終氷ノ黙示録 第伍話
気分がのったので続きを!
ダルクは振り向き睨みつける、直後唸り声を上げ、残った左腕で地面を強く叩き砕く。その一撃はとてつもない衝撃波を放ち、叩きつけた場所を中心に四方八方に地割れを起こしていく。
異変に気付いたのか、黒い物体は即座に方向転換し、ダルクの方に真正面から突撃してくる。ダルクは咆哮をしながら左腕を使い、両足で踏ん張りながら黒い物体を受け止める。
数百メートルほど移動したところで黒い物体の動きが止まりその姿が垣間見える。
全長十数メートル。見上げるほどに巨大な鋏は、城門すらも容易くひしゃげさせ、重厚な鎧を纏った騎士を馬ごと両断するであろう。黒曜石のように滑らかな外殻の継ぎ目からは、毒々しい紫の魔光が血管のように浮き出ている。天高く伸びる尾の先には、月光を反射して冷たく光る一刺し。そこから滴る一滴の毒は、大地を枯らし夜の静寂を永遠の眠りへと変える。それほどまで巨体でありながら、動きは驚くほど滑らかで音がない。その黒い物体はこう呼ばれる、【月夜を這いずる漆黒の蠍】
ダルクは全身全霊で月蠍を頭上まで持ち上げ、投げ飛ばす。......がダルクは、自身の背中に何かが突き刺さる感覚を覚えた。直後、投げ飛ばしたはずの月蠍が目の前に現れる、否!ダルクは月蠍の毒により幻覚を見ていたのであった。その場で膝をつき体の自由が奪われる感覚が一気に襲いかかる......。
ダルクの意識が無くなりそうになるその刹那、強烈な死気が辺り一帯に充満し、威圧が降り立つ。
「よく耐えたなダルク、あとは任せろ」
魔王の声、救済の到来である。
だが、魔王の威圧すら薄れるほど静かで、断定的な声がその言葉を遮った。
「魔王、あなたの出番はありませんよ」
虚空から滲むように現れたのは、幻影術師キーチ・タイラー。
七魔をも超越する最強の存在であり、魔王軍全てをもってしても倒せない圧倒的な個。
「オムニヘルヘイムを守るのは私の仕事なのでね。まぁ、あなたなら幾千といるただの眷属なら余裕でしょうが、【四節】と呼ばれる4体の上異種はどうかわかりませんね」
四節か四皇帝でまよいましたえ。




