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地球で虐げられた《最強》闇魔術士は、異世界でエルフ嫁たちに愛される  作者: 銀翼のぞみ
一章

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14話 奴隷エルフの恐るべき計画

 翌朝。


「んん〜、やっぱり魚はお刺身が一番ですねっ」


 うっとりした顔でアリーシャが魚の切り身を口にする。


 水路の張り巡らされたこの都市には近くに海がある。

 なので、朝から新鮮な魚が食卓に並ぶのは珍しいことではない。


 もっとも、刺身に関してはその限りではないが……。

 なぜなら、刺身という食し方は舞夜が教えたものであり、それにかける醤油も、彼がたまたま地球で製法を知る機会があり、その知識を使い作り上げたものだからだ。


 そのほかにも食卓には、ご飯に味噌汁(味噌も醤油同様に舞夜が作った)が並び、目の前に座るのが金髪エルフのアリーシャである事を除けば、さながら日本の食卓だ。


 アリーシャは奉仕(意味深)もさることながら、料理(そういう意味もある)がうまい。舞夜が教えた日本食の数々をいたく気に入り、あらゆるレシピをあっという間に覚えてしまった。


「アーシャ。今日こそクエストを受けに行こう」


 食事を終えたタイミングで舞夜が切り出す。


「はい、ご主人様。ではまず身支度を……ふふっ」


 その言葉を受け、アリーシャがいたずらっぽく笑い、舞夜にすり寄ってくる。

 そして彼の召しものに手をかけようとするが——


「おっと、アリーシャ。今日は着替えさせっこなしだ」


「むむ、今日は手ごわいですね。素直じゃないご主人様も可愛いですが……どうかなさいましたか?」


 舞夜は彼女の魔の手をヒラリとかわす。

 着替えさせっこなどすれば、またご奉仕プレイが始まってしまうからだ。


 籠絡に失敗したアリーシャが途中から真面目な表情に変わる。

 いつもと違う舞夜の様子に何かを感じ取ったのだろう。

 両手の指はワキワキさせたままだが……。


「どうかしたのかもなにも、このままじゃダメだ。このひと月、何も仕事をしてない。このままじゃダメになる」


「いいじゃないですかダメになったって、大丈夫です。ご主人様にはわたしがついてます。さぁ、今日もわたしのおっぱいに甘えて……ね?」


 ——またこれだ……。


 淫靡な口調と仕草で抱きしめようとしてくるアリーシャに、舞夜はため息をつく。


 ——こうなったら最終手段だ。


「『アーシャ。なんでぼくが働こうとするのを止めるのか、理由を言うんだ』」


「なっ……、これは《隷属魔法》!? ご主人様、やめてください……くっ!」


 アリーシャの言うとおり、舞夜は《隷属魔法》を発動させた。

 本当はこんな手段はとりたくなかったのだが、このままではアリーシャを奴隷から解放する資金を稼ぐことすらままならない。

 背に腹はかえらないと判断し強行にでたのだ。


「『さあ、答えるんだ』」


「いや……言うわけには……」


 抵抗するがそれはムダだ。

 隷属魔法は絶対強制の力。

 アリーシャは抵抗虚しく言葉を紡ぐ——


「こ、このままお金が貯まってしまったら、ご主人様の奴隷でいられなくなってしまいます……。もちろん、ご主人様がそれでお別れなんて言わないのは分かっています。ですが、愛するご主人様とは気持ちだけでなく、魔法も繋がっていたいのです。じゃないと不安で……」


 ——アーシャ……。


 素直な想いを口にするアリーシャに舞夜は涙が出そうになる。

 そこまで自分の事を思っていてくれてたのかと。


「大丈夫だよアーシャ、ぼくは君と離れたりなんか——「というのも理由のひとつです」


 ——は?


「わたしの目的は、このままご主人様を徹底的に堕落させて、働くなんて考えをなくしてしまうことです! そうすれば、わたしはご主人様を一生養えて甘やかし放題! いずれは食事やトイレも1人でできなくして、永遠の奉仕を——ああっ! どこへ行くのですかご主人様ぁ!?」


 ——なんつー、恐ろしいこと考えてやがる!?


 アリーシャさんマジ天使。とか思っていたところで明かされた恐るべき奴隷の計画(アリーシャ命名“ご主人様ダメ男化計画”)に、天使は天使でも“堕”のつくほうじゃないか! と舞夜は席を立ち……


——こうなったら、1人で稼ぎにいく!


 と、家を飛び出す。


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