ギルド登録と新パーティーメン入り
門を潜ったキャトリス達は、目的地である冒険者ギルドに向かって歩いている、街の風景はざっと見渡すと地球で言う所ローテンブルク(Rothenburg)のドイツ南部のバイエルン州にある街に似ている気がする。
土を焼いて煉瓦にして組み立てたブロックを何らかの方法で繋ぎ止めてその上から内側と外側に何かでできたクロス(壁紙)を張って出来ているようで、二階は木材を切ったり加工したりして作った窓を嵌め込んでいる、屋根は煉瓦で傘になるように赤茶色の煉瓦で被せる様にして出来ていて、そんな感じの民家やお店などが立ち並び、どことなくロマンチックにさえ思えてくる風情だった。
しばらくそんな景色の中、歩いていると突き当りにかなり装飾凝った造りの大きな建物が建っていた、どうやらここが目的地のようだ。
ふあぁ、ここが冒険者ギルド?みんなここで止まって何か話してるところを見ると、ここが目的地で合ってる様だね、でもここかなり他と違って装飾凝ってて…なんか入りづらい、エミリー達はなんか話してて入る気配がまだないようだね、なんか… メイリ「それで、どうするの?ゴブリンは一応規定数討伐証明部位を集めれたけど・・・」、シェイト「それなんだけどな、このまま報酬貰っちまうのもな」、ハイス「そうですね、必要最低限はこちらでいただいて残りはキャトリスさんに渡すのはどうでしょう?」、とこのような話をしているのですが、正直気を使って頂くとかえって僕がいたたまれなくなるのですが。
シェイト「キャトリス…さん、そのな…報酬なんだけどよこれは俺たちが狩った獲物じゃないからには、キャトリス…さん、に俺たちの最低限を引いた残りを渡したいと思うんだが・・・」
エミリー「そうです!キャトリスさんが居てくれなきゃここに居なかったかもしれないのです!」
メイリ「そうね、正直その通りね…キャトリス受け取って貰えるかしら?」
キャトリス「いえ、大丈夫ですよ?僕はこれから稼げばいいですから、それにゴブリンの討伐依頼を受けたってことはその報酬がほしいだけお金の条件に合っていたってことでしょう?」
ハイス「確かにそうなのですが・・・これはや--」 キャトリス「それなら、出世払いでどうでしょう?」
メイリ「ふふっ、そうね…出世払いで返せばいいわね」
シェイト「そうだな!、俺たちならすぐに出世してこれくらいの金すぐに返すさ!」
ハイス「分かりました、そうしましょう」
話が決まり、キャトリスたちは冒険者ギルドに足を踏み入れた。…建物の中はとても広く、どうやら中央受付が冒険者受付、左奥が買取・換金、右奥が食堂および酒場となっていて、内観を見るにやはり広い…どうやら縦15M・横150M・奥行200M の建物らしく、ギルドならではの広さである、裏庭のほうは建物と同じほどの広さで、解体場兼訓練場および試験場となっている。
みんなと一緒に建物に入ると中央に受付が見えた、どうやらあそこが冒険者受付のようだ、みんなの後ろに着いて行く様にして受付前まで来ると受付嬢さんが話しかけてくる、僕はちょっと緊張をしてしまっています。
キャトリス「すいません、冒険者登録したいのですが」(緊張)
受付嬢「はい、冒険者登録ですね?こちらにサインをお願いいたします」
うぅ~、緊張するな~…おっと、サインしないとね…文字は大丈夫全能のおかげか文字の成り立ちまで分かる、ちょっとズルしてる気がするけど仕方がないね・・・よし書き終えた。
受付嬢「はい…大丈夫ですね、それではこちらに髪の毛1本と血を垂らしてください」
キャトリス「えっ?…あっ、はい・・・こう、ですか?」(焦り)
