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愛されていると信じて  作者: m@ho
2/6

父と母の出会い

豪の父と母はどのようにして出会ったのだろうか

勝と優子は見合いで出会った。

仲人が大学の先生だったのだが、家族の細かな事まではあまり知らされていなく、ここまで春子のワンマンが家族に影響しているとは思えなかったのだ。

権力をかさに自己主張する独裁者である。

全員が迷惑だと思っているが抵抗できる人間がいないのが特徴かも知れない。 

特徴的だったのが、勝との結婚までの経緯である。

10年前の晴れた織田家自宅には、工場新設の為、海外出張の多い源一郎がいないことが多く、春子が家の事を任されていた。

そんな春子が急いで帰ってきた。

 「勝さん、結婚相手を探してきましたよ。大学の染谷教授から豊川さんのお嬢さんを紹介してもらったの。」

玄関に帰ってきた春子を出迎える勝。

「豊川さんって、アパートとかいくつもある豊川さん?」少し驚いて質問した。

周辺にいくつも「アパートヨカワ」の文字を見て、小学校時代にはその文字の遊びが分からなく、ヨカワさんという人がいるのだと思っていた。

「そうなのよ。まじめなお嬢さんで、あまり交友関係も広くないみたいだから、なかなか出会いがなかったらしいの。勝さんの6つ下だから29歳だし、丁度良いわよね。」

「年齢は十分ですね。写真はもらってきましたか?」

風呂敷に包まれたお見合い写真を手渡され、勝は見て驚いている。

「めちゃくちゃ美人じゃないですか。僕には無理なんじゃないかな。」

少し怒ったように春子が言う。

「何を言っているんですか。織田家の跡取りの自覚を持ってください。織田家は代々政治家を支援しているんですから。」

源一郎の叔父が大蔵大臣になっていたこともあり、パーティーに呼ばれることや資金集めのパーティーを手伝うことも多かった。

春子はそんな叔父のいるアパレルメーカーで、順調に売上を上げている織田家を自慢に思っていた。

春子自身は東北の田舎で10人家族の末っ子として生まれ、貧乏生活だった事しか記憶にない。農家であった為戦争時でも食べ物に

困る事はなかったが、戦争が終わった後は闇米として重たい米袋を担いで兄弟と電車に乗って大きな街まで行き、販売したものである。

そんな春子は家族が大事で、他人には厳しいのは、春子が結婚するまでに貧乏な時代があったから節約が根本にある。

しかし、見栄と子供に対してはお金を使う。

勝と優子がお見合いの当日、派手な服で来ている春子を見て、誰しもが相当に気合いが入っている事が分かった。

お見合いの席ではほとんど春子が喋り、源一郎が喋る隙はなかった。

「勝は大学でクラブの副主将をしていたので家に友達が多く来ていて賑やかだったんですよ。皇太子殿下も勝と同級生で、遊びにこられた事もあるんですよ。」

優子は一生懸命に春子の話を聞いているが、勝の顔は少し呆れた感じの顔になっている。

お見合いの場所は赤坂近くの広大な敷地のあるホテルで行われていた。

「若い二人で話して来たらどうでしょう。」

そんな独演会のあとで勝と優子が二人きりになった時、豪の謝罪から始まった。

日本庭園を二人で歩いている。

「すみません、母が喋りっぱなしで。」申し訳なさそうにしている勝。

「いえいえ、お母さんの自慢なんですね。会社で副社長もされているから堂々とされているし、普通の主婦のうちの母とは違うので圧倒されました。」足元を気にしながら話す優子。

「私が修行の為に他の会社に勤務してたんですけど、退職して家の会社に戻った時には、一般企業との差が目立ちましたね。特に大会社にいた私には、中小企業の母親の影響が大きくて、母の会社かと思うくらい母の影響が大きいので大変なんです。父は色んな役職があるので殆ど会社に居ませんからね。少し座りますか?」池の脇に木のベンチがある。

ハンカチを置いてあげる勝。

「ありがとうございます。でも、いいですね。お母さんがいるから安心して仕事ができるお父さまとの関係。家の場合は仕事と言っても資産管理だけなので、父も母ものんびりしています。」

勝は笑った。「色んな家庭がありますね。家には母親のような活発な人間がいるので、優子さんのような優しい方に会うとホッとします。」優子は頬を赤らめた。

庭園から窓際に座っている親同士四人の姿が見えているが、春子の独演会が続いていたようである。

結婚が決まる前、優子の両親の家に挨拶に行ったとき、勝だけではなく、春子も一緒に挨拶に来たのだが、その時、春子は「優子さんだけ来てくだされば、なにもいりませんから。持参金も不要ですので、安心してください」

こう言っていた春子の言葉を優先し、派手に送り出したかった優子の両親の気持ちなぞ、自己中心な春子がわかるはずがなかった。

優子は最後の最後まで結婚については悩んでいた。

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