第四話 次の仲間
奏太1人だけでは負担が大きすぎると実感した相之助。次の仲間探しに出る!
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俺は両親が死んで次の日、すぐ家を出て霊石の奏太と共に、とりあえず仲間探しにと心霊スポットに行こうかなと無計画なことを思っていた………が、家を出てすぐに問題が起こった。
相之助「なぁ、奏太。起きてるか。」
俺はすぐさま霊石袋に話しかけた。すると声だけで奏太は返事をした。
奏太「なんだー?」
相之助「俺の目おかしくなったのかな。それともあの一件以来…頭どっか打ったか?」
奏太「何言ってんの???」
しゅるっと袋から奏太が出てきた。
相之助「これはどういうことだ…?霊がハッキリ見えすぎて、気持ちが悪いんだけど…こんなに沢山の霊が家の近くに居たなんて…スクランブル交差点みてぇだ…」
奏太「…気づかなかったのか?今までも霊見えてただろ?」
相之助「知っては居たが…人間のようにハッキリなんだよ…。まぁ、影は無いが…。おれは見える人間なんだなとあらためて思い知らされる…」
俺の家には親父が張った円形状の結界が家を囲うように張ってあって普通の霊は入ってこられないようになっている。その理由はもちろん。寄ってくるからだ。…にしても、
だからと言って…いくらはいれないからといって…
家を綺麗に丸く囲わないでくれないか…。。。出られん…これじゃまるで、霊のマイムマイムみたいじゃないか。。。
奏太「何怯えてんだよ。早く歩けよ」
相之助「うっ…ウッセェな!怯えてねぇーよ。あ、歩くぞ…」
俺の霊が見える歴なめんなよ!!ってなコンチキショー!!
忍び足…
ーーーーーー5分後。
忍び足…
ーーーーーー5分後。
忍びあ…
奏太「メンドクセェ!!!!このマイムマイムに混ざる気か!?もう!!」
相之助「どうすりゃあいいんだよ。人混みは苦手なんだよ…」
奏太「きみ、泉相之助だろ?堂々としてろよ。」
相之助「は?」
奏太「だぁかぁら!!『俺は泉相之助ぞ!』って言いながら歩ってみろ!!」
な、名前言えってか…!?何言ってんだこいつ…
てか「ぞ」とかいつの時代だよ。
まぁ、言ってみるか… 俺はもうかれこれ変人と言われてきたからな。もうどうってことはない。
俺は歩き進みながら、言ってみた。
相之助「お、俺は『泉 相之助』だぞ!」
すると急に霊たちのざわつきが止まり、相之助が歩くと道を開けてくれた。というよりは避けてゆく…?
相之助「どういうことだ?」
奏太「当たり前だ。わたしは泉と申します。って言っただけで逃げてく霊がほとんどだよ。
理由は霊能霊媒操術者って言っても1人だけじゃないんだけど、相之助くん家は、代々続く由緒ただしき泉家の霊能霊媒操術者族だ。だから、霊能霊媒操術者の泉と申します〜なぁんて言った日には霊たちの間じゃ大騒ぎだ。
特に、相之助くんの父ちゃんは、いうこと聞かない霊は即成敗するって噂が立ってるほどの絶対零度な人。だから泉って聞いただけで、おっかなびっくり逃げてくのさ。」
相之助「あの親父が絶対零度…?あんまり想像つかないな…。俺の親父…何やってんだよ…霊能霊媒操術者界のヤンキーかよ…。」
ん?まてよ???
