閑話、シャトルバスの中
シャトルバスは、第1キャンパス、第2キャンパス、第3キャンパス、そして第4キャンパスを複合的に結んでいる。
第1キャンパスは文系学部、第2キャンパスは理系学部、第3キャンパスは農学部、第4キャンパスは短大と付属学校がある。
原則はそれぞれのキャンパスの中でせいかつできるのだが、部活棟が第1と第2、グラウンドが第3キャンパスなどと、そのキャンパスにしかない設備というのもある。
そのため、1時間から30分に1度の割合でシャトルバスが走っているのだ。
俺らが今回乗っているのは、第1キャンパスと第2キャンパスを結んでいるバスで、少しだけだが高速も走る。
その中は高速バスのような感じで、座り心地は抜群だ。
席は特に決められているわけではないが、あらかじめチケットを買う必要がある。
乗車直前でも買えるから、俺らは出発の7分前にチケットを買った。
ちなみに、手野大学関係者ならば、片道300円、往復チケットは500円だ。
そのバスの一番後ろを陣取り、俺は話をまとめていた。
「なにしてるの?」
部長が俺が携帯でメモを取っているのを興味津々でみてくる。
「これまでのことをメモしてみているのです。見ますか?」
携帯として使っているスマホの画面を、部長に見せる。
「おー、うまいことまとまってるねぇ」
部長がいつもの口調で褒めてくれる。
口調が口調なだけあって、なんとなく笑いそうになるが必死に我慢だ。
「それで、何か書くつもり?」
「ええ、夏の部誌に載せる用の作品を」
「そっか、頑張って書いてね。ここまでサービスしてるんだから、ちゃんと書ききらなかったら……」
部長は右親指で俺の首をかき切った。