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柊瑞希は青春コンプレックス  作者: 黒姫 百合


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37/63

おい黒川先生

 昼休み。


 瑞希は一人、昼食を食べていた。


 基本、昼食を食べるのは一人である。


 撫子もそうだし、舞はリア充グループである椿たちと食べていることが多い。

 舞は、瑞希や撫子を自分たちのグループの中に入れたさそうな表情をしているが、余計なお世話なのでしないでくれる方が助かる。


 あの時、椿たちと一緒のグループになると舞は言ったが、瑞希も椿も了承していない。


 だから、瑞希が椿となれ合う義理はない。


 一人で瑞希が昼休みを過ごしていると、校内アナウンスのチャイムが流れる。

 それだけで、他の人たちは何事だと言わんばかりに気になり、傾聴する。


『一年二組、柊瑞希、同じく白鳥撫子、同じく金森舞。至急職員室に来てください。繰り返します。 一年二組、柊瑞希、同じく白鳥撫子、同じく金森舞。至急職員室に来てください」


 平和な昼休みに、スピーカーから尚美の声が響き渡る。

 尚美の声を聞いた時、嫌な予感しかしなかったが、当たってしまった。

 尚美がこの三人を呼び出す理由なんて、サポート部関連しかないだろう。

 瑞希の正直な気持ちは行きたくない、だ。


 昼休みにサポート部の三人を呼び出すと言うことは、なにかしらサポート部にやってほしいことがあるから呼び出したのだろう。


 でなかったら、怠惰な部活顧問がサポート部を呼び出す理由なんてない。


「舞、なにか悪いことでもしたの?」

「えっ、なんでそうなるのっ。違うよ。多分瑞希ちゃんと撫子ちゃんも一緒だから、サポート部のことかも」

「サポート部?なにそれ?初めて聞いた名前なんだけど」

「サポート部はね、主に生徒たちの悩みなど聞いて解決したり、みんなが快適に学校生活を送れるようにサポートする部活なの」

「僕もお世話になったしね。椿は覚えてるでしょ、あの放課後僕と舞が柊たちに頼んだのはサポート部だからだよ」

「へぇ~変な部活。なるほど、依頼って部活動だったのね」

「椿に同感。意味不明すぎて逆にオモロッ」


 初めて聞く部活動の名前に椿は頭の上にクエスチョンマークを浮かべる。

 サポート部の部員である舞はなぜか嬉しそうに自分たちが所属している部活について熱弁する。


 椿もやっとあの時、なぜ舞が強引だったのか理解したらしい。

 早織にいたっては馬鹿にしているのか面白がっているのかよく分からない。


「あたし、先生に呼ばれたから職員室に行ってくるね」

「「いってら~」」

「いってらっしゃい」


 舞は三人に断りを入れてから席を立つ。

 椿と早織は間延びした声で送り出し、帆波はしっかりしたこえで送り出す。


 舞はなぜか嬉しそうに瑞希の元へとやって来る。


 絶対ロクでもない用件だと分かっている瑞希は全然気乗りしなかった。


 でも行かなかったら行かなかったらで、面倒なので、行くしかないのだろう。


「瑞希ちゃん、部活だよっ」

「そうだな……面倒くさいけど行くか……行かないと小言言われるしな」

「瑞希ちゃんが全然やる気ないっ。せっかくの部活なんだから楽しくしよー」


 面倒くさそうに立ち上がる瑞希を見て、瑞希のテンションを上げようとしてくれているのか、いつもより舞の声は明るい。


 その後、撫子の机にも回って撫子も連行する。


「嫌な予感しかしないけど、私だけかしら」

「大丈夫だ。私も嫌な予感しかない」

「二人ともどうしてそんなにテンション低いのっ。ほらっ上げて行こう」


 面倒事を押し付けられる未来しか想像できない二人はテンションが低く、逆に三人で一緒に活動できるのが嬉しいのか、舞だけはテンションが高かった。


「ここは柊さんが代表として―――」

「白鳥も呼ばれただろ。諦めろ」

「……そうね。時に諦めも肝心よね」


 撫子も相当職員室に行きたくないのか、相当渋っている様子だった。

 でも今回は三人全員に、尚美から指名をいただいている。


 一人だけ抜け駆けするなんて瑞希が許さない。


 その後、瑞希と撫子は仕方なく、舞だけは嬉しそうに職員室の中に入る。


「おぉー来たか。待ってたぞ」


 いつも通りカップラーメンを食べながら尚美は瑞希たちを出迎える。


「それでなんの用ですか?放送まで使って」


 早く用件を終わらせて少しでも長く昼休みを過ごしたい瑞希はさっさと用件を述べるようにと尚美を催促する。


「実はな、明日この町のボランティア活動があってな。内容は河川敷のゴミ拾いな。町内のボランティアだからな、万年人不足らしい。そこでお前たちサポート部に白羽の矢が立ったわけだ。というわけで明日の九時にここに集合な。あたしからの用件は以上だ。解散」

「おい黒川先生。用件だけ言って解散って納得できるわけないでしょ。そもそもなんで私たちがボランティアなんてしなければならないんですかっ」


 やると言っていないのに、明日のボランティアについて簡潔に説明する尚美。


 尚美はもう用件は終わったと言わんばかりに、三人を解散させようとさせる。


 でも瑞希は納得がいかなかった。


 そもそも、なぜ瑞希たちサポート部がやる前提なんだろうか。


 瑞希たちの部活は『サポート部』であって『ボランティア部』ではない。


 さすがの瑞希も思わず尚美に語気を荒げてしまった。

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