相之助「おい。そんじゃさ、俺の名前名乗って霊石になってくれる奴って…」
奏太「この逃げっぷりを見ると、そうそう居ないわな」
ガクン…。
こんなに霊がうじゃうじゃいるのに、霊石になってくれる奴が居ないってのかよ…目先が心配だ。
奏太「そう落ち込むなって!必ずいるから!!…んー!例えば、元龍之介さんの霊石でした!って霊とか!!」
相之助「たしかに、知識あるし望みはあるわな」
奏太「そうだよ!」
相之助「で?どこにいんのそいつら。」
奏太「ぴ。…………。」
奏太はめちゃくちゃ考えてる感をだしてきた。
やっぱりな。とにかく肝が座ってる霊を片っ端探さなきゃならんってことだな…。
奏太「あ!1人!!」
相之助「へ?」
奏太「知ってる!!思い出した!!元龍之介さんの霊石だった1人!!!」
相之助「まじかよ!!!どこだどこだどこだ!!」
奏太「たしかぁ…相之助くんちの近くの、『団子のつつむ屋』ってところに住み着いたって聞いたような?…ん?相之助くん聞いてる?」
俺は、よどんだ闇の中から光が見えたようだった。
奏太…まじナイス!!近えじゃん!!たしかそこは………ん?
まてよ…そこって…。
相之助「そこって半年くらい前に火災に巻き込まれて全焼した団子屋か…?」
奏太「そんな!」
相之助「とりあえず行ってみよう!」
俺は急いでバスに乗り込み団子屋近くのバス停に降り団子屋に向かった。ここに来たのは久しぶりだ。懐かしい。小さい頃よく母親と買いに来てたっけ。
………ってあれ?
奏太「その団子屋どこなの?どこまで歩くんだよ。」
おかしい…。バス停からそんなに離れてないはず…。もしかして通り過ぎた…?見落としたか?いや、そこまで大きい商店街じゃないし…
となると別の店になっている可能性がある…。
そしたら、わかんねぇじゃねぇか!!!
相之助「奏太。ごめん。場所わかんねぇかも。」
奏太「なんでだよ!諦めんなよ!」
相之助「だいたい、火事が起こって、その土地を買って別の店になってたら…、俺はわからない。覚えていない…すまん…」
奏太「あぁ。そうゆうことね。」
ん?奏太はやけに冷静だ。
奏太「人に聞きゃいいじゃん。」
相之助「そうか!その手があったか!!…でも人と喋るのは…苦手だ…やだ。」
奏太「相之助くんはどうしたらそこまで人見知りになれるの…。なら、霊に聞けば?」
相之助「もっと無理だろ!!」
奏太「なんで?君は泉くんだろ?」
そ、そうだな。どこまでも女々しいこと言ってらんねぇよな!
相之助「俺は腹をくくるぞ。奏太。みてろよ!!」
奏太「おお!相之助くんが急に頼もしくなった!!」
相之助「す、すみませーん。半年前くらいに焼けてしまった団子屋って今どこですかね?」
おばさん「んー??」
奏太「って!!生きてる人間に聞くんかい!!めんどくさっ!」
おばさん「あぁ!あの、つつむ屋さんかい?」
相之助「そうですそうです!」
おばさん「あーそれならね、今『土産屋さくら』っていう土産屋になってるよ!こっから100メートルほど歩ったところだよ。」
奏太「!?」
相之助「そうですか!やっぱり通り過ぎてた!
ありがとうございます!では!」
よっしゃあ!!俺、やればできんじゃん!!そんな俺をみて奏太は見直したような顔をしてるしな!
相之助「な!聞いたろ!?行くぞ!」
奏太「まって。」
相之助「え?」
なんだ?情報はちゃんと聞いた。そこに知り合いがいるんだろ?何かあるのか?
奏太「その団子屋さん半年前に焼けてなくなって今は土産屋さくらなんだよな?」
相之助「それがどうしたんだよ。」
奏太「その団子屋にいた元龍之介さんの霊石、姫花って名前なんだけど、姫花が龍之介さんのところに来たのが僕が生まれる前で、来た理由が住み着いていた場所の『火災』…」
相之助「なんだって!?」
奏太「うん。強い霊が姫花より前に住み着いてて、そいつが悪さしはじめて、怖いから逃げて来たとたん火災事件…とか言ってたような…。」
相之助「つつむ屋火災事件の前にも同じ場所で火災が!?どうなってるんだ!?」
奏太「そしてここまで来る途中に嫌な感じの店があった。その店の名が『土産屋さくら』」
相之助「!?」
なに!?その霊が二度も悪事を犯していると!?そんなの怨霊かなにかじゃねぇのか??ほっとけねぇな!
