生きているダンジョン
これはこのアンソロジーの最新話です。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。
ダンジョン生物
1. 引きこもりの孤独
東京の古いアパート、薄暗い午後の光がブラインドの隙間から差し込む。
外では遠くの線路を走る電車の音と、街頭の雑踏がかすかに聞こえる。
僕は小さな机に座り、カップラーメンをすすりながら、自分の人生を考える。
外に出ることはめったにない。友達もいない。いつも周囲から浮いている感覚にとらわれる。
今日は、オーストラリアに住むいとこの頼みで外に出た。
「昔のタイムカプセルを掘り出して、送ってくれ」
その簡単な依頼が、僕の人生を一変させるとは、このときはまだ知らなかった。
隣には、僕のペットのタヌキ。彼だけが、僕の沈黙や不安を理解してくれる。
2. 土の中の異物
古びた空き地。コンクリートの破片と雑草が混ざる場所で、シャベルを土に突き立てる。
硬い物に触れた瞬間、土の中から微細な粒子が舞い上がり、僕の肌に触れた。
冷たく、ざらつきがあり、しかしどこか温かい。
背筋に鳥肌が立ち、心臓が早鐘のように打つ。
僕はまだ知らなかった――そこには宇宙的存在、エク・アラの腐敗した残骸が埋まっていたことを。
家に戻り、空腹のままカップラーメンを啜る。
「エビフライ…食べたいな」
その瞬間、私の口はドアのように大きく開き、たくさんの美味しそうなエビフライのを出た。
夢を見ているのかと思ったけど、食べてみると本当に美味しかった
夢ではない。目の前の現実に、僕の理性は追いつけない。
3. テセイカ・オサマッティの登場
声がした。柔らかく、不可思議な響き。
「私はテセイカ・オサマッティです。あなたは今、生きているダンジョンになったよ。先で、タイムカプセルを掘り出していたとき、ただの土じゃない。あなたの皮膚に付着した汚れは宇宙の神エク・アラの残骸でした。エク・アラの残骸が、あなたに神の力を与えたのよ」
その言葉を言った後、彼女は紙片を取り出し、穴を描く。
そして、その穴に跳び込み、ルーニー・テューンズのように消えた。
4. 力の覚醒
三つの力――
富を生み出す力
食べ物を生み出す力
敵を作り出す力
試してみる。
食べ物を思い浮かべる。口から無限のラーメン、弁当、揚げ物が現れる。
宝を思うと、金貨や宝箱が次々と溢れる。
敵を思い浮かべると、異形の存在が現れ、僕の目の前で生き生きと動く。
現実と夢の境界は崩れ、世界は僕の意志で形を変える。
5. 存在の哲学
世界には二種類しかない――不足と豊穣。
僕の人生は、ずっと不足の側だった。貧困、孤独、無力。生まれながらの欠乏感。
しかし今、僕は豊穣を生み出せる。
飢えた子どもたちに無限の食べ物を届け、貧しい地域に宝や資源を生み出すことができる。
敵――挑戦者もまた必要だ。
試練があって初めて、成長や価値が生まれる。
世界を豊かにしつつ、試練を設けることで、存在は意味を持つ。
6. 日常と異常の交錯
アパートの小さな部屋は静かだ。
しかし、口から生まれる宝や食べ物は、現実の重みを持つ。
タヌキが宝箱の上で跳ね、ラーメンの香りが部屋を満たす。
外の街はいつも通り。
でも、世界の均衡は静かに揺れ、僕の存在が波紋を広げる。
7. 終章:新しい僕
僕はもう、引きこもりの少年ではない。
世界の不足を補い、試練を生み、豊穣を分かち合う。
新しい存在――生きているダンジョンとしての人生が始まったのだ。
可能性は無限、責任もまた無限。
でも、初めて生きていることを、心の底から感じられる。
この話を楽しんでいただければ幸いです。次の話をすぐにアップロードします。




