調査と敵の影
アルベルトさんのお宅を出た後ボク達はそのままの足でアルベルトさんが奇襲に会ったと言っていた路地裏に来ていた。
明美ちゃんが超能力:サイコメトリーによって奇襲して来た敵の情報を探ってくれている間に恵美ちゃんはテレパシーで仲間に明美ちゃんが読み取ったイメージを皆にも転送してくれた、それによるとこの路地裏でアルベルトさんの帰路だと探りを入れていた敵が準備を整え奇襲するまでをイメージとして読み取れた所で女々ちゃんが魔術による魔法陣を描き始め詠唱を始めた・・・どうやら彼女はイメージで見た敵の人相を魔法陣の真ん中に置いて在る用紙に転写する様だ、それくらいなら超能力:念写でも良いのだけど女々ちゃんも何かしら協力して貰った方が負い目が無くていいのも確かではある。
不穏な襲撃者の人相を転写した後それをコピーしてギルドの受付嬢さんに知らせると信頼できる職員と顔見知りの冒険者を集めギルド長が説明に入る、暫くして説明を終えるとボク達が持って来た人相画を集まった者達に手渡して行った・・・しばらくするとその人相画を見て考えていた様だった冒険者が声を上げた。
「あっ!・・・こいつら知ってるぞっ、コンノット・ク・ソヤロー伯爵の近衛兵だっ!」
誠「なんか・・・あからさまな名前の伯爵だな・・・」
明美「う・・・うん・・・」
恵美「逆に良く今まで何かしら疑われずに来れたよね」
一誠「そこは・・・異世界の名字だしな・・・誰も『このクソ野郎』としての意味に連想出来なかったんだろう・・・これから異世界交流の中で日本の文明に毒されて行けばいずれ名字も考え方を変えて行くだろうな・・・」
キャトリス「それはそれで困るんですけど・・・」
セイシェル王国の不穏な影とは他国による戦争に有利に進める為の工作活動だったようだ・・・そうと分かれば手の打ちようはある、それはセイシェル王国の北側にあるアシェット国からの侵略と言う情報さえ分かればやる事は簡単だ、それはアシェット国からの戦争侵略を阻止すればこの国に脅威は無いという事になる・・・そうすれば異世界交流に危険と言う害は無くなるという事だ、それならやる意味はあると言える・・・かも?
この念写写真では証拠として摘発するにはまだ弱い・・・どうやってコンノット・ク・ソヤロー伯爵を有罪と国王に知らしめる事が出来るだろう・・・。
ボク達ならば無い証拠をあるものとして偽装する事も出来るけど・・・それは、さすがに・・・なので確実にソヤロー伯爵の動かぬ証拠を握るに他ない・・・か、でもそれにはどのようにして証拠を掴もうかな。
誠「キャトリス、ソヤロー伯爵の屋敷までならここからそう遠くないし、一気に俺達で攻め込むか?」
キャトリス「うぅ~うん・・・そんな事をしたら損害無く勝てても国から、証拠を提示する前に蛮族や侵略者としてボク達の言葉を聞き入れてはくれなくなるよ?」
シェイト「そこは・・・ほらイシュライベルフェ王国の様にお前がちょちょっと手を加えれば良いんじゃ?」
キャトリス「それでは駄目です、国には誤解を与えずソヤロー伯爵には気付かれずにこっそりと外堀を埋めて行き言い逃れできない様にしようと思う」
夜になりボク達はソヤロー伯爵の屋敷に向かった・・・まず屋敷に忍び込むのに真ん前から行くわけは無いので屋敷の裏側から侵入する事にする。