相之助「奏太!急いで行くぞ!!」
奏太「あ、うん!!」
俺は急いで土産屋に向かった。
なんだか心当たりあるような…。あの団子屋には1人で行ってはいけないよとは母親から言われていた…。俺は幼い頃から見える体質だったから、あの霊かな?とは思ったが、俺が見た時にはそんな怨霊には見えなかったんだけどな…
相之助「っ!!ここかぁ!!」
なんだここは…黒いような、紫のような、よどんだモノがうようよと入口の引き戸の隙間から漏れ出している。
奏太「これはタダならないね。怨念が。」
相之助「あぁ。飛び込むぞ!!お前は一応石に戻れ!」
奏太「わ、わかった」
奏太はすぐに袋に戻った。
あの女の怨霊と戦って以来俺は感が少し鋭くなったようだ。怨霊とただの霊の違いくらいわかる!!!
ガラガラッ!!
土産屋亭主「…い、いらっしゃい。久しぶりのお客さんだ。中へ入んな。」
くっ…この亭主…取り憑かれてる…!!しかもこの霊…幼い頃見た霊と同じだ!!なんであの時怨霊だと気づかなかったんだ…!?
俺は袋から奏太を取り出し左手に握った。そして、怨霊に気づかれないように、手から奏太とテレパシーで会話した。
相之助(奏太。聞こえるか。)
奏太(テレパシーね。さすが泉家。で?この怨霊に見覚えがある顔してるけど?…それから…あんまりその怨霊見んなよ。気づかれるから。)
相之助(わかってる。…小さい頃ここの団子屋に母親と買いに来てたって言ったよな。その時からこいつは居たんだ。いつもおんなじところに。呪縛霊か?だけど、今見ると人に取り憑いてるって事は自由に動き回れるようになったってことか!?ただの怨霊じゃない?…なぜ団子屋に通ってた頃気づけなかったのだろう。俺がまだ幼かったからか…!?
くソ!!だから母親は1人で買いに来てはダメと言って来たのか…)
奏太(そんな使命感は自分を苦しめるだけだよ。あと、お母さんの話、違うと思うよ。ここの地区はやたら霊が多い。だからお母さんは霊を引き寄せる相之助くんを心配しただけだと思う。問題なのは、その団子屋時代より前から居たという、この呪縛霊。
僕の記憶と相之助くんの話をまとめると、『昔はただの呪縛霊だったのに火災をキッカケに住み込み怨霊になった』みたいな言い方だね?)
相之助(団子つつむ屋の火災事件…その火災事件よりもっと前にも火災事件…。
この霊に何があったんだ…?この霊が仕組んだことなのか!?)
土産屋亭主「どうしたんだい?疲れてるのかい?」
相之助「はっ!!い、いえ…。」
土産屋亭主「遠くから来たのかい?見ない顔だね」
相之助「あ、隣地区から来た者です。」
土産屋亭主「へぇ!ありがたいねぇ。こんなに若い方がこんな商店街に買い物に来てくれるなんて。
私はね、すすけて来たこの地区に活気が戻って欲しいと…。売地だったこの土地を買って自営業を始めた。だが…あの火事のニュースの風化からかな…全然客人が来てくれなくてね…。恥ずかしくも祝日でもこんな感じさ。」
相之助「そんなことないですよ。俺、小さい頃この火災にあった団子屋によく母親と来てたんすよ。無くなったと知ってショックでしたが、違う店になってたと聞いた時嬉しかったんですよ。思い出の場所が何もない土地になってるなんて嫌ですからね。」
土産屋亭主「はっはっは!嬉しいこと言ってくれるねぇ。そんなこと言ってくれたら嬉しすぎて、前の団子屋の亭主が喜んで空から降りて来ちまうよ!」
奏太「!?」
相之助「!?い、今なんて?」
土産屋亭主「あぁ。すまん。ご存知なかったのかい?火災の件で、一命はとりとめたんだけど…その後すぐに亡くなってしまったんだよ…」
何てことだ…あの団子のおじちゃん死んだってのかよ…
奏太(相之助くん!取り乱さないで。徐々になんだけど、怨霊がこの団子屋の話をした途端に両手を亭主の首へと、向かっている!!この動作は…首絞め…!?)
