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君がみかちゃん?

この作品はまだまだ執筆途中です。

ですので、細々とした修正が今後行われる可能性がある事をご了承ください。


主人公の名前を変更しました。

初めに断りを入れておく。

『これは現実だ』


何故そんな事をわざわざ言うかって?


これを読んでいるそこのあなたも、夢を見るだろう?

そして朝起きて、先程までの出来事が全て『夢』であった事を、実感する時があるはず。

そして一度はこう思った事があるであろう。



『あれが現実だったら良かったのに』と。



今、まさに俺の目の前で起こっているこの出来事が、俺には夢に思えて仕方がないのだ。



何故なら……




「えへへーねえねえ?これ食べていーい?」


そう言ってキャットフードを指差す少女。

どうやらこの少女、本気でこれを食べたいらしい。


「なぁ? 本気でこれ食べたいのか……? 猫の食べ物だぞ……?」


「だっていつも食べてたじゃん!」


そう言ってむすーと、ハムスターがほおぶくろを膨らませる様に、ほっぺを膨らませる少女。ものすっごく可愛いのは分かるが。



と、ここまで来たら察しの良い人はもう気付いているかもしれない。

ん?まだ気付かないし、説明不十分だって?

ああ。俺もそんな気がしていたよ。

だからもうちょっと説明させてくれ。



時は昨日の夜に遡る。



時計の針が南東方面に向かって鋭い鋭角を作っている頃、俺はいつもの様にネットサーフィンをしていた。

といっても特に見たいページがあるわけでもなく、ただじーっと見ているだけであったが。


べ、別にR指定されてるサイトなんか見ていないんだからねっ!

勘違いするなよっ!


「ふしゃー!!」


痛った!ただちょっとふざけただけじゃないか!

引っ掻くなよ……痛え……


「にゃー!」


「お、もうこんな時間か」


と、まあこんな風にうちには猫がいる。白と灰色が混ざったような色のメス猫さんだ。

なぜ高校生の分際で、猫がいるのか等は後ほど分かってくるだろうから、ここでは説明を割愛させて頂く。


まあそれは置いといて、うちの猫は寝る時間になるとそれまでパソコンを凝視してたかと思うと、俺の膝の上に乗ってにゃーと鳴く。

もう寝ようって意味だろう。


「もう寝るか」


「にゃー♪」


「お休み、みか」


「にゃー」


おっと、言い忘れていたが、猫の名前は『みか』だ。

いつも寝る時は夏だろうが冬だろうが俺の布団に潜って来る。

暑くないのだろうか?


その夜、俺は夢を見た。

その時たまたま恋愛系のラノベを読んでいて、そのラノベを読んでいる俺の隣に『みか』が居たので、俺はこんな事を思ってしまったのだ。


『みかが人間の女の子だったらなぁ~……』


この、『一瞬高校生くらいの思春期真っ盛りな少年は一度でも考えそうな妄想』の所為であろう。

不思議な夢を見たのだった。




深い深い闇の中。どこを見渡しても漆黒の闇が続く……そんな空間に俺は居た。


「……?」


しばらくボーッとその場に立っていると、俺の目の前に人が現れた。

まあ夢だからな。何でもありな世界だ。

とりあえずその人に話しかけてみる事にした。


「あ、あの?」


なんて声を掛けて良いのか分からず、たったの一言の質問になってしまう。


「私の存在に、ようやく気付いてくれたようだね」


そこには、綺麗な女性が立っていた。よくラノベで見かける『保健室の先生』みたいな人だ。

これだけで分かるだろう?この人がどんな女性かって?


と、まだどんな人か分からないから、相手の事を尋ねてみた。


「はい。今気が付きました。あなたは誰ですか?」


「先に自分の名前を名乗るのが常識のはずだが……まあいい。答えてやろう。私は『ネコガミ』。覚えておくがいい」


ん……? ん?

『ネコガミ』?

『ネコ』の『カミ』さま?

真顔で言われたら信じそうになっちゃうじゃないですかぁ~あはは……


「私は本気だが?」


心読まれてるし!


「読心術くらい、私とて身につけている。常識ではないのかい?」


うーん……普通の人は心なんて読めませんよ……


「そうかい。それは少し勉強になった」


あっれー……なんかおかしいな……

夢なのに夢っぽくないと言えば良いのだろうか?

あんまり考えていても仕方が無いので、なんで俺の所に神様が来てくれたのかを質問してみる事にする。


「あの、所で神様が何故わざわざ僕の所に来てくれたのです?」


「うむ。まさにそれを聞かれるのを待っておった。……物語が進行しないのでな」


なんと……


「うむ。『君が良ければ』であるが、君の家にいる猫ちゃんを、人間にしてみないかい?」


「え? 今なんて?」


猫を人間に、という事は擬人化?

