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柊瑞希は青春コンプレックス  作者: 黒姫 百合


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17/63

なんだ。瑞希ちゃんもちゃんと青春してるじゃないか

 昼休み、椿にからまれたせいで五、六、七時間目の授業は全然集中することができなかった。

 授業中、一色のことを思い出すたびにイライラが募り、同じ教室にいること自体ストレスだった。


「どうしたの瑞希ちゃん。午後の授業、ずっとカリカリしているようだったけど」

「別に。金森には関係ない」


 放課後になり、隣の席でずっとイライラしていた瑞希のことが心配だったのだろう。


 舞は心配そうに瑞希に話しかける。


 しかし、瑞希はとてもイラついていたせいで冷たく舞をあしらった。


 ちなみに、椿たちリア充組は部活に行っているためこの教室にはいない。


「関係なくはないよ。だってあたしたち友達でしょ。昼休み前の瑞希ちゃんは普通だったのに、昼休み後の瑞希ちゃんはまるで別人のようにイライラしてた。昼休みになにがあったの?」

「いや、友達じゃな――」

「確かに柊さんがここまでイライラしているところ初めて見たわ。私も少し興味があるかも」


 瑞希に冷たく突き放されたことがショックだったのか、舞は声を荒げる。


 舞の感情は怒っているというよりも悲しそうな感じだった。


 瑞希は別に舞のことを友達とは思っていない。


 同じクラスで同じ部活で隣の席の女の子。これが瑞希の舞に対する認識だった。

 それを否定しようと口を開いた時、廊下側の席に座っていた撫子が興味津々でやって来る。


「意外だな。白鳥がそんなこと言うなんて」

「そうかしら。別に普通だと思うけど」

「白鳥はそういうことに興味や関心とか示さないと思ってた」

「なぜそう思うのか分からないけど、私と柊さんの付き合いはまだ一週間ぐらいしか経ってないのよ。考えが短絡的過ぎない?」


 確かに撫子の言っていることはもっともなことだった。


 瑞希と撫子たちの付き合いなんてまだ一週間そこらしかない。


 たった一週間の付き合いでなにを分かってた気になっていたのだろうか。


 撫子に言われるまでもなく短絡的な考えだった。


「確かにあたしたちまだ一週間ぐらいしか一緒にいないんだよね」


 ここで舞が一人考え込む。

 言おうか言わないか迷ったが、瑞希と撫子の付き合いは一週間ぐらいあるが、舞との関係はまだ二日目である。


 確かに、同じクラスになって一週間は過ぎているが本格的に話し始めたのは昨日からである。


 厳密に言えば瑞希と舞の付き合いはまだ二日である。


「そうだ。せっかくだからワックに行かない?あたしたちまだお互いのことよく知らないでしょ。だから懇親会をしようよ。そして瑞希ちゃんがイライラしている理由も聞き出す。こういうのってため込むのは悪いんだよね~。愚痴は吐き出した方が楽になるよ」


 舞はまるで名案を思いついたかのように目を輝かせながら、二人を遊びに誘う。


「私はパスだ。別に二人に話すほどのことでもない」


 別に懇親会に興味がなかった瑞希はもっともらしい理由を付けて断る。

 そもそも、瑞希のイライラの原因は舞のグループに所属している椿のせいである。

 それを椿のグループである舞に聞かせても、舞も良い気がしないだろう。


「別にワックでなくても良いでしょ。ここで聞き出せば」


 撫子はワックに行くことには反対だが、瑞希のイライラの原因は聞きたい様子だった。


「二人とも消極的っ。どうして~、行こうよ~。あたしたち高校生になったんだよ。友達と一緒にファストフード店に言って駄弁るのって高校生の憧れじゃん。まさに青春じゃん」


 二人にワックに行くことを断られた舞はショックを受けつつも、高校生の憧れや青春について熱弁する。


 まさか舞も青春に夢見ている女の子だったとは。瑞希は心の中でため息を吐く。

 どうして大人も高校生も高校生に青春を求めるのだろうか。


 友達と帰り道、ワックに寄って買い食いすることが青春?


 全然意味が分からない。


 そもそもワックになんていつもで行けるし、別に青春なんて求めていない。


 まさに青春は呪いだ。


「白鳥は金森の言っていることが分かるか?」

「ごめんなさい。私も分からないわ」


 撫子なら舞の言っていることが分かると思い、振ってみたが答えは見ての通りだった。

 撫子は本当に分からなそうに首を横に振る。


「分からないなら試して見よう~。さぁ、二人とも帰る用意は終わってるから行くよ行くよ」

「ちょっと待て金森。私は行くとは一言も言ってないぞ」

「ちょっと金森さん。そんなに腕を引っ張らなくても……」


 言葉では二人に勝てないと察したのか、舞は強引に瑞希と撫子の腕を組み引っ張っていく。


 瑞希と撫子は強引な舞に抗議するが、舞の聞く耳を持たなかった。

 瑞希も撫子も最初は抵抗したものの、途中で面倒になり諦めた。

 舞を真ん中に腕を組む三人の姿は、傍から見れば仲良し三人組のようにキラキラ輝いていた。


「なんだ。瑞希ちゃんもちゃんと青春してるじゃないか」


 三人して仲良く?廊下を歩く姿を見ていた尚美は嬉しそうな表情を浮かべていた。

 だから学校で『瑞希ちゃん』言うな。

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