やばい…ほんとだ…話に夢中で気づかなかった。手が首に回っていくっ!!!これ以上は!!
土産屋亭主「本当に大丈夫かい?あ!これも何かの縁だ。私は桜木だ。君は?」
さくらぎ…だから店の名前が、土産屋さくら。
怨霊を、見ないように桜木さんの顔見るのは結構厳しいな…。。。
相之助「俺は、『泉 相之介』です。」
怨霊の手がピクッと止まった。
奏太(お、名前が効いた?せ、セーフなのか?)
桜木「泉?泉って言うと私の同級生に1人いたな。君の名前にも似ている…確か…顔も見覚えが…。」
相之助「え!まさか!!」
桜木「たしか…
…泉………りゅう…のすけ…??がぁっ!!!!」
怨霊が桜木さんの首を絞めてきた!!。やばい!!
奏太「相之助くん!!!」
相之助「あぁ!!行くぞ!!!」
桜木「急に息苦しく…はぁはぁ…ぐうっ!!!」
相之助「桜木さん!!今は呼吸をする事だけを考えて!!今助けます!!」
左に握っていた奏太を瞬時に劔に変幻させた。
奏太「僕は人を切れない。安心して。」
相之助「んなことは分かってる!!!!」
桜木「な、なんなんだね!!!!!」
桜木さんは、劔を持って自分に寄ってくる俺に怯えてガタガタ震えていた。すみません。でも大丈夫ですから!!!
俺はまず怨霊の手をスパッと切り取った。
怨霊「ぎゃぁぁぁぁー!!!!!」
桜木「はぁ…急に息が軽く…」
相之助「急いで桜木さんはあっちに隠れて!!!!」
桜木「え!?は、はいぃ!!!」
桜木さんは一目散に奥の部屋へ逃げていった。よし。これで戦いやすくなった。怨霊は痛がってる。俺は切り離した腕を劔で切り裂き、これでまず腕だけ消し去った。残るはっ!!
怨霊「いずみぃぃ…!!!いずみぃぃ…!!!」
何なんだこいつ…俺の親父に怨みでもあんのか!?
ひどい姿だ…性別すら判別できねぇ。幼い頃見た時もうっすらだったからな…
奏太「男だよ。」
相之助「お前わかんのか!!」
とにかく!!こいつを早く成仏させなければな!!
この怨霊は動けないみたいだ。今のうちだ!!
