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21話 ダークエルフの決意

「それで、どうしてあんなことになったの、リリア?」


 自宅に着き、ようやく落ち着いた頃。

 アリーシャが、奴隷になってしまった理由をリリアに問いかける。


「……アリーシャねえさまが出て行ったあと、わたしもアルフスを出た。あの変態ブサイク王子、アリーシャねえさまに逃げられた途端、今度は私を狙ってきたから」


 リリアもアリーシャ同様に、アルフスの王子に求婚を迫られ、国を出た。

 そして、その道中に立ち寄った村で、村人を装った奴隷商人に言葉巧みに騙され、気付いた時には奴隷に……という話だった。


 その説明を聞き、アリーシャが「あいたたた」と顔をしかめる。

 アリーシャも全く同じ手段で奴隷に落ちたのだ。

 村の位置を聞けばそれまで同じというオチだ。


「ところで、アーシャにリリアさん。この後なんだけど、せっかく姉妹が再開できたんだ。アーシャも奴隷なんかやめて2人で自由に暮らすべきだと思う。ぼくなら1人でも大丈夫だか——」


「絶対にダメです! ご主人様、わたしは例えリリアがいてもご主人様から離れるつもりはありません! わたしはご主人様に全てを捧げると誓いましたし、なによりも愛してるんですから」


 舞夜の言葉の途中、アリーシャが断言する。

 嬉しく思う舞夜だが、妹の前でそれは可哀想じゃ……と、アリーシャを落ち着かせようとするのだが……


「そ、それに、わたしはもうご主人様のトロール様でないと、満足できないです……」


「妹の前でなに言ってんだ!?」


 ——リリアさん絶対ドン引きだろ……。


「……驚いた。男嫌いなアリーシャねえさまが、ここまで言うのありえない。……決めた。私もご主人様にお仕えする」


 だが、リリアは引くどころか姉の言葉を聞き、そんな事を言いだしてしまう。


「り、リリアさん、意味わかってるの? せっかく自由になれるチャンスなんだよ?」


「……わかってる。でもご主人様がいなければ、今ごろ変態貴族の慰み者になってたから恩義ある。それにご主人様は私のタイプ、見てるだけで大事なトコロがきゅんきゅんしてくる。なんなら肉◯器として使ってもらってもいい」


「は?」


 舌ったらずな口から飛び出す卑猥な言葉の数々に、舞夜は呆けた声をあげる。

 だがこれだけでは終わらない。


「……たくさんご奉仕する。覚悟して?」


 ちゅっ。


「——ッ!?」


 舞夜にすり寄ったリリアはキスをしてしまった。


 ——どうすんだ、コレ……。


 舌舐めずりするリリアに、「血は争えませんね〜」などとのんきな声を出すアリーシャを見て、舞夜は途方にくれるのだった。





「……おいしっ。こんな料理初めて」


 料理を口に運んだリリアが、目を丸くする。

 ひとまず食事をとろうと舞夜が提案し、アリーシャと用意したものだ。


 テーブルの上にはオムライスやコロッケ、エビフライなどの小さな子どもが好きそうな料理と煮付けなどの和食が並んでいる。


 リリアはアリーシャ同様に和食が気に入ったようだ。

 甘辛い魚の煮付けを、小さなほっぺを膨らませもきゅもきゅと食べている。

 小動物のようでなんとも愛くるしい。


 キスをされたこと、そしてリリアの言った、そういう意味での奉仕という言葉に舞夜はどうしても彼女を意識せずにはいられなかった。


 だが、手をだすつもりはない。

 リリアがあまりに幼いからだ。

 舞夜は頭の中で「YESロリータ。NOタッチ」と繰り返し唱える。


「ところで、2人は姉妹なんだよね? あまりに似てないように見えるんだけど……」


 舞夜の疑問はもっともだ。

 アリーシャは純白の肌にプラチナブロンド。

 対しリリアは褐色肌にシルバーブロンドで歳もかなり離れているように見える。


「ご主人様、それはわたしたちの母がエルフで、父がダークエルフだからです」


「……エルフの血は2種族の親を持つと、子供はどちらかの特徴だけを持って産まれてくる。だから私は種族的にはダークエルフ」


 と、アリーシャとリリアが質問に答える。

 歳の差があるように見えるのは、ダークエルフは体と精神の成長がエルフよりも遅いからという理由があるからだ。


 ——それにしても、大きい(・・・)よな……。


 2人を見て舞夜はしみじみ思う。

 無論、胸の大きさことだ。


 アリーシャはいうまでもなく爆乳。

 その大きさは舞夜の頭を挟んでしまえるほどだ。


 そしてリリアだが、その幼い見た目に反しかなり実っている。

 アリーシャがメロン級であれば、リリアはリンゴくらいありそうだ。

 明らかに巨乳に分類されるであろう。


「……ご主人様、おっぱい……揉む?」


「おひょっ!?」


 突然のリリアの言葉に舞夜が素っ頓狂な声をあげる。

 胸のことばかり考えていたところにこれでは仕方なかろう。


 さらに自分の胸を両手で、むにゅっと持ち上げながらリリアが続ける。


「……ご主人様。私とアリーシャねえさまのおっぱいずっと見てた。大丈夫、私は準備おっけー」


「準備!? なんの!?」


「……くすっ」


 ——なんなのこの子!?


 小さく妖艶に笑うリリアに、舞夜は動揺する。


「リリア。ご主人様は甘えんぼさんです。たくさん甘やかしてあげてね?」


「……ん。ご主人様かわいっ」


 アリーシャがさらに追撃。

 リリアは口に指をあて、妖艶に笑いさらに舞夜を追い詰めていくのだった。


「ところでご主人様、本当に別々の部屋でお休みになるのですか?」


 戦々恐々としている舞夜にアリーシャが問いかける。

 それに舞夜は「もちろん」と答える。


 一緒に住むことが決まったのだ。

 実の妹の前で性の祭典を開くわけにもいかない。

 そう判断し、今日から就寝は別室。

 イチャラブやハッスルは隠れてこっそりすると舞夜は決めた。


「ですがご主人様、1人でねんねできますか? 怖くないですか?」


「当たり……前だろ」


 言葉に詰まる舞夜。

 考えてみればこの世界に来てからというもの、毎日寝るときはアリーシャの抱擁の中だった。

 ゆえに少し怖くなったのだ。


 だが、舞夜も男。

 一度言った事を取り下げる事など出来ず、そのまま首を縦に振った。


「……おやすみなさい、ご主人様。今日はできなかったけど、明日からたくさんご奉仕する」


「寂しくなったら、いつでも来てくださいね? 濡ら——こほんっ。お布団を温めて待ってますから」


 リリアが意味深な言葉を言い。

 アリーシャがそのままの意味で卑猥な言葉を言いかけ、寝室へと消えていく。


 舞夜も、もう一方の寝室へ行き、来客用のベッドに潜り込むが、なかなか眠れず、結局眠れたのは真夜中を過ぎてからだった。

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