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エル ソンリエンテの伝説

これはこのアンソロジーの最新話です。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

ロレンソ・ロペスは20歳のメキシコ人の教師で、ハリスコ州にある「ラ・ルミノーサ」という学校で新しい仕事を始めたばかりだった。

ロレンソはとても風変わりな人物で、いつも映画『となりのトトロ』のトトロのような笑顔を浮かべている。その笑顔は不気味なのに、決して脅すようなものではなく、奇妙でありながらもなぜか心地よいものだった。


さらに、ロレンソは背が低く痩せていて、母親と一緒に暮らしていた。しかも同僚の教師たちと話すと、いつも母親の話題にしてしまう。そして飲みに誘われても、決まってこう答えるのだった。

「すみません、母の世話をしなければならないので。」


しかし、ロレンソの母親はそれほど年老いているわけではなく、まだ55歳だった。

そのため、「ラ・ルミノーサ」に勤め始めて数週間もすると、他の教師たちは彼を陰で「マザコン坊や」と笑うようになった。もちろんロレンソは気づいていたが、全く気にせず、あの笑顔を崩さなかった。ロレンソは知っていたのだ――やがて自分が笑う番になることを。


数週間後、同僚たちは目撃した。ロレンソが、生徒の一人ミネオ・トーレスの母親と並んで歩いている姿を。

ミネオの母は離婚しており、驚くほど美しく、さらに爆乳の女性だった。「ラ・ルミノーサ」の男性教師たちは皆、彼女をデートに誘おうとしたが、全員が断られていた。


最初は誰も信じなかった。きっとミネオの成績の相談をしているだけだろうと。だが、2日後、バラガン教師はこの目で見てしまったのだ。ロレンソがミネオの母の家から出てくるところを。しかも彼女は出勤するロレンソのネクタイを直してやっていた。まるで一晩泊まったかのように。


それだけではない。さらに数週間後、ロレンソはバーから出てきたのだ。隣にはミネオの母、そしてもう一人――クラス2-Bの天才少年、アレハンドロ・アルバレスの母親がいた。

アレハンドロの母は小柄で少しぽっちゃりしていたが、やはり爆乳だった。


そしてその二人は始まりに過ぎなかった。ロレンソは「ラ・ルミノーサ」での最初の一年間で、全ての生徒の母親たちと関係を持つことになったのだ。それぞれが違った魅力を持つ美女たちだった。


他の教師たちは衝撃を受けた。まるでロレンソのあの奇妙で間抜けな笑顔が、母親たちを催眠にかけてしまったかのように。

気づけば、全ての母親たちがロレンソのハーレムとなっていた。


こうして「エルソンリエンテ」の伝説が生まれた。

ラ・ヨローナという幽霊の伝説がある。子供をさらう女の幽霊の話だ。だがその反対に、「ラ・ルミノーサ」の母親たちを虜にする奇妙な男――ロレンソ・ロペス、「微笑みの男」の伝説も語られるようになったのだ。


中には信じない者もいた。あの噂はただの安っぽい「ハーメルンの笛吹き男」のパクリにすぎない、と。

だが私たち「ラ・ルミノーサ」の教師は見たのだ。ロレンソが、私たちがどんなに願っても手に入らなかったものを、いとも簡単に手に入れる姿を。

そして今もなお、どうやって成し遂げたのか、誰にも分からないのである。

この話を楽しんでいただければ幸いです。次の話をすぐにアップロードします。

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