相之助「悪く思うな男…。仕事なんだ。どんな理由であれ今生きてる人を苦しめちゃダメだ。その裁きを受けよ!!」
怨霊「いずみぃぃ…!!!!!!!!!」
俺は人差し指と中指をくっつけて怨霊を指した。
そして、成仏呪文を唱え、一気に怨霊の溝一直線に劔を差し込んだ。
怨霊「ぎゃぁぁぁぁー!!!!!」
怨霊は光り輝きながら消えていった。…ふぅ。
奏太「お疲れさんっ!今回は呪文を?」
相之助「前回は呪文なんて必要なかったからな。『ありがとう』が呪文みたいなものさ。でも今回は理由はどうあれ、ただ人を苦しめていた。それは許せないこと。だから、罰として成仏呪文を唱えさせてもらった。」
奏太「へぇー!んじゃ俺にその呪文かけたら俺も強制的に成仏させられちゃうの?」
相之助「あぁ。もちろん。だが、苦しむぞ。無理矢理成仏だからな。地獄への呪文かもしれない。」
奏太「ゔっ…」
相之助「それにお前は、俺が死ぬまでずっと一緒だ。お前は俺が守る。1人の友人として。」
奏太「ったりめーよ!!」
奏太は嬉し恥ずかしそうに笑った。そして霊石袋に戻った。
すると奥から、こそそっと音が聞こえた。
相之助「桜木さんっもう隠れなくとも大丈夫ですよ」
桜木「ほおぉ!なんか体が軽くなったし、お店が明るくなったように感じるぞ!泉くん、なんかしたんか?」
相之助「俺、霊感が少しあって。ちょっと追っ払っただけっすよ!」
桜木「ほぉ!君もなのか!」
相之助「桜木さんも霊感が?」
桜木「いやいや私ではなくて、君のお父さん、泉龍之介さんの事だよ!」
相之助「ああ。なるほど。」
桜木「そういえば!ここがまだ団子屋だった時、泉さんが来た瞬間団子が売れるようになったっていう話を聞いたことがあるんだ!!」
え。
桜木「泉くんが来てくれたなら私の店もお客さんが来てくれるようになるかもね!ははははは!」
桜木さんは冗談交じりに笑ってた。
…あの霊、やっぱり始めっからじゃなくて、団子屋時代に怨霊になったってことか?そしてあの怨霊に気づいた親父が結界を張った…こう考えると辻褄が合う。
俺が幼い頃怨霊に見えなかったのも力が抑えられていたからと考えられる…
でも、なぜ成敗しなかったんだ…?
する程でもなかったってことか?もしそうだとして結界だけ貼ったとするならば、、その結界を張った奴、親父が死にかけた時、同時に結界の力が弱まって結界を食い破ったのかもしれないな…。
…あの絶対零度の親父が手を下さなかった怨霊だ。やっぱり当時はそこまでじゃなかったと考えるのが妥当だな…。
うん。俺はこれから出会う、生きてる人を傷つける悪霊には容赦しないと決めた。甘い判断がこんな事態を引き起こしかねないからな…。
そして俺は、桜木さんと少し会話をしてから記念にと饅頭を買った。桜木さんは、ありがとうまたおいで!と俺を見えなくなるまで送ってくれた。優しい人だったなぁ。まさか親父と同級生とは…
で結局…新たな霊石になりうる霊はいなかった…。
奏太が袋から出て来た。
奏太「相之助くん。何か言いたげだな。」
相之助「当たり前だ。その姫花ってやつ居なかった。」
奏太「そうだなぁ。たしかにあの店には気配を感じなかった。霊石解放後、元の場所に帰ったけどあの怨霊怖くてやっぱり違うところに行ってしまったかもな。」
相之助「普通はそうだな。俺でも逃げたくなるほどの怖さだったぜ。」
奏太と俺は、はははっと笑いあった。すると奏太がふと振り返った。なんか居るのか?
振り返ると女の霊が立ってた。
奏太「居た。姫花」
相之助「えええ!?お前が姫花か!元、俺の親父の霊石だったっていう…!?」
姫花「はい。そうです。苗字は忘れました…。
泉さんなの?お父様に良く似てらっしゃるわね!」
というと姫花はほほえんだ。
なんだよ。奏太が『姫花、姫花』って呼び捨てにするからてっきり奏太くらいの年かとおもったが、見るからに25歳くらいの…茶色の毛が印象的な…べっぴんさんじゃねぇか。
奏太「こいつが姫花。茶色の毛は地毛だそうだ!
