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木の種が転生した経緯

これはこのアンソロジーの最新話です。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

パラレルワールド88888888。

日本とオランダの合同ゲーム会社「モービウス」は、世界を驚かせる新型AR(拡張現実)ゲームコンソールを開発した。

その特徴は――**「同時に複数のARゲームをプレイできる」**という、前代未聞の機能だった。


浅井あさいアサヒは、ごく普通の日本人青年。毎日退屈な日々を過ごしていた。

だがある日、彼は「モービウス社」の新コンソールのβテスターに選ばれる。


テストとして、アサヒは5本のARゲームを同時にプレイすることになった。


最初のゲームは、侍アクション。

巨大な妖怪・オムカデを倒し、皇帝の娘を救うという和風バトルゲーム。


二本目は、スペースオペラ。

銀河大戦後の宇宙経済を再建するため、補佐役の熟女アシスタントと共に膨大なレポートを読み込み、政策を立てていく頭脳戦。


三本目は、巨大ロボット(メカ)バトル。

アサヒは爆乳 針女子の女性を守ります。たくさんの神々は彼女を殺したい。なぜなら、彼らはみんな彼女の恋人になりたがったが、全員は彼女に振られました。


四本目は、学園を舞台にした迷宮探索。

高校生となったアサヒは、全校舎がサイケデリックなラビリンスと化した世界で、ぽっちゃり美人爆乳の先生を探し出す。


五本目は、スポ根野球ゲーム。

伝説のベーブ・ルースと対決し、勝利を目指す。


テストを見事にクリアしたアサヒは、報酬として最新型ARコンソールをプレゼントされる。

それから彼は、毎日5本のARゲームを同時にプレイし続けた――。


1ヶ月後、アサヒに異変が起きる。

5つのゲームが、それぞれ**別々の精神パーソナリティ**を作り出してしまったのだ。


アサヒの心は、


芸術的な人格


おっとりした人格


活発な人格


知的な人格


明るく楽天的な人格


の5つに分裂した。

やがてアサヒは気づく――「自分は新しい人間の形に進化した」のだと。


5つの人格は、1つの体の中では窮屈で仕方がなかった。

そこで彼らは、「それぞれが自分の身体を持つ方法」を探し始める。


アサヒの兄はMIT(マサチューセッツ工科大学)の科学者で、日本の有名な研究者たちとも繋がりがあった。

その中に、脳神経科学者の長本ながもと博士がいた。


アサヒは博士のもとを訪れ、自分が「新しい人類」に進化したことを訴える。

興味を持った長本博士と大学の研究チームが調査すると、驚くべき事実が判明する――


アサヒの脳は5つの独立した脳に分裂し、それぞれが完全に機能していたのだ。


長本博士はオランダやMITの科学者と協力し、アサヒの人格それぞれに対応する5体のロボットボディを製作した。


1体目:小柄で痩せ型。顔は赤、身体は黒。


2体目:長身で細身。顔は紫、身体は緑。


3体目:低身長で太め。顔は黒、身体は黄色。


4体目:低身長で太めで腕が細い。顔は茶色、身体は白。


5体目:細身で高身長でアスリート体型。顔は黄色、身体は青。


このニュースは瞬く間に世界を駆け巡り、人々は彼らを「ホモ・マルティプリス(Homo Multiplis)」と呼ぶようになった。


それから5年後――

東京の小さなカフェに、5体の「アサヒ」が集まった。


彼らはそれぞれ人間の女性と結婚し、別々の人生を歩んでいた。

1人はマオリ系の女性と、

1人はキューバ系アフリカ系の女性と、

1人はフランスのロマ系の女性と、

1人はポーランド人の金髪女性と、

そして最後の1人は日本人女性と暮らしている。


コーヒーを飲みながら、彼らは「ひとつのアサヒ」だった頃を懐かしく思い出した。

だが――今の彼らは、それぞれの人生に満足していた。


これは、一人の青年が「五人」になった物語。

そして、新しい人類が生まれた最初の瞬間の記録である。

この物語を楽しんでいただければ幸いです。次の物語もすぐにアップロードします。

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