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初期練習作(短編)

あいたい

掲載日:2015/07/09

 おかしなことに、愛というのは、突然降ってくるものらしい。

目の前で天使のように可愛いコが笑っている。

というよりは、笑っているように見える。

彼女はハムスターであり、僕の恋愛対象ではなさそうだ。

しかし、彼女のつぶらな瞳が僕のこころを捕らえて離さない。

人生に、「ジ、エンド」の烙印が捺された気がする。

それでもいい。このように誓った。


 一方ハムスターの方は、つぶらな瞳でじっと彼を見つめていた。

この人間は、僕におやつを分け与えてくれるのだろうか。

ショップのおねいさんは良くしてくれたけど、

彼が気がつくタイプだとはあまり感じられない。

どちらかというと、鈍感で、花の水遣りを忘れるタイプだ。

僕は背筋が凍った。虐待されたらどうしよう。

しかし運命を変更することはできなさそうだ。

僕は諦めて、彼の家に行くことにした。

あ、ケージは大きめでお願いします!それそれ!


 彼の部屋に行くと、やはり慣れないにおいがする。

彼はケージに僕の巣を設置し、床におがくずを撒いて、

回し車を取り付ける。餌と水も忘れずにね!

僕はとりあえず食事をし、家にこもることにした。


 こいつ、すぐに巣に入っていってしまった。

俺はケージを覗いてがっくりする。

まあ良い。初めてだし、くつろいでもらいたい。

彼女と仲良くなるには、まず安心してもらうことだ。

スキンシップは徐々にということで。

俺はじっくり待つことになった。


 数日経っても、まだ慣れる気配を見せない。

俺が同じ部屋にいても、巣にこもってしまうみたいだ。

会いたい……俺の可愛いハニー!

俺は巣を覗き込んだ。


 僕が巣でぬくぬくしていると、

突然飼い主が巣をのぞいてきた。

プライバシーの侵害だと思う。

指を入れてきたので噛み付いてやった。

逃げていく。ざまあみろ。

僕は貯めこんだ餌をいっぱいに頬張った。

彼はどう思っているか知らないけれど、

僕には僕という生き方があり、

それに則って行動するのみだ。

それが分かれば、

彼は今よりもモテるようになると思うのだが、

皆さんはどう思われるだろうか。

以上、ハムスター視点でお送りしました。

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