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地球で虐げられた《最強》闇魔術士は、異世界でエルフ嫁たちに愛される  作者: 銀翼のぞみ
四章

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128話 再会と閃き

 アリーシャが馬を走らせること数日――

 彼女の視界の先に、もうもうと土煙を上げ近づいてくる一つの影が映し出される。


「ご主人様!」


 アイスブルーの瞳を大きく開き、感極まった声を漏らすアリーシャ。

 遠くから近づいてくる影、それは愛しい主人である舞夜の駆る車、デロリアンだ。


(ああ、やっぱりご主人様は、わたしを迎えにきてくださりました……!)


 もちろん、アリーシャは舞夜のことを信じていた。

 だが、こうしてすぐに自分を見つけ出し、迎えにきてくれたことがたまらなく嬉しいのだ。


「アリーシャ……!」


 デロリアンを停め、そんな声とともに車内から飛び出してくる舞夜。


「ご主人様……!」


 アリーシャも馬から飛び降り、その勢いで彼に抱きつく。


「アリーシャ、怪我はない?」


「この通り無傷です、ご主人様♡」


「よかった……」


 いつもと変わらないアリーシャの様子に、舞夜はほっと息を吐くのであった。


「……お姉さま!」


「アリーシャお姉さま!」


「どうやら無事のようね」


 舞夜に続き、リリア、シエラ、それにレオナも車内から出てくる。


「お母さまたちも迎えにきてくれたのですね、ありがとうございます」


 アリーシャは舞夜を抱きしめながら、三人にも感謝を伝える。


「アリーシャ、その馬は……?」


「転移した先のエルフの里で、お礼にもらったのです」


「お礼……?」


 いったいどういうことだろう……?

 舞夜が疑問に思って聞き返す。


「はい、ちょうど魔族の軍勢に襲われているタイミングで転移してしまいまして、情報を聞き出すついでに魔族たちを片付けちゃいまして」


「な……!? アリーシャ一人で魔族の軍勢を殲滅したってこと!?」


「はい、幸いにも特に強力な個体もいなかったので、無傷で倒すことができました♪」


「……い、色々あったみたいだけ、とにかくアリーシャが無事で本当によかった……」


 あっけからんとしたアリーシャの様子に、舞夜は脱力しつつも改めて彼女の無事を実感するのであった。


「ご主人様、できればこの子も連れて行ってあげたいです。ここまで私連れてきてくれましたし……」


 エルフの里で譲り受けた馬を撫でながら、アリーシャにしては珍しく舞夜に願い事をする。


「もちろんだよ、アリーシャを無事にぼくたちのもとに届けてくれた子だからね、せっかくだから孤島でのんびり暮らしてもらおう」


「ありがとうございます、ご主人様♡」


 舞夜の返答に感謝の言葉を口にしつつ、馬を撫でるアリーシャ。

 アリーシャの優しさが伝わったのか、馬は「ぶるるん!」と嬉しそうに鼻を鳴らすのだった。


 ◆


 数日後、インペリアルたちの住う孤島にて――


「ジャック、カブ、新武装の開発状況はどう?」


 開発工場の会議室で、アンデッド二体に舞夜が問いかける。

 開発中の決戦兵器とは別に、舞夜は新たな武装の開発をジャックたちに依頼していたのだ。


「王よ、実はヒヒイロカネの加工に苦戦しておりマシテ……」


「本当に加工が難しい鉱石なんだよネ……」


 机の上に置いてある血のように赤い鉱石をいじりながら、ジャックとカブがそんな返事をする。

 目の前の鉱石――ヒヒイロカネに関しては、ジャックたちの卓越した加工技術を持っても武器への転用が難しい……非常に繊細な代物らしい。


「正直、専門の加工スキルを持つ武器職人の手が借りたいところデスナ……」


「そうだネ、そうすれば他の武装の開発の幅もより広がると思うヨ」


 そんなやり取りを交わすジャックとカブ。

 二体の言葉に、後ろに控えていたアンデッドたちもコクコクと頷いている。


「となると凄腕の鍛冶士の協力が必要だね。でも、この孤島に連れてこられるくらい信用できる鍛冶士なんて…………いや、待てよ?」


 どうしたものかと考える舞夜の頭に、とある人物の顔が浮かぶ。

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[良い点] この物語の続きを書いてくださりありがとうございます。
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