涼の過去と天音と [月視点]
私は 神無 月、警察官の娘だ。彼を知ったのはほんの偶然だ。
道を歩いてる時だった。涼という美少年が私に
『俺を庇って親友が襲われてるんだ!!助けてくれ!!』
と言ってきたのが始まりだった。彼いわく、告白を断ったら襲われて、親友がその少女のナイフを受け流しているとのことだ。
名前は 坂上 天音、らしい。
この名前は有名だ。何故なら彼は剣道の全国二位の人だからだ。彼が剣道を始めたのは二ヶ月前、始めて一ヶ月で私の弟と戦った。
私の弟は 神無 翼、小学生からずっと一本も取られずに全国一位の最強の選手だ。
だけど一ヶ月前、始めて弟が一本を取られた。だがやはり天音は負けてしまった。
弟は
『アイツこそ本当のライバルだ!!アイツを倒すことが生き甲斐だ!!』
っていって最近、練習の量を二倍に増やしていた。
そんな弟にとっての生き甲斐の彼がいなくなっては困る。そう思ったので美少年に私の護身用の拳銃を渡した。
すると彼は走りだし、すぐに消えてしまった。
それから二年の月日がたった。
私は先生に頼まれて教材を運んでいた。
「きゃっ!!」
私は階段でコケて落ちていく。
ドン!
という鈍い音が聞こえたが痛くなかった。それどころかとても心地よかった。
「痛っつ~…………大丈夫か?」
声が聞こえる。私が声のした方を見ると美少年が私の下敷きになっていた。
正直いって凄いドキドキする。何だろう、この気持ち……はっ!そう言えば…
「………ごめん」
私は慌てて謝る。
すると聞いたことのある声が聞こえる。
「天音、大丈夫か?」
そう。いつぞやの美少年だ。
「………え?………前の人」
私が言うと彼が言う。
「あっ!この前のコミュ障の人」
失礼な……コミュ障じゃあありません。
すると私の下敷きになってた美少年が言う。
「ああ。涼が言ってた人か!前はありがとう、助かった。俺は 坂上 天音だ。よろしく」
はわわわわっ///どうしよう!天音がよろしくだって///
「………神無 月……よろしく//……」
名乗ると彼が反応する。
「神無 月って……あの 神無 翼の姉貴か?」
と顔をグイッと近づけてくる。
「っ~~~~~~~~~~~~///!?」
私は思わず逃げ出した。
天音の顔、かっこよかったな//♪
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