僕は受付嬢さんに言われた通りに髪の毛とナイフのような物で指先を少し切り・・・(ちょっと怖い、だけど痛みはほとんどない・・・女神だから?)ダイヤのように透き通った板に垂らす、するとそれは板の中に沈むように入っていった…うわぁ~すごーい、どんどん沈んでいく…あれっ?確かこれって、魔力質量も分かる道具だったような…・・・
流れに沿って登録をやっていた受付嬢の表情が固まり、その場には何とも言えない空気が漂っていた
受付嬢さんは何とか笑顔を保ってるけど、絶対無理してるよね?だって笑顔なのに冷や汗が凄いから、どうやら登録は終わったらしく、新しく作った冒険者カードを名刺受け渡しのように渡してきた・・・僕はそれを受け取るとまずはカードに書かれてる内容を読んでみる、《F冒険者、名前キャトリス・ライトア、種族神聖獣女神、神聖魔力=測定不可》・・・これは確かに受付嬢さんもこうなるよ。
受付嬢「あぁっ…あの、これで登録手続き終わりました、ご健闘のほど、心より願っております」
キャトリス「あっ、はい有難う御座います…」 ハイス「すみませんパーティー登録もお願いします」
受付嬢「えっ?…は…はい、かしこまりました、皆様のギルドカードをお預かり致します」
受付嬢は受付テーブルの下で何かを操作しているようだ、どうやらカードに情報を書き込む道具を使ってるみたい、たまに受付嬢さんが「グロバルファミリーに加入でよろしかったですか?」、シェイト「かまわねーぜ?」って話している、なるほどいろんな種族で構成されている団体だからグロバル…あれっ?僕も異種族?
受付嬢「これで、登録及び加入手続きが終わりました、依頼などは受付右側にある依頼ボードを一番右から左端にかけてF∼SSSとなっています、お間違いの無いよう、お願いします」
キャトリス「有難う御座います」
受付嬢に冒険者ギルドの注意事項や説明をしてもらいみんなと一緒に掲示板を見に向かいます、みんなは僕のカードの内容を見てようやくエミリーさん以外「「「…本当に女神様だったんだ…」」」って真っ青になって呟いていました、そんな顔をしなっくても怒ったりしませんよ?
シェイト「おい…、えっと、キャトリス…さんは依頼どんなのがいいと思うんだっ…ですか?」
キャトリス「普通に素で喋って貰って良いですよ?みんなとは仲間になったんですから…そうですね今の処はゴブリンなどで良いと思いますが――――」 「「「キャトリスも堅苦しい喋り方だ」ね」よ?」
みんなと依頼表見てたらそんなこと言われてしまいました。女神だからって喋り方に気を使っていたみたいです、人のことは言えないですね
メイリ「でも、今日は辞めて置きましょう?結構時間経っていますし」
ハイス「そうだね、今日は体をゆっくり休めて明日に備えようか」
エミリー「うん、私もちょっと疲れてしまっていて…ごめんね…?」
シェイト「気にすんな、それはみんな同じことだ」
みんなお互いに気遣っていて、すごいなぁ…あっそういえば、僕まだ寝るところ決まってない…みんなはどうしてるんだろう…お金ないから宿にも止まれないし
シェイト「どうした?…あぁ・・・宿か?俺たちは『旅立ちの春亭』に泊まってるんだ」
メイリ「そういえば、キャトリスってお金ないんだったわよね?…じゃ~そこの宿泊代で借りを返したってことでどう?」
キャトリス「うんそれでいいよ!ありがとメイリちゃん!」
ハイス「どうやら打ち解けたようだね、それじゃ、みんな帰ろうか」
話が決まった後、宿に向かう前に報酬と買取をしてもらいお金を受け取ってキャトリス達は宿に向かった
