第二十一話「黄金銃× 黄金週○」
桜は完全に舞いちっていた。丁度いい暖かさと若干吹く風が
鯉のぼりをなびかせていた。
そう。今はゴールデンウィーク。五日間という短く、充実した休みだ。
俺はそんなゴールデンウィークの間は
「…お母さんなにやってんの?」
「封筒張りよ。暇なときにできるからやってみたの。」
「どこの昭和時代だよ」
内職を手伝っていた。
これはそんな内職ウィークの間にあった話。
「ぼく、は、こんな、せかいは、ゆるせないと、おもって、いま、す…っと」
適当に作文を書いている俺は佐藤祐樹という。
ゴールデンウィークには一個だけ宿題がでる。それは平和についての作文だ。
なんかかなり大切な物らしいんだけどそんなものは無視して俺は駄々草にした。
皆は真似しちゃだめだよ!Warsはこういうのはものすごくまじめにやってるよ!
「とにかく、じんるいが、びょうどうに、なって、ほしい、です、
ぼくのうちの、おかあさんは、ないしょく、や、やきんを、するほど、
いそがしく、かじもすべて、ぼくが、やって、います、
おとうさんは、かていのつごうで、ふるさとで、しごとをしています、
なのでとてもぼくは、たいへん、です」
あれ…目から汗が…
まぁいいや。自分の思ったことを率直に書いておこう。
さて宿題も終ったところで…今日もゲームをするか。
ポケ●ンをしようポケ●ンを。4Vのストラ●クを狙わなければな…
ピンポーン♪
チャイムが鳴り響いた。
こんな時間に珍しい。いったい誰だろう。
ガチャ
「やぁ初代。なんで来たんだ?そして赤石お前はなぜ扉の後ろに隠れているんだ」
「なんで全部分かるの佐藤君…」
「そりゃだって気っぽいのがでてるしねぇ…」
「出てるわけないじゃん!」
「佐藤よ!分かっているのなら話がはやい!宿題を手伝ってくれ!」
「悪いが俺は固体値厳選で忙しい!」
「どうせ厨パ使ってんならどうだっていいだろ!」
「いいから話を聞いて!」
人の家の前でなんでこんな話をしなけりゃいけないんだよ…
居間ではソファに初代。キッチンに俺。
母の使っているエプロンを着ながら俺はチャーハンを作った。
そして皿に置いて、フライパンを片付けていた。
そのチャーハンを食べながら赤石が話をしていた。
「もう一人転校生が来るみたいなんだ。」
「へー…そんな情報をどこで(もぐもぐ)手に入れたんだ?」
「お前は俺のチャーハンを食ってんじゃねえよ」
俺は赤石からチャーハンを奪い取った。
チャーハンを取られたのは悔しいが、転校生が来るのはちょっと疑問に思う。
「どんな奴が来るんだ?」
「わぁ!半袖半ズボンのせいで裸エプロンに見える!」
「初代…見損なったよ俺は…」
男が裸エプロンって気持ち悪いだろ!馬鹿!
「こ、公園に今いるからあってみれば?」
どもりながら華麗にスルーされてしまったが、
そうか公園にいるのか…
「よし公園に行こう!」
「そうだな!ごちそうさま!」
チャーハンを完全に食い終わった赤石をフライパンでぶん殴ってから
俺たちは家をでた。
公園に行くとそこには赤い髪の長髪の人がいた。
透き通った目にりりしい顔つき、やわらかそうな頬。
女の子なのかな?すっごく美人だ。
思い切ってフラグを立てようと努力するか。
「…えっと…もしかして、君が今度入ってくる転校生?」
「あぁそうだ。俺は 炎野四代 という。よろしく頼む。」
…男かぁ… 一瞬フラグ立てようかなって努力したのに。
「うん。彼が四代君。赤石君のパートナーになるドラゴンだよ。」
「…ハァ?」
何?またドラゴン増えるの?出番の調整大丈夫なのかよ?
「まず第一に赤石。お前宝玉もってんのかよ…」
「ゴールデンウィーク前の登校日の日にもらった。俺はもう能力を
使えるようになった。そして大体の事情も初代に聞いた。
おもしろそうだからな。俺も何か協力できることがあったらするってことで。」
なるほど。優しい奴だ。
「能力は何なの?」
「まだ秘密さ」
なるほど。うざい奴だ。
「さて、それでは約束どおり、勝負をしてもらうぞ。」
「あぁ分かってる四代。」
…ドラゴンと人間が決闘するぅ!?
「おい赤石!」
「どうした佐藤。」
「お前、いつからそんなに心の悩みを持った!」
「何かとんでもない間違いをしているぞ…」
「じゃあ何でそんな自殺行為!」
「一般人がこんなことに首突っ込んでいいとおもってんのか?
お前は実力がある。だけど俺はない。だから四代に勝って
証明させる。」
「・・・」
こいつは強い決心をしている。そいつを折る訳にはいかないでおこう。
「それでは明日の勝負を心待ちにしている。」
そういって四代は歩いて帰っていった。
「で、赤石。お前は何か勝算があるのか?」
「ふふふ、あの7つ道具を使うときがきたのさ。」
7つ道具?と初代が首をかしげていたが俺には分かる。
あの道具のことだ。
「…ついに使うかあれを…」
「あぁ使うぜ…へへへ」
「へへへ…」
初代がオロオロしている。なんなんだろうな。
市民体育館。ここ集合で、勝負が行われる。
「んじゃやるか!四代」と自信満々の赤石。
「お願いします。」と謙虚な四代。
どっちがかってもおかしくない…
「「いくぜぇ!」」
戦いははじまった。
お久しぶり!そしてグッバイ!