怪獣と都市
これはこのアンソロジーの最新話です。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。
これは平行宇宙0110100001110101011011010110000101101110011100110010000001110011011101010110001101101011の地球の話です
この地球にはカイジュウが存在します。そして、人類は彼らと戦うための一つの巨大ロボット、「ヘイワメイカー」と呼ばれるメカロボットを持っていた。カイジュウの出現頻度は非常に低く、10年から20年に一度現れるかどうかである。
ヘイワメイカーは人間、特にホワイトカラーやブルーカラーの働く人々を観察していた。彼らの生活は空虚で退屈に満ちており、なぜ自分たちが作った都市から逃れようとしないのか、ヘイワメイカーには理解できなかった。しかし、満足のいく答えは見つからなかった。
ある日、「マザーラミア」と名付けられたカイジュウが現れた。マザーラミアは長い髪、人間っぽいの顔、鋭い牙を持ち、下脚がなくて、その代わりに下半身はアナコンダの尾のようになっている。爪は鋭く、そして彼女は爆乳である。
数週間後、ヘイワメイカーのパイロットは、4キロ先にいるのマザーラミアと戦うの任務を受ける。しかしパイロットは臆病で、マザーラミアを目の前にすると恐怖で気絶してしまう。すると、マザーラミアはヘイワメイカーを攻撃するのではなく、好奇心に満ちた目で見つめるだけだった。
ヘイワメイカーは攻撃すべきか迷う。その時、マザーラミアは言った。
「知らないでしょ?」
そして続けた。
「あなたは私たちの一員よ。」
そう言うと、マザーラミアは去っていった。パイロットは勲章を受けるが、ヘイワメイカーはマザーラミアの言葉が頭から離れなかった。
人間が眠る夜、マザーラミアは人間には聞こえない音を発した。それはヘイワメイカーを呼ぶ遠吠えだった。ヘイワメイカーはその声に導かれ、マザーラミアの元へ向かう。二人は湖のあるダムの近くにいた。
ヘイワメイカーは問う。
「さっき、『あなたは私たちの一員』と言ったのはどういう意味ですか?」
マザーラミアは答えた。
「水面に映る自分の姿を見て。」
ヘイワメイカーが水面に自分を映すと、気づく――自分はずっとカイジュウだったのだ。人間に仕えるために作られたメカではなく、元々メカみたいのカイジュウであったこと。マザーラミアは言った。
「たぶん子供のカイジュウだった時に捕らえられたのでしょう。だから何も覚えていないの。」
ヘイワメイカーはまだ疑い、尋ねる。
「本当に騙そうとしているわけではないですよね?」
マザーラミアは答えた。
「私があなたを騙す理由があると思う?」
ヘイワメイカーは返す。
「もしかしたらあなたは私に人間を滅ぼす手伝いをさせるために操ろうとしているのでは?」
マザーラミアは首を振った。
「私たちは人間を滅ぼしたいわけではない。人間こそが私たちを滅ぼそうとしている。私たちカイジュウはただ、自然の中で静かに生きたいだけ。」
ヘイワメイカーは問う。
「自然の中で生きるとはどういうことですか?」
マザーラミアは答えた。
「私たちカイジュウは自然の化身だからよ。」
ヘイワメイカーが理解できない様子を見て、マザーラミアはため息混じりに言った。
「本当に何も知らないのね?」
そして、母カイジュウは人類の真実の歴史を語り始めた。
「人間はかつて自然に属していた。しかしある日、自分たちがどれほど弱く、取るに足らない存在であるかを知った。
恐怖にかられ、自然から離れ、都市を築いた。自然が入り込めない場所、神を演じ、全能であるかのように振る舞う場所を作ったの。
だが、都市は人間の力を讃える要塞ではなく、絶望に満ちた牢獄となった。
人間は都市に留まる。それは苦しくても、弱さを認め自然に帰るよりマシだから。」
マザーラミアは語り終えると、去っていった。ヘイワメイカーは都市に戻ると、街に嫌悪と、そこに生きる哀れな人間への同情を禁じえなかった。
数日後、満月の夜。ヘイワメイカーは都市を脱走し、自由を求めて旅立つ。地平線の先にはマザーラミアが待っており、二人は共に自然の中へと去った――カイジュウたちが本当に幸せでいられる場所へ。
この話を楽しんでいただければ幸いです。次の話をすぐにアップロードします。




