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地球で虐げられた《最強》闇魔術士は、異世界でエルフ嫁たちに愛される  作者: 銀翼のぞみ
一章

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29話 ハーフエルフの新たな扉

 翌朝——。


「うそだろ……」


 舞夜が呟く。

 その声色には絶望の色が混じっている。


 シエラとの婚姻を迫られ、それを断ったあと、舞夜は侯爵とセドリックの2人に飲み直そうと言われ、それにつき合った。

 なので、眠りについたのは深夜過ぎだった。


 ——ここまでしっかり覚えてる。


 ——ぼくは酔いつぶれてなんてなかった。


 ——酔いつぶれてなんかなかったよね……?


 何故こんな自問自答を、舞夜が繰り返しているのかというと……


「うぅん……。 あ、おはようございますですの! 舞夜さま」


 彼のすぐ横……同じベッドの上でシエラが目を覚ます。


 そう、舞夜が起きたら彼女が隣で眠っていたのだ。

 ……下着姿で……。


 しかもシエラは舞夜の腕の中で眠っていた。

 そのおかげで、彼女の柔らかな感触が伝わってきてしまう。


 まだ幼いというのにしっかりとした柔肌。

 ぷにぷにとでもいうべきだろうか。

 成長期特有の今しか味わえない柔らかさだ。

 おまけに胸は不釣り合いなほど大きく……


 ——い、いけない! 変なこと考えてる場合じゃ……!


「お、おはようございます。シエラ様。これはいったいどういう……」


「くすっ……。覚えてらっしゃいませんの?」


 ——Oh……。


「舞夜さまったら、そんなに見つめられては、恥ずかしいですの……」


「ああ!? 申し訳ありません!」


 シエラが口に手をあて恥ずかしそうに身じろぎする。

 舞夜は動揺しながらも彼女の姿に目が釘ずけになっていたことに慌てて謝る。


 それでも舞夜は視線を外すことができない。

 それほどシエラの幼い体は魅力的なのだ。


「くすっ、そんなにご覧になりたいのでしたら……」


「ひぃ!?」


 すり寄るシエラ。


「し、シエラ様! それより状況の説明を!」


「もう、本当に覚えてらっしゃいませんのね? あんなに激しかったのに……シエラはびっくりしてしまいましたの……」


 ——終わった……。


 まさか酔った勢いで、出会って間もない、目の前の美少女を襲ってしまうとは……


 舞夜を絶望が支配する。


「シエラ様……。アリーシャとリリアに“ごめん”と伝えて下さい」


 罪の意識に耐えられない。


 舞夜は自分の手のひらに小さな魔槍を創り出し、そのまま自分の心臓目掛け——


「待って! 落ち着いてくださいですの、舞夜さま! さっきのは冗談ですの!!」


「え——? でも“激しかった”って……! それにそのかっこう……」


「激しかったというのは舞夜さまの寝相のことですの! このかっこうも、シエラが舞夜さまのことをお慕いしていて……。こんな姿を見せれば襲っていただけるかもと、自分で脱いでベッドに忍び込んだだけですの!」


 ——よ、良かった……。


 供述とともに告白までされたが、そんなことより、自分が無実であったことに舞夜は安堵する。

 よく見ればシーツも乱れていなければ、汚れてもいない。

 間違いはなさそうだ。


 ——危うく自殺なんて……馬鹿なマネを……。いや待てよ?