綺麗だろ!美人だろ!」
相之助「お前なぁ!!…まぁたしかに?美しい人……だな?」
姫花「まぁ!お世辞でも嬉しい!性格はあまり泉さんと似てないのですね?貴方はちょっぴりツンデレ?」
奏太がギャハハ!っと指差して笑った
相之助「ウッセェ!!…で、会ってすぐで申し訳ないんだが、姫花さん、親父の次に、俺の霊石になってくれないか?奏太だけだと何かと不便だし、第一、奏太の負担が大きい。だから」
姫花「もちろんです。そのために出て来たようなものですからっ」
こ、この人は女神か。本当に嬉しい…。
相之助「あ、ありがとう!」
俺は嬉しくて姫花さんの手を握った。暖かい…はっ!
姫花さんは微笑みながら光り輝き、綺麗な丸い形の薄ピンク色の石になった。
相之助「え!?霊石によって形も色も違うのか!?」
奏太「うんそうだよ!」
と、奏太も石に戻って俺の掌の上に乗った。
2つ並べて見ると、花豆のような白い石と、囲碁の石ような綺麗な丸い形の薄ピンク色の石、大きさも、色も、感じる霊力も、違う。それこそ十人十色だ!
相之助「にしても姫花さん?」
姫花「姫花でいいです。私はあなたのお供であり、相之助さんは私の主人ですから。」
相之助「あ、あぁ。分かった。姫花はそんな簡単に俺の霊石になっていいのかよ。」
姫花は「どうしてそんなこと聞くんですか?」
奏太「霊石、いわゆる主人を身を持ってお守りする『忠誠心』を会ってすぐに抱いていいのか?ってことじゃない?」
相之助「そ、その通りだ。」
この小学生エスパーか。
姫花「当たり前じゃないですか。相之助さんは泉さんの息子さんでいらっしゃる。それに、あのお土産やさんの怨霊を成敗しているところを拝見させていただきました。」
相之助「み、見てたのか。」
姫花「はい。見てました。そしてすぐにおもったのです。私は相之助さんの霊石になりたいと。
正直、貴方のお父様の成敗の仕方はあまり好きではなかったので…。相之助さんの華麗で無駄のない成敗法を見た時に、すぐ、泉さんを超える霊能霊媒操術者だと確信しました。」
そ、そんなまっすぐに褒められると照れるな。そんなに俺凄いのかな?そんなに俺、親父より強いのかな!?
奏太「あんまり自惚れんなよ。」
相之助「だぁー!!!すぐに引きずり落とすな!」
姫花「いいえ。…自信を持っていいですよ。貴方は『泉』を語るのにふさわしき人物です。この私が見据えた主人様です。」
相之助「あ、はい…」
姫花「奏太さんも私と同じ考えをお持ちだと思われますが?違いますか?」
奏太「な、なんだよ…。僕はとっくに認めてるから相之助くんの霊石になったんだよ。当たり前のこと言うなよな。」
相之助「お前ら…ありがとう。大切にする。」
石の姿だが、2人の表情が手に取るようにわかる。いや、実際手に持ってんだけどさ。
姫花。新しい霊石も増えた。次はどんな試練が待ち構えていようと大丈夫な気がした。
姫花「ところで、相之助さんは霊石によって得意分野が違うことをご存知の通り、私の得意分野はですね、」
相之助「ちょ、ちょっと待て。し、しらねぇ…。」
姫花「え!?泉さんなのに!?」
ゔ。
奏太「こいつ、昨日、霊能霊媒操術者になったんだよ。さらに、親父さんからは護身術しか教わってないときた!ギャハハ!」
くっそー…無知の知は辛い…
相之助「お恥ずかしくもその通りです…。」
姫花「なのにあんなことをすんなりと…?」
相之助「え?」
奏太「だろー!?そう思うだろー!?ありえないよなぁー!ギャハハ!」
姫花「正直…ありえないです…。驚きです…」
…俺の掌の上でお前らは何を話してるんだ…。
そして俺の無知さを語り合うんじゃない…。
俺はまだまだ知らないことが多いようだ…
ぐぬぬぬぬ…!!おやじぃぃぃー!!!
つづく。
第四話もありがとうございました!
姫華が仲間になった。
そして霊石の能力について明かされる第五話もよろしくお願いします!