撃範囲は広く、

 懐に入ろうものなら、ほぼ間違いなく殺される。

 それゆえ、狙う者は少ない。


 だがアリーシャは、《剣聖ノ加護》と先代勇者に叩き込まれた月天輝夜流。

 そして、新装備の高い防御力をフル活用。

 躱し、いなし、時には受けきることで、無傷でトロールを倒してしまった。


 夜は、柔らかな手つきで包み込んでくれる、アリーシャ。

 だというのに、敵のモノとなれば容赦無く潰し、斬りとばす。

 その女の恐ろしさに、舞夜は少しだけ、具合が悪くなるのだった。


「すごいですの! あのトロールがただの的ですの!」


「……ん。いけ《雷蟲(らいちゅう)》、《キマイラ》追撃」


 さらにその奥では、シエラとリリアもトロールを圧倒している。


 シエラの弓にも、魔力を付与してある。

 弓が当たるたびに、トロールの動きが鈍くなっていく。


 そしてリリア。

 ここにきて《召聖ノ加護》で新たな戦力を召喚した。


 名は《雷蟲》。

 某電気ネズミのような名だが、その見た目はグロテスク。

 人間の頭ほどもある体に、その体の半分ほどを占める、巨大な顎門を持った飛行蟲だ。

 標的まで一気に羽ばたき辿り着くと、かぶりついて、そのまま体内に電流を流し込むという、えげつない能力を持っている。


 それに加え、キマイラによる猛攻。


 アリーシャより時間はかかったものの、2人とも遠距離で戦っていたので、トロール相手に一番安全に渡り合ったと言えるだろう。


 魔力付与を駆使すれば、こうも簡単にトロールを倒せる。

 この事実に、舞夜はもっと積極的に、この世界の戦い方、そして魔法技術の研究に取り組むこととなる。


【読者の皆様へ】


下にスクロールすると、作品に評価をつける【☆☆☆☆☆】という項目があります。


お楽しみいただけましたら、どうか応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