別に金森達には関係ないだろ
放課後の大通りは人が多い。
放課後ということもあり、自校の生徒はもちろん他校の生徒も帰宅ラッシュということもありたくさん溢れていた。
もちろん、高校生以外にもオシャレな大学生や、忙しそうなサラリーマン、あまり清潔感がない人まで、いろんな人種が大通りを行き来してた。
「もう学校の外なんだから離せ。恥ずかしいだろ」
「柊さんの言う通りよ。自分で歩くから離してくれないかしら」
学校の中でも恥ずかしいのに、学校の外で三人して腕を組みながら歩くのは想像するよりも恥ずかしい。
「仲が良いわね~、あの三人組」
「みんな可愛いわね」
「やっぱり高校生は青春よね~」
若い女子大生か男の娘か分からないが、瑞希たちを見て昔に思いをはせていた。
大学生ならつい数年前まで同じ高校生だっただろう。
それに大学生は大学生で夢のキャンパスライフがあるではないか。
それは青春とは呼ばないのだろうか?
甚だ疑問である。
「ダーメ。離したら二人とも逃げるでしょ」
舞はまるで子供のように唇を尖らせている。
力づくで逃げ出すこともできるが、明日会った後が面倒になるため瑞希たちは我慢するしかない。
その後、舞に連行された瑞希たちは目的地に着き中に入る。
「凄い油の臭いね」
「まさにファスト店だな」
中に入った瞬間、吸っただけで胃が重くなるほどの油の臭いが瑞希たちの嗅覚を刺激した。
ちなみにワックというのは、全国チェーンのファスト店である。
その後三人は各々注文し、四人掛けの席に座る。
ちなみに瑞希の向かい側に舞が座りはす向かいに撫子が座る。
空いている瑞希の横の席はカバンなど荷物を置く。
「それじゃーいただきます」
「「いただきます」」
見た目がギャルなのに、変なところで真面目である。
「やっぱりワックのハンバーガーはおいしいよね」
さっそく包み紙を開けてハンバーガーを頬張る舞。
瑞希も包み紙を開けてチーズバーガーを食べる。
さすが全国にチェーンがある店である。
味の保証は完璧である。
「うぅ……詰まった……」
「なにをしてるんだ、ほらドリンク飲んで」
「全く金森さんったら」
一気に食べすぎたせいで喉を詰まらせる舞。
おっちょこちょいである。
瑞希は急いで舞にドリンク渡し、舞は急いでドリンクを受け取り一気に飲む。
撫子は呆れながら舞の背中をさすっている。
「ぷはー、ありがとう瑞希ちゃん、撫子ちゃん。マジでやばかった」
「さすがに喉にハンバーガー詰まらせて救急車は恥ずかしいから辞めてよね。まだ高校生なんだし」
「柊さんの言う通りよ。喉に詰まらせないようにゆっくり食べなさい」
「はい……すみません」
瑞希と撫子に怒られた舞はシュンと肩をすぼめる。
二人に結構な勢いで怒られた舞はかなり落ち込んでいた。
「まっ、次から気を付けて」
「そうね。喉に食べ物を詰まらせると最悪死ぬから、気を付けてちょうだいね」
瑞希も撫子も少し強く言い過ぎたと思ったらしく、優しい言葉に言い直す。
その後、ハンバーガーを食べ終えた三人はポテトをつまみながら、舞がまるで世間話をするかのように自然に話を切り出す。
「そう言えばどうして瑞希ちゃんは午後の授業、ずっとイライラしてたの」
「別に金森達には関係ないだろ」
むしろ、舞絡みでイライラしていたのだが、そんなこと本人に言えるはずがない。
「やっぱりイライラはしてたのね」
「……」
やはりと言うかのように撫子は瑞希がイライラしていたことを指摘する。
撫子に言葉尻を捉えられた瑞希は、しまったと思い無言になるも時すでに遅い。
「ほらー、やっぱりイライラしてたじゃん」
なぜここで舞が頬を膨らませているのか分からないが、とにかく顔が近い。
「分かったから少し離れろ。顔が近い」
「あっ、ごめん……」
顔が近いことを舞に指摘すると、舞は申し訳なさそうに顔を遠ざける。
テンションが高かったと思えば急に低くなる。
舞は情緒不安定なのだろうか。もしかして生理かもしれない。
でもそんなことを言うとセクハラになるので、このことは心の中でだけにとどめておこう。
それにあんなに距離が近いと吐息がかかって、ドキドキする。
人との接触を最低限しかしてこなかった瑞希は女の子の免疫があまりなかった。




