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地球で虐げられた《最強》闇魔術士は、異世界でエルフ嫁たちに愛される  作者: 銀翼のぞみ
三章

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102話 群がるアマゾネス

 翌朝――


「お、お兄さま!?」


「……いつの間に、こんな状況に?」


「さすが、ご主人様です……!」


「くっ! 私は一緒に寝てもらえたことすらないのに……!」


 病室に、そんなざわめきが上がる。

 上からシエラ、リリア、アリーシャ、そしてベルゼビュートだ。


 そして、彼女たちの目線の先で――


「んぅ……」


 ざわめく声で、舞夜の意識が目覚めかける。


「あん……っ」


 さらに艶かしい声が上がる。

 舞夜の身じろぎで、目覚めたレオナの声だ。


「まぁまぁ、みんなこんなに早くからお見舞い?」


 おっとりした声で、問いかけるレオナ。

 腕の中で宝物のように舞夜を抱きしめ、優しく頭を撫でつけている。


 一度起きようとした舞夜だが、その心地よさで再びまどろみの中へ……。

 小さく「ママぁ……」と呟くと、そのままスヤスヤと寝息を立て始めてしまう。


「「「ブバァァァァァ――ッ!?」」」


 甘えきった舞夜の寝顔。

 それに“ママ”という言葉――そのあまりの愛らしさに興奮し、アリーシャたちが一斉に鼻血花火を打ち上げる。


「まぁまぁ、汚い花火ね?」


 レオナは舞夜を撫でる手を休めず、そんなことを言う。


「ま、ママですって……!?」


「……お、お母さま……。一晩の内に、ご主人さまと、そんな高度なプレイ(・・・・・・)をする中に……?」


「……う、羨まけしからんですの!」


「ですがこれで、親子丼……いえ、“家族丼プレイ”が……!」


 鼻血の海から這い上がるベルゼビュート、リリア、シエラ、アリーシャ。

 どうやら、舞夜とレオナがそんな中に発展したと勘違いしたようだ。


 ところで最後のアリーシャの発言だが…… 

 彼女は本気で、そんなことをするつもりなのだろうか?


 まぁ、それはさておき。


 4人がそんな勘違いをするのは無理もなかろう。

 なにせ、別々に寝ていたはずの舞夜とレオナが何故か同じベッドで寝ていた上に、昨晩、舞夜をあやしたせいで、レオナの胸元は乱れ大きく開いていた。挙句の果てに、その胸もとに舞夜の顔はダイブしているのだから。


 対し、レオナは……


「ダメよ、みんな? 舞夜ちゃんが起きちゃうでしょ? ……ふふっ」


 と、アリーシャたちの言葉を否定することはせず、意味ありげな表情で小さく笑う。


 と、そこへ――


「あーー!! ず、ずるいのです。戦士長!!」


「そうだぜ! 私たちの救世主様をひとり占めするなんて!!」


 そんな声が割り込んで来る。

 声の方を見れば、そこにはナタリアを始めとしたアマゾネス戦隊の面々が頬を膨らませ、ドアから入ってくるところだった。


 服装は皆、レオナと同じく病院服だ。

 どうやら彼女たちもまた、大事をとって入院していたらしい。


 一気に騒がしくなる病室。

 疲労困ぱい&レオナママの抱擁で起きにくくなっていた舞夜も、さすがに目を覚ます。


「あ……ご、ごめんさないレオナさん! ぼく……ッ」


 胸もとを乱したレオナ。

 そして、彼女に抱擁されている自分。


 その状況に、舞夜は昨夜のことを思い出し、自分はなんて恥ずかしい姿を晒してしまったのだと、赤くなりながらレオナに謝罪する。


「まぁまぁ。舞夜ちゃん、めっよ? 私のことは、ママって呼ぶ約束でしょ? ほら、呼んでみて……ね?」


「あぅ……ま、ママぁ……」


 しかし、レオナは昨日と同じ。

 優しい声で舞夜を甘やかす。


 対し、舞夜は、アリーシャたちやアマゾネスたちが、ここにいるのに気づいていない。

 なので恥ずかしがりながらも、つい、その名でレオナを呼び、甘えてしまう。


 そして――


「「「ブバァァァァァアアア――――!!??」」」


 背後で盛大な鼻血花火が上がる。

 もちろん、アリーシャたちエルフ嫁3人とベルゼビュートによるものだ。


 それとは他に……


「ひゃぁぁぁ!?? か、可愛いのです……!」


「ど、どうしよう……!? 私、なにかに目覚めちまいそうだよ……」


「戦場では、あんなに勇ましかったのに、こんなに愛らしい一面を持っておられるなんて……」


 ナタリアたちアマゾネス戦隊の面々が頬を染めながら、そんな声を上げる。


 彼女たちは皆、自分たちを救ってくれた舞夜の強さに惹かれていた。

 だが、ここに来て、愛らしい容姿と甘えんぼうな一面というギャップを見せられ、完全なる不意打ち状態。


 ある者は単純に舞夜の愛らしい様に心奪われ。

 また、ある者は今まで感じることがなかった母性本能に目覚め。

 さらに、ある者は、その無垢で愛らしい彼をメチャクチャにしてしまいたい……そんな感情を抱く。


「ッ〜〜……!!」


 舞夜が声にならない悲鳴を上げる。

 見られていたことによる恥ずかしさで、顔はリンゴのように真っ赤だ。


「き、救世主様! 抱っこ! 私に抱っこさせて欲しいのです!」


「おい! 抜け駆けは許さねーぞ! 救世主様、私に甘えてくれないか!?」


「ダメよ! 救世主様には私色に染まってもらうのよ!」


 舞夜の恥ずかしがる様子に。

 とうとう保護欲が爆発したナタリアが発した一言で、他のアマゾネスたちも我先にとレオナに抱かれる舞夜に殺到しようとする。


 本当は、彼女たちは自分たちを救ってくれた救世主である舞夜に、礼を述べる為に朝早くから、この病室に訪れた。

 誇りあるアマゾネス戦隊の隊員として、勇ましく、そして華麗な振る舞いをするつもりだったはずなのだが……こうなっては、ただの発情したメスどもの大群である。


 その様子を鼻血を垂らしながら見ていたアリーシャが……ニヤリ――と口を歪める。

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