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柊瑞希は青春コンプレックス  作者: 黒姫 百合


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……やっぱりあの空間は心地良いな

 家に帰り撫子は自分のベッドにダイブし、一人反省会を行う。

 あの瑞希と舞の現場を見て撫子は自分の感情をコントロールすることができなかった。


 別に瑞希とは付き合ってもいないのだから、誰と二人っきりでいても咎められることではない。


 それは頭でも分かっている。


 だけど瑞希と舞、二人だけでいる姿を見ると息苦しくなってモヤモヤしてイライラしてしまうのだ。


「……どうしたんだろう私」


 だから今日は瑞希を避けてしまった。


 あまりにも露骨すぎたから瑞希たちにも気付かれ、一応生理ということで誤魔化すことができた。


 もちろん、生理でイライラしているというのは嘘である。


 今は生理が来ていない。


 こんな気持ちは初めてである。


 中学の頃友達がいなかった撫子はこの感情が『嫉妬』ということに気付いていない。


「……なんで柊さんと金森さんが二人でいるところを見るとこんなにもモヤモヤしちゃうんだろう」


 撫子だって本当は瑞希を避けたくはないのだ。


 でも体が勝手に瑞希を拒絶してしまうのだ。


 瑞希は全然悪くないのに。


「でも仲直りしたから明日からは大丈夫よ。明日からはいつも通りの三人に戻ってる」


 撫子は自分に言い聞かせるように、呟く。

 舞がコミュニケーション部の依頼として持ってきてくれたおかげですぐに解決することができた。


 本当に舞には感謝している。


 変に長引くと、元に戻るまで時間がかかってしまう。


「……やっぱりあの空間は心地良いな」


 撫子は放課後三人で笑いながら歩いた時のことを思い出す。


 あの時だけは、今日一番幸せな時間だった。


 こんな幸せな時間がもっと続けば良い。


 今日一日、気を張り詰めていた撫子は寝落ちするのであった。

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