宿に到着して僕はやはりこの異世界の建物に対し魅了されている、こんなにもロマンチックなところに泊まれるのは、僕としては人生初めてなので…宿に入りまず思ったことが食堂?って事です、なぜなら美味しそうな料理が次から次へとお客さんの所に運ばれていくから仕方がありません、宿泊部屋は2階なのかな?…シェイト君が女将さんに話をしてくれているみたいです、女将さんは笑顔良く親切そうな感じです。
女将「君がキャトリスちゃんかい?凄く綺麗な子だね、今日はゆっくり泊まっていきなね?」
キャトリス「はっ…はい!よろしくお願いします女将さん」
女将「みんな飯にするかい?食べるならすぐに温かいのが食べれるよ」
シェイト「じゃ~、飯貰うぜ!」
メイリ「私達もいただきますわ、勿論キャトリスちゃんもね?」
キャトリス「ありがとうございます、お願いします!」
みんな僕を見る目が生暖かいような・・・エミリーはキラキラ目を輝かせて…僕はやっと分かりました、僕の尻尾がですね?…ものすごい勢いで振っていました、犬って分かりやすいですよね?僕は身近で過ごしていたのでよくわかります、ものすごく恥ずかしいです///
女将「喜んで貰えるのは何よりだね」
シェイト「なんだろうな…こう…子犬を撫でている時の反応を思わせるな…」
メイリ「シェイト…忘れてないでしょうね?彼女は女神…罰当たるわよ?」(ジト目)
エミリー「私、キャトリスさんの尻尾が綺麗で心惹かれます…」
ハイス「それは僕も同意見かな…キャトリスさんの尻尾の毛並みは観てるだけで心躍るようだよ」
みんなはそんな事を言いながら楽しそうにテーブルでご飯を待ってます、僕はというと盛大に振ってる尻尾を止めるために隣のエミリーちゃんに撫でて貰ってます、エミリーちゃん嬉しそうに「フカフカでモフモフで艶があって凄く丈夫で気持ち良いですぅ~」と言っているので迷惑じゃないみたいで良かった。
その後ご飯が出て来てしかもそれがお肉をふんだんに使っていてウルフ肉のステーキやオーク肉の野菜炒めにスカイバード肉のサラダそして野菜が沢山入ったシチュー…ぅ…?…あれっ?これってすべての肉が魔物?
・・・食べれることは理解できてるし、栄養もある事も副作用が無い事も理解できる…けど、やっぱりちょっと・・・ね?
シェイト「?…食べないのか?安心しろってここの料理はスゲーうまいからさ!」
メイリ「シェイト…あんたねぇ分かりなさいよ、食材が魔物だからちょっと緊張してるんじゃない?」
キャトリス「う…うん…僕、魔物の肉って食べた事がなくて…ちょっと気負っちゃって」
女将「なんだい、魔物肉食べた事がなかったのかい?それは気づかないで悪かったね…どうする?品は少なくなるけど普通の食材もあるよ?無理して食べることないさね」
キャトリス「い…いえ、ごめんなさい…大丈夫です!た…食べられますから…!ありがとうございます」
女将「そうかい?ならいいけどね?ダメだったらいいなね?」(心配顔)
僕は初めて食べるからって作ってくれた人に対して失礼なことをしちゃった、うん!…考えなきゃ美味しそうな香りに美味しそうな食事…大丈夫…食べられる!
僕は考えずに口の中にオーク肉の野菜炒めを放り込む…///(何これ何これ)口の中で野菜のシャキシャキ感の中に弾力ある甘味の含んだオーク肉が舌に溶けるように喉を通って凄く!
キャトリス「んんぅぅ!!凄く、美味しい!」
女将「おぉ、おいしそうに食べてくれるじゃないかね♪」
シェイト「大丈夫なのか?」
エミリー「ここの野菜炒めが私も、大好きなんです!」
この後みんなで晩御飯を楽しみましたが、よくよく考えると、僕なんでも食べる事が出来ました…シェイト君はお肉が大好きなようですね…種族の違いでしょうか?
晩御飯を食べ終わりみんな自分の部屋で過ごすということで今日は解散になりました、明日はいよいよ…検証する日ですね、加護がしっかり効いていると良いですけど…