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交差する四人の恋物語  作者: 月夜ムラクモ
一章
3/7

葵と涼 [葵視点]

次は葵視点です

私は西条 葵、悟り妖怪。できるなら普通の人間に生まれたかった……


心を読めるということは見たくもない人間の醜い心を見なきゃいけないと言うことだ。


この力はコントロール出来る。いや、出来たの方が正しいだろう。


昔まで私は極力心を覗かなかった。人にもプライバシーというものがあるから…


しかしそれが失敗だったのだ。私はレイプされた。私は信用していた男友達に裏切られてしまったのだ。

いや、裏切られてなんかいない、最初から友達なんかじゃあなかった。


そのときから私は常に他人の心を覗いていないとだめになった。


私はとても悲しかった、悲しくて、悲しくて、毎日公園で泣いていた。


そんなとき、私に救いの手を述べてくれたのが涼だった。

本人は忘れているかもしれない、だけど私は三年前に涼がかけてくれた


『何があったかはわからないけど泣くな。いつかきっと良いことがあるから』


という言葉が私を救ったのだ。


その出来事から三年後、私は涼と再会した。しかも涼とは同じ学校のクラスだったのだ。


……だけど今の涼は昔みたいに希望にみちあふれた心じゃなくて、絶望に染まっていた。


だけど……心は綺麗なままだった。昔と同じ、少しの汚れもない綺麗な心。


だから私は誓った。あの日、私に声をかけてくれた、格好良くて、優しくて、希望にみちあふれた涼に戻すと。


そう決めた私はいつも授業を屋上で休んでいるのに、なぜかテストは全部満点の涼のもとへと向かった。


…………授業?そんなもの知りませんよ。涼の方が百万倍大事です。



◆◆◆◆◆◆◆◆


とうとう来ました、屋上の扉の前です。


私は大きく深呼吸をして呼吸を整える。


よし!!


私は勢いよく扉を開けた。


そしてそこにいたのは………空を見上げる涼の姿だった。


その姿はとても格好良くて、とても悲しそうだった。


その姿を見た私は固まってしまった。しばらく固まっていると涼がとても低い声で言った。


「おい」


「ヒィ!!」


思わず声をあげてしまった。そしてあまりにも緊張してしまい


「な…なななな、なんでしょうか!?」


といかにも怖がっているような返事をしてしまう。


おそるおそる彼の心を覗くと彼はこう考えていた。


『………俺ってそんなに怖いかな?』


涼は怖くなんかありませんよ!とても格好いいです!!だから


「べっ…べつに怖くてこうなってる訳じゃあありませんから……」


そういうと彼は


「じゃあ何で?」

       と訪ねてくるので、私は


「それは………涼さんが格好いいからです」


と言ってやった。

けど彼は無表情のままだった。


何で無表情なの!?私に格好いいって言われた奴は大抵デレッ//として鼻の下を伸ばすのに!!


そう思い私は彼の心を覗く。


『嘘をついているのがまるわかりだ』


          ……どうして彼はこんなに人を信じれなくなってしまったのでしょうか?


取り敢えず信じてもらうために訂正しておきます。


「う…嘘じゃないですよ?」


そういうと彼は


『心を読まれている気しかしない……』


    と考えてるじゃあありませんか。


ヤバイ……と考えてると彼がこんなことをいってきました。


「お前だって可愛いじゃないか」


「っ~~~~~~~~~~~~~///!?」


すごい…!好きな人に可愛いと言われることがこんなにも嬉しいなんてっ…!

蕩けてしまいそうです。


するとここで気づきます。凄く顔が熱い!!これじゃあ顔が真っ赤ですよ……

かくなるうえは……


「うん。すごく可愛い……「失礼しました!!」」


逃げます。


去り際に彼がなにかいってましたが何も聞こえませんでした。


…………えへへ…涼が可愛いって///


それから今日はずっと涼の『可愛い』が頭から離れずに授業にも集中できずに廊下に立たされてしまいました。

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