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ゼロと魔書の禁忌世界  作者: つきのわく
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プロローグ 少年と謎の少女

初めて小説をつくったので誤字、脱字、文法的におかしいところやシステムが上手く使えてなかったらすみません。



ドカーン、派手な爆発音と共にため息混じりの女性の声が聞こえた。


「…お前いい加減諦めろよ。」


あきれ顔で師匠であるルイラ=ミューズが言った。


「…はぁ…はぁ…何で何で僕には本が与えられないんだよ!?」


倒れこみ悲痛な顔でユウ=カグルスは叫んだ。

その表情を見ていたルイラは少し悲しそうな顔をしてユウに近づこうとしてユウが声をあらげた。


「世界トップクラスの魔導書使い(プレイヤー)のルイラにはわからないじゃないか!」


感情のままに言葉をルイラにぶつけた。こんなことは八つ当たりだとわかっていた。それでも少年であるユウにはその感情をぶつける相手がほしかったのだ。


「ユウ…もう諦めよう。契約儀式を何度やっても残酷だが結果は決まってるんだ。それに、お前もう身体も魔術回路(マジックパス)も限界だろ。だから…。」


ユウの今の状態を一言で表すと全てにおいて限界を迎えていた。立つことさえマトモに出来ず全身が痛んでいる。こんなことことになる儀式をユウは半年も続けている。


『契約儀式』それは簡単にいえば自分だけの魔導書を手に入れる儀式である。この世界のほぼ全ての人が契約儀式を行い魔導書と契約している。儀式を行うと身体と魔術回路に多大な負担をかける。そして何より契約儀式は必ず一回だけで契約が完了する。それは、どんな魔導書でも例外ではない。もし例外が有るとするならばそれは、魔導書と契約出来ない者達がいるということだ。しかし、そんな者達など滅多にいない。ほぼ全ての人は自分だけの魔導書を持ち生活している。魔導書を持っている者達を魔導書使い(プレイヤー)。持ってない者は無能者(ゼロ)と呼ばれる。


ユウは後者の無能者だ。しかしユウは自分が無能者であることを認めず何度も何度も契約儀式を行っている。


「…うるさい。また一週間後にやる。」


「…まだやるのか?残酷だがお前は魔導書と契約出来ない。最初の一回で契約出来なかった時点でもう見込みはない。絶対だ。」


残酷に現実を言い放ったルイラの顔は少し悲しそうに見えた。ライラは毎日毎日、魔導書との契約を諦め切れず自分の身体に負荷をかけているユウに契約儀式をやめてほしかったのだ。出来ないとわかっていることに挑んで身体を壊すのは愚者がやることだ。


「いい加減に認めろ。お前は無能者(ゼロ)だ。ゼロがどれだけ儀式をしたところで魔導書使い(プレイヤー)になれない。これは世界の理だ。」


「っ‼……………………」


その言葉を聞いた瞬間、ユウは屋敷に向かって走り出した。泣いていなかったが悔しそうに顔をしかめていた。 


「強く言いすぎたかな?…全く何があいつにあそこまでさせているのかね?」


一人気になっていたことを呟いた。


ユウにはプレイヤーとして戦えなど一切言っていないし魔導書使い(プレイヤー)でなくてはいけないなども言っていない。そもそもユウがなぜプレイヤーなりたがるのかも理由も知らない。自らの身体や魔術回路をボロボロにしてまで魔導書を求める理由がわからないのだ。


(まぁ、私としてはあまり傷つくことをしてほしくないな)


そんなことを考えていると、ユウが屋敷から手を振りルイラに駆け寄って来ている。


「ルイラ~。僕お腹減った。ご飯つくってよ~。」


「はいはい。ていうかお前切り替えが早いな。まぁ物事を引きずらないのはいいことか。」


ユウの切り替えが早いのはいつものことだ。いつも落ち込んだと思ったらすぐに立ち直る部分はある種の才能なんかもしれない。



「ユウ。お前どうして魔導書使い(プレイヤー)になりたいんだ?お前が契約儀式を始めて半年が過ぎたが私はどうしてお前がプレイヤーにこだわるのか分からないんだ。嫌じゃないなら理由を教えてくれないか?」


ユウは少し悩むようにして頭をポリポリと掻きながら恥ずかしそうに言った。


「…どうしても助けたい人がいるんだ。でもその人を助けるためにはどうしても魔導書の力がいるんだ。だから僕は魔導書使い(プレイヤー)にならないといけないんだ。」


ルイラはユウの拍子抜けな返答にある意味驚きを隠せなかった。人を助けたいのであればルイラに言えばよかっただけの話なのだ。ルイラは世界の中でもトップクラスの魔導書使いなのだ。それは自他共に認めている事実である。なので素直な疑問をルイラは浮かべた。


「そんなことなら私に言えばイチコロでじゃないか。何でもっと早く言わなかったんだよ。まぁいいや。で、お前の助けたい奴は何処にいるんだ?私なら確実にそいつを助けてやれるぞ。」


「いや、いいよ。僕が助け出すって約束したんだ。」


「約束…。そうか。まぁお前が契約儀式を半年も続けてる時間があったんだ。一刻を争うわけでは無さそうだな。でもまぁ、もし無理なら私に相談しろよ?」


ルイラは微笑を浮かべユウの成長を密かに喜んでいた。


(こいつも人を助けたいと思ってを力を持とうと努力してるんだな。)


