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地球で虐げられた《最強》闇魔術士は、異世界でエルフ嫁たちに愛される  作者: 銀翼のぞみ
四章

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105話 ママの秘め事

 とある日のこと――


「さぁ、舞夜ちゃん起きましょう。もうお昼ですよ?」


「あぅ……ママ、もうそんな時間?」


 ベッドの上。


 柔らかな抱擁。

 そして、甘く優しい声の中、舞夜は目覚める。

 パッチリとした黒の瞳は細められ、ひどく眠たげだ。


 ママ――もとい、レオナは慈愛を感じさせる微笑みを浮かべながら、舞夜の頭を優しく、優しく撫でてやる。


 それに舞夜は、さらに目を細め。

 彼女の豊満な胸に顔を沈め、すりすり、すりすり……と甘え始める。


「まぁまぁ。こんなに素直に甘えられるようになって……いい子よ?」


 幼な子のような彼の行動。

 レオナは、それを咎めることはしない。

 それどころか、甘えられた事を褒めて、さらに深く自分の谷間の中へと誘う。


 ――……ママの匂い。安心する……。


 ここしばらくで。

 アリーシャたちによる、“ご主人様、幼児退行調教”を施された舞夜は、すっかり幼児帰りしてしまい、幼な子のような自分の行動。そして、それを受け入れてもらえることに何の疑問も持たなくなっていた。


「ん……っ、そろそろマズイわ……」


 急にレオナが、そんなことを呟き小さく身震いする。

 頬はほのかに赤く染まり、息も少々荒い。


「……? ママ、どうかしたの?」


「な、なんでもないわ、舞夜ちゃん。……それより、そろそろ、お顔を洗ってらっしゃい? ご飯にしましょう」


 レオナの様子に、不思議そうな表情で尋ねる舞夜。

 だが、レオナはなんでもないように装うと、顔を洗ってくるように促し、舞夜を洗面所へと向かわせる。


「あ、ご主人様、おはようございますなのです! 私が、お顔を洗うのをお手伝いするのです!!」


「ありがとう、ナタリアお姉ちゃん」


 廊下から、そんなやりとりが聞こえてくる。

 対応の早さを考えるに、どうやら舞夜の身支度を整える仕事を確保する為に、部屋の前で張っていたようだ。


「ふふっ、危なかったわ。舞夜ちゃんが戻って来る前に処理(・・)してしまわないと……」


 そう言って、レオナが自分の寝間着の中へと手を滑り込ませる……とそこへ――


「お母さま、ナニをしようとしているのですか?」


「――っ!? あ、アリーシャ? べ、別に何もしようとしてないわ……それより、何か用かしら?」


 音もなく現れたアリーシャに。

 レオナはギョッと目を見開くと、慌てて居住まいを正す。


「そうですか? それにしては、お顔が赤いようですね。息も荒いようですし……まぁいいです。それよりお話があるのですが、よろしいですか?」


「え、ええ。もちろんよ」


 何とかごまかせた。

 その事実に一安心といった様子でレオナが先を促す。


「お母さま。少々、ご主人様を甘やかし過ぎではありませんか?」


「まぁまぁ。皆をそういう風に先導しているあなたが、どうしたのアリーシャ? それに舞夜ちゃんは、義理とはいえ私の息子……ママとして甘やかすのは当然のことよ?」


「ご主人様を甘やかしてくれるのは良いのです。ですが、加減というものをして下さい。本当なら、ご主人様は昨日は私とネンネする日だったのですよ?」


 アリーシャが静かに。

 しかし、珍しくイライラとした様子で、レオナに詰め寄る。


 仕方なかろう。

 なにせ、ここのところ舞夜はレオナの卓越した甘やかし技術で、ずっと彼女にベッタリ状態だったのだ。


 言ってしまえば、レオナの一人占め状態。


 アリーシャを始め、リリア、シエラは欲求不満。


 アマゾネスメイドたちや、破廉恥ロイヤルズの面々も、舞夜成分を摂取できず、不満が爆発寸前なのだ。


「まぁまぁ。そうだったの? でも、私も甘えてくる舞夜ちゃんを拒むことは出来なくて……舞夜ちゃんは、あなたたちが言ったとおり“純粋な母性”を求めてるから、それも仕方ないかもしれないわね」


 しかし、レオナはそう言って、アリーシャの意見を流そうとする。

 舞夜を一人占めすることに、何ら罪悪感は持っていない様だ。


「純粋な母性……よく言いますね、お母さま?」


「……ッ、ど、どういうことかしら、アリーシャ?」


「最近、ご主人様の下着が足りなくなることがあるんですよね……何か、ご存知ないですか?」


「――ッ!? し、知らないわ。な、ナタリアたちのしわざじゃないかしら? あの娘たちも溜まっているでしょうし……」


「お母さまのベッドの下――覗いてもいいですか?」


「だだだだだ、ダメよ!」


 レオナが目に見えて狼狽る。

 対し、アリーシャは「ムダです。バレてますと」と言い、レオナの制止を《剣聖ノ加護》で強化した身のこなしで掻い潜り、ベッドの下へと手を突っ込む。


 すると、出てくるわ出てくるわ。

 失くなったはずの舞夜の下着が何着も……。


「これ、どうするつもりだったのですか?」


「し、知らないわ! き、きっと寝ぼけた舞夜ちゃんがそこへ――「ご主人様にバラすぞ?」


「お願いやめて! 使って(・・・)ました! だってしょうがないでしょ!? あんなに愛らしい男の娘が、何の疑いも持たずに甘えてくるのよ!? 私だって女よ、劣情のひとつやふたつくらい持ってるわよ!!」


 アリーシャの脅し。

 それにレオナは逆ギレし、とうとうそういった感情を抱いている事を暴露した。


 さすがは親子。

 血は争えないというわけだ。


 ただひとつ違うところと言えば。

 アリーシャと違い、レオナは舞夜を一人占めにし、ゆくゆくは自分だけの色に染めようとしていたところだろう。


 だが、それを知ったアリーシャの表情は何故か上機嫌そうだ。


 ――ふふっ、これでリリアにシエラちゃん。それにお母さまを加えた“家族丼”へと一歩近づきました。


 アリーシャのハーレムへの渇望は止まる事を知らない。


【お詫び】

更新が滞ってしまい申し訳ありませんでした。

まだまだ更新頻度も遅く、今後も同じようなことがあるかもしれませんが、決してエタらせることはしませんのでご安心ください。


【お知らせ】

さて、話は変わりますが、この度、姉妹作品である「Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士ペットとして暮らしてます」の書籍化とコミカライズが決定しました!

「エルフ嫁」からも複数のキャラクターが登場している上に、小説版には〝あのキャラクター〟がチラリと登場したりしなかったり……。発売の際はぜひお手に取って頂けると幸いです。

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