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君の世界  作者: TOMATO
3/10

想いの実

それから、寒い三月は過ぎ去り、彼女と出会ってから二度目の春がきた。


今はまだ彩香とも少しギクシャクしていた。

大丈夫、いつか絶対また元通りになれる。

心には…その思いだけだった。


一方で、彼女………花田未来は相変わらず完璧な少女だった。

今は春休み真っ最中で、全然会えてないけど。

メアドも結局知れていないままだった。

一番気になる子がどうしているのか…知れない日々は本当に辛かった。

――――――――と、その時。

握りしめていた携帯に聞き慣れたメールの着信音が鳴る。

「っと、誰かなぁ~」

ベットに寝転がっていた状態から、ゆっくりとした動作で私は起き上がる。

携帯を開いて着信画面を見ると見たことのないアドレス。

とにかくメールを開いて見てみると、


『お久しぶりです。春休み楽しいね~♪花田未来です。結構待ってたんだけど…メールくれるって言って一ヶ月も経ってたので私からメールさせていただきました☆急でごめんね?忙しかったら返信は別にいいよ~。あ、メアドは彩香から聞いちゃった(笑)』


「…ッ!?み、未来ッッ!??」

嬉しくて声が詰まる程だった。

未来らしい優しい言葉がたくさん並べられたメール内容。

にしても。

彩香からアドレスを聞いたのか…。

なんだか、彩香に申し訳ない気持ちだった。

焦らすなんてことは考えられなかった。

とにかくすぐに返信した。

『メールごめんな;あ、急で悪いんだけど…今日って空いてるのかな?』

みえみえな質問だったけど気にしなかった。

未来に会いたい。休み中、一度でいいから。

頭にはそれだけだった。

未来からの返信は意外にも速いものだった。

『ごめん~~~ッ。今日はこれから塾なの。明日なら空いてるよー☆』

少しガッカリしたが、明日。

それでも会えると思うと幸せだった。

『じゃ、明日遊ぼう?』


その後は遊ぶ約束をして、すぐにメールは終わりになってしまった。

未来は意外と絵文字を使わない子だった。

顔文字だらけの文だったけど、随分と可愛らしいメールだった。

早く、明日にならないか。

ずっとそのことで待ち遠しくてそわそわしているのが自分でもわかった。

考えてみると、未来と学校以外で会うのも初めてだった。


ただ、まだ心の奥に引っかかるものがあった。

彩香の言っていた言葉。

”未来の辛い過去”

何があったのだろう。

どうして彩香は知っていたのだろうか…。

私にも話して欲しい。

そう、思っていた。


「麻友ー!ご飯はー?」

下の階から母親の声が聞こえた。

「今行くー!」

大きな声でそう返すと、カレンダーの明日に赤く丸をつけて私は階段を下りていった。

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