「ルイラ。そんなことよりお腹空いた。ご飯作ってよ。」


「あぁ、そういえばそうだったな。さて、何を作ろうかな…。よし、今日はユウ、お前が好きな料理を作ってやろう。」


「本当に!?やった‼」


嬉しそうにはしゃぐユウを見てルイラは微笑みを隠せなかった。




一週間後


「もし今回も契約儀式が成功しなかったらもう儀式しないよ。」


「!?…急にどうしたんだ?」


半年間ずっと諦めずに儀式をやっていたユウが初めて自分から今回失敗したら諦めると言った事にルイラは久々に驚きをあらわにした。


「これ以上は、ルイラに迷惑とか心配を掛けるのは良くないと思ったから…」


申し訳なさそうに話すユウの声は徐々に語尾が弱々しくなっていった。


「…そうか。お前が決めたことなら私がとやかく言うことはない。」


「うん。契約陣の準備はもう終わらせておいたからすぐに出来るよ。」


契約儀式をするのに必要な契約陣を描くのは特殊な触媒や手順が必要だがユウは半年間同じ事を繰り返していたので契約陣を全て自分で描けるようになっていた。ちなみに特殊な触媒はルイラの魔導研究室にあるのでそれを使っている。


「わかった。なら早く契約陣の真ん中に行け。」


「うん。」


ユウはてくてくと契約陣の真ん中に向かって歩いていく。そしてユウが契約陣の中心に立ったのを確認してルイラは契約儀式の詠唱を始めた。ちなみに契約儀式は一人では出来ない。契約儀式の詠唱にはかなりの魔力と特殊な発声方法が必要だからだ。


「彼は世界と契約する者。彼はこの世界の理を変える者。我らプレイヤーの力を継ぐ者。彼の望みを叶える魔導書よ、顕現せよ!」


詠唱とともに契約陣が黒く輝きだした。


「!?」


ルイラはありえないという表情で契約陣の輝く色を見ている。


(なぜだ!?本来契約陣はそいつに合った属性の色で輝くはずだ。それに黒色だと!?。黒色で表されるの属性なんてない。じゃこの契約陣の光は一体なんなんだ?いや、こんなこと考えてる場合じゃない!)


爆発音が響いた。契約陣全体が煙に包まれた。


「おい!ユウ!!大丈夫か!?返事をしろ!ユウ!!」


ルイラの必死の呼び掛けに答える声はない。


「くそ…『風よ』」


ルイラが風を操る魔法で煙を全て吹き飛ばすとユウが倒れていた。


「ユウ!大丈夫か!今回復魔法を…!?」


そしてユウに近づいてルイラが回復魔法を掛けようとしたときその存在に気付いた。倒れているユウのすぐ隣に白いワンピースのような服を着た少女が立って倒れているユウを見ている。その少女を見たときルイラの今まで魔導書使いとしてのの経験が告げていた。こいつは今まで自分が見てきたロクでもない奴らの中では比較対象が見当たらないほどの異常性を持っているのだと。その少女は白いワンピースのような服に灰を焼いたと思わせるほど白く長い髪、そして禍々しいほど赤い瞳をしている。常人であれば人としての生理的に耐えられず正気を失う者も出てくるだろう。そ何より異常なのは少女が手に持っている物だ。少女が手に持っている物それは骸骨だ。人間の頭蓋骨だ。それを持っている。両手で大切な物を貰った子供のように。


ルイラは


「邪魔だ!『吹き飛べ』!!」


ルイラはその少女に向かって当たったものを否応なく異空間に吹き飛ばすSランク魔法のスペースアウトがユウに当たらないように範囲を小さめに指定し少女に放った。


その少女は何かを感じとったのか手を前に伸ばした。すると辺りに轟音が響いた。


(な…ん…だと…!!)


ルイラは驚きを隠せなかった。確実にスペースアウトはあの少女に当たった。筈なのに少女は何事も無かったかのように目の前に立っている。だが目の前にいる少女はルイラの方を全く見ていない。あれだけ強力な魔法を放ったのにも関わらずだ。そしてルイラはあることに気付いた。

はじめからあの少女はユウをユウだけを見ていたということに。

そして少女が初めて動いた。いきなり今まで大事そうに持っていた骸骨を跡形もなく魔法によって破壊したのだ。そして少女は倒れているユウのそばでしゃがみこみユウの胸に手を置いた。


「~~~」


そして少女は何かを呟いた。何を言ってるのかルイラには聞き取れなかった。


その言葉が呟かれた瞬間ユウは自分の意識が無理やり暗闇から引き上げられているような感覚を味わっていた。

目が覚めた。そしてユウの頭上に初めて見る少女の顔がある。その少女はユウに顔を近づけルイラには聞こえない声でしかしユウにははっきり聞こえる声でこう言った。


「私だけのユウ君。ユウ君がこの世界の裏側に辿り着く日が来るその時まで私はユウ君の力としてずっと傍にいるからね。」


ユウにはその少女が何を言っているのか全くわからない。おそらく理解しようとしても理解出来ない話だろう。ユウは勝手にそう結論をだした。


(あの子が言ってた言葉の意味は次起きたときに考えよう。そんなことより今は眠い。)


再び暗闇に落ちかけている自分の意識をユウは拒む事もなく静かに受け入れた。





















どうでしたでしょうか?

楽しんでくれたていたのなら幸いです。

次回の投稿がいつになるかはまだわかりませんがなるべく早く上げたいと思います。

良ければアドバイスやコメントをくれると嬉しいです。

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