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異世界の女戦士たちは休みたいだけです

これはこのアンソロジーの最新話です。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

フカシは、背が低いで細身の引きこもり。

両親は旅行に出かけており、家には彼一人だけだった。

部屋の中で、彼はぼんやりと呟く。


「……もし、異世界の女の子たちのハーレムが欲しいな。」


その声は、何か奇妙な現象によって異世界に届いた。

声を聞いたのは五人の女性――すべて爆乳で、力強い生存者たちだった。


「私たちをあなたの元に招待して。行くわ。」

少女たちは答えた。


フカシはそのこえを聞いて、夢を見ているのだと思った。

だが、慎重に声を返す。

「……じゃあ、正式に僕の部屋に招待するよ。」


その瞬間、部屋の壁に異次元の洞窟が開き、少女たちが現れた。


一人は片腕を失っている。


一人は脚を失っている。


一人は視力を失っている。


一人は中世風の車椅子に座っている。


最後の一人は額にいくつもの傷跡を持つ。


それでも、五人の女性たちは揃って堂々と、誇り高く、美しかった。

フカシは状況を理解できず、ただ見守るしかなかった。


女性たちは静かに座り、数時間休んだ。

やがて目を覚ますと、彼女たちはフカシに微笑みかける。


「あなたが私たちを招待してくれた人ね? 本当にありがとう。助けてくれた。」


彼女たちは、故郷の異世界 『ミウ=ラ=アー』 の恐ろしさを語り始めた。


毎日人々が死に、


拷問に苦しめられ、


生き延びることすら奇跡だった。


その話を聞き、フカシの胸に一つの像が浮かぶ。

彼女たちは、時の試練を生き抜いたギリシャのアマゾネスたちの像のような存在――

傷や欠損を抱えながらも、誇り高く立ち上がり、

誰にも消せない、美の形を手に入れた者たちだった。


フカシはそっと言った。


「ここで、ずっと僕と一緒に暮らしていいよ。」


少女たちは小さくうなずき、微笑む。

その微笑みには、戦いを生き抜いた者だけが持つ、揺るぎない強さと静かな喜びが宿っていた。

この話を楽しんでいただければ幸いです。次の話をすぐにアップロードします。

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