 舞夜は気づく。

 そもそもシエラがこんなことしなければ……と。


 ——腹が立ってきた。よし、いたずら娘にはお仕置きだ。


 舞夜は動き出す。


「ああ、よかった。嘘だったんですね! 危うく騙されるところでした。ところでシエラ様。もう少しこっちに寄っていただけませんか?」


「そ、そちらに? ……っ! 舞夜さま、もしかしてその気になってくださいましたの!?」


「ええ、そのとおりです。シエラ様のお体を見ていたらぼく……」


「舞夜さま……!」


 ——チョロい。まんまと引っかかったな、この淫乱ピンクめ。


 舞夜はほくそ笑む。


 舞夜の誘導でシエラは彼の膝の上でうつ伏せになっている。


 髪色だけでなく、頭の中までまっピンクの様だ。

 この不自然な態勢になんの疑問も抱いていない。


 察しのいい紳士であれば、これから何が起こるのかお分かりだろう。


「ま、舞夜さまぁ……。殿方にお尻を向けるなんて恥ずかしいですのぉ……」


 口ではそう言いながら、小刻みにお尻を左右にふりふり。

 幼いなりに誘っているらしい。


 ——お望み通りたっぷり叩きこんでやる!


 さぁ、お仕置きの時間だ。


 舞夜は右手を大きく振りかぶると……


 バチィィン——ッ!!


「ひぐぅ!? ま、舞夜さま何を……!?」


「決まっているでしょう? お尻叩きの刑です」


 言いながら、黄金◯方形のフォームで振りかぶり——


「もいっぱああああつッ!」


 バシィィィンッ!!


「ひぃん!? い、痛っ——」


 パシンッ! バチィンッ!! パァンッ!


「やめてくださぁぁぁああっ!? いぃ゛……!? ひゃ~んっ……」


 ——は? 最後の声おかしくないか?


 シエラの声の変化に舞夜は気づく。

 顔も赤いし、口から舌とよだれが……。


 ——どういうことだ? もう数発強めに……。


 バシィンッ!! ビシィ!! バッチンッ!!


「ひゃん! ふぁっ……!? らめぇぇぇ!! 何これぇ……変なのっ……凄いのきちゃうぅぅぅぅぅ——!!」


 シエラの絶叫が部屋に鳴り響く。

 そして、ビクン! と体が大きく震える。


 ——ま、まさかこいつ……叩かれて……!


「ま、舞夜しゃまぁ……もっとぉ……」


「うわっ! は、離れろ変態……!」


「や、やん!? そんなこと言われたら、シエラまたぁ……」


 ——Noooooooo——ッ!!


 舞夜はダッシュで逃げ出した。


 すぐさま、アリーシャたちの眠る部屋へと飛び込み、事情を説明。

 シエラに何が起きたのかの説明をなどしてもらい、なんとかそれ以上は回避する。


 その際にアリーシャたちに爆笑されて、舞夜は本気で死にたくなるのだった。





「ふはははははは!! 息子よ、お前も素直じゃないな。あれだけ拒否の姿勢を取っておきながら、翌日には開発・・してしまうとは……。いや、恐れいった! パパびっくりしちゃったぞ?」


「誰が息子だ!?」


 朝食の席で侯爵が舞夜に上機嫌に絡む。

 早朝の事故は、噂好きのメイドたちを介して、瞬く間に屋敷中に広がった。


「もうシエラは舞夜さまが相手でないと、女として機能できる自信がありませんの……。まだ奥までジンジンと……」


 その横ではシエラが小さなお尻を手でおさえながら、そんなことを言う。


 ——ああ……。まさかこんなに小さい子のアブノーマルな扉を開いてしまうなんて……。


「いいなあ、僕はシエラが羨ましいよ」


 白眼を剥く舞夜をよそに、セドリックが危険な発言を。

 どうやら、ホモなうえにマゾプレイもいけるらしい。

 レベルが高ずぎる。


「さすがですわね、マイヤさん。わがまま娘のシエラを、ここまで手なづけてしまうなんて……。ナニをされたのかしら? わたくしもされてみたいですわ」


 コーネリアがさらに危険な発言。

 冗談だとしても旦那である侯爵前でそんなことを……。


 舞夜の肝が一気に冷える。


 当の侯爵はというと——


「ふむ、では3人で遊んでみるか? 私は両方イケる口でな。きっと楽しくなるぞ!!」


 ——うわぁぁぁぁ! 一家揃って変態だぁぁぁぁッ!!


 ネタにしか見えない状況に、アリーシャとリリアも「ブフォっ!!」とオレンジジュースを吹き出してしまうのだった。

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