俺の困り顔に面白く思ったのか、ネコガミ様はくすりと笑い、こう続けた。


「『みかちゃん』の想いを聴いてみないかい?」


透き通った瞳が、これは嘘じゃないと訴えかけている。


「そんな事が……出来るんですか?」


「ま、みかちゃんとのワンダフルライフを楽しんでおくれ……ふふふ」


「あ、えと、ちょっと……」


目の前が霞んでくる。もう朝なのだろうか? それに、平衡感覚も段々なくなってきた。


「おや、もうそろそろお別れのようだね。では、私はここで退場させて貰うよ……また後で……」


「え? 今なんて……?」


視覚がだんだんなくなって行き、代わりに聴覚がはっきりとしてくる。



ピピピピ………


うるさい。目覚まし時計の音がうるさい。


ピピピピピピピピピピ(ry


「うっせー!!!」


バキッ……!


電子時計から嫌な音がした。

飛び起きて、ソレをもう一度確認する


「うわ………マジかよ」


ソレのスイッチは、沈殿したまま帰って来ず、相変わらず電子音がなったままだ。


「ふ、不幸だ……」


某主人公みたいなセリフを吐いてみるが、状況は一向に変化しない。隣でみかが寝ていて、俺は壊れた目覚まし時計を持ってて……


「スースー……」


そ、そのぉ……隣で女の子が寝ていて……


「んむぅ……翔くん……」


俺の名前を呼んでて……


「んふぅー……」


腕まで絡ませてて……


「んー……うるしゃい……」


バキッッ!!!


おまけに目覚まし時計もぶっ壊しちゃうし!!

めっちゃ強い女の子! なんと馬鹿力!!


この少女の寝言と共に、俺の持ったイカレた目覚まし時計がなんか変な音と共に消えた。

(空間)まっがーれー


状況が明らかに違う事に、頭が混乱する俺。


「う、うお……」


なに言ってんだろ俺……

例の娘は大きな伸びをして、俺の顔をガラスの瞳で覗きこむ。

にぱっと笑ったかと思うと、なんとこの少女、こんな事を言い出した!


「翔くんおはよー」


あっるぇー ( ・3・) こんな女の子の知り合い居たっけ~……

こんな俺と一緒に寝てくれるような……


……そういえば………


もしやと思い、この少女にいくつかの質問をしてみる。


「おはよ。突然だけどいくつか質問いい?」


「いいよー!」


なんの迷いもなくOKサインを出してくれる。なんて良い娘なんだっ!


「君はだれかな?」


「みかだよ~!」


みか?……おい、うちの猫の名前じゃねーか


「じゃあ次、好きな食べ物は?」


「あのカリカリ! でもぬらぬらの方が好きかな!」


カリカリ……ぬらぬらって……キャットフード……?

まあいい。次!


「俺のこと、誰だか分かる?」


さあさあどうだ?


百合丘崎翔(ゆりがおかしょう)くん!」


やっぱりみかだ……この娘みかだ!

決めてはこいつの次のセリフだ。


「ネコガミさまにねー、人間にしてもらったんだよー!」


ネコガミさま!

昨日の夢は正夢だったのだろうか?

そしてネコガミさまが言った事、『猫ちゃんを人間にしてあげよう』……ネコガミさまは本当に?


「ネコガミさま優しいんだよ! ネコガミさまのお陰でこうやって翔くんと話せるし~! どこかで会えるといいな♪……あ! カリカリ!」


あ! おいちょっと!


そして、今に至るので有る。

やれやれ……


「えへへーねえねえ?これ食べていーい?」


「なぁ? 本気でこれ食べたいのか……? 猫の食べ物だぞ……?」


「だっていつも食べてたじゃん!」


そう言ってむすーと、ハムスターがほおぶくろを膨らませる様に、ほっぺを膨らませる少女。ものすっごく可愛いのは分かるが。


「気持ちは分からない訳じゃない。お前が食べたい気持ちも分かる。だけどお前は今人間であって……」


「えーそんなー……ショボーン…………」


ショボーンと、自分の口で言う人なんて初めて見たよ。

よっぽど食べたかったんだろうな。

この『キャットフード』を


「その代わり、みかは人間だからもっと美味しいものを食べられるんだよ。こっちにおいで~」


「やったー! 翔くんだーいすき!」


やば。めっさかわいい。

食べ物であそこまで喜んでくれるとこちらも嬉しくなる。

よし。とっても美味しい料理を作ってあげよう!

そう誓った俺である。



今日のごはんは、「焼き魚」「お味噌汁」「ごはん」という純日本食である。

みかもお魚大好きだし、丁度いいだろう!


所でさ……


「……あの? お箸持てない?」


お箸をグーの手で持って、お魚とお箸を持った手を交互に見ているみか。流石に俺の見様見真似じゃ無理か。


「あう…………」


「スプーン持ってくるな」


「……うん」


しょぼーんとした顔がまたなんとも言えないほどかわいい!

みかの大好きなお魚を目の前にして、何も出来ないのは可哀想だったので、スプーンを持って来た後に食べやすい様にしてあげる。


「わー! 翔くんすごい!! じゃあ食べるね! いただきまーす!」


グルメリポーターになってもおかしくないと思えるほど美味しそうにご飯を食べるみか。俺はその嬉しそうな顔を堪能したのであった。



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