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ティナとルークの帰還

昼過ぎ。


ティナが優菜から託された誇りを胸に、そしてルークという心強い仲間と共に臨んだ行商の結果、今日の惣菜は予想を遥かに超える速度で売れた。


「優菜さん、ただいま!今日の売上、見て!銀貨九枚よ!昨日の六枚を大きく超えたわ!」


ティナは興奮気味に、硬貨を優菜に見せた。ルークも誇らしげだ。


「ルークも、よく頑張ったわね。荷物持ちと、警護、ありがとう。疲れたでしょう?」


「ううん、大丈夫!それより優菜お姉ちゃん、見て!僕、市場で新しい情報をたくさん集めてきたんだ!」


ルークは、優菜が渡した木の板を差し出した。そこには、乱雑だが真剣に書かれた情報が並んでいた。


甘いパン、貴族の奥様が買う。


保存がきく食料は高いけど、日雇いに人気。


酸っぱい漬物ピクルスは美味しい。


優菜はルークの報告を聞き、目を見開いた。特に「甘いパン」と「保存食」に関する情報は、優菜の次の商品戦略と完全に一致していた。


「ルーク……ありがとう!これは、銀貨十枚以上の価値がある情報だよ!」


優菜は心からルークを褒めた。その瞬間、ルークの心の中で、「自分は役に立てた」という確固たる自信が生まれた。


優菜は、子供たち全員が集まったことを確認し、笑顔で宣言した。


「みんな、本当にありがとう!今日の成功は、みんなが頑張ったおかげだよ!さあ、今夜はもっともっと美味しいご飯にするわよ!」


夕焼けが窓から差し込む中、孤児院は希望に満ちた温かい光に包まれていた。

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