一人と考え
あれから、月日が流れた。
中学にあがってから三度目の春。
相変わらず私は優柔不断で、何も決められていないままだった。
麻友からはあれっきり。
連絡はなかった。
涙はいつも彩香と一緒に居た。
私は、一人。
考え事をするだけ。
そんな時、三年生になったというのに転入生がくるという噂が流れた。
まだ春休み最中だった。
宿題を進めているとメールの着信音が流れた。
「…誰だろ」
あまり気にならなかったけど、一応確認。
すると…、送信者は涙だった。
意外だな~と思いながら内容を見る。
『転入生。本当らしいよ?』
ふうん。
軽い気持ちで、
『誰ー??』
と送り返す。
返信は早くて、何よりも衝撃が強いものだった。
『浦田麻友』
絵文字も顔文字も何もないメールだった。
麻友が…戻ってくる…?
身震いした。
怖いなんてものじゃなくて。
不思議な感情が自分の中で交差していた。
どうしていいのか、本当にわからない。
涙に返信する気も起きなくて、メールはそこで途切れた。
私は、何がしたいのだろう。
麻友のことを思うと胸が苦しい。
涙と話していると、不思議と落ち着く。
寄りを戻す。
それは不可能な相談だ。
そうだ。
だって私は明るい麻友が大好きだったけど。
けど、もう違う。
私が好きなのは、
きっと、そう。
私が好きなのは・・・・