葵と涼 [涼視点]
主人公を天音から涼に変えました。
「お~い!涼」
そう呼ぶのは西条 葵、『妖怪』だ。
「ん?誰に説明してるの涼?」
今のでわかる人もいるかもしれないが彼女は『悟り妖怪』だ。
悟り妖怪を知らない人も居るかもしれないので説明するが、簡単に言うと心が読める妖怪だ。
「うん。そんなのどうでもいいから早く行こうよ、涼」
そして俺は今日、葵と出かけることになっている。何故こうなってしまったのかの経緯をお伝えしよう。
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遡ること一週間前、俺はいつものように授業を屋上でサボっていた。するといきなり、俺以外誰も来るはずのない屋上の扉が開かれた。
扉の先にいたのはうちのクラスで一番の美少女がいた。
名前は………何だっけ?
取り敢えず俺は声をかけた。
「おい」
「ヒィ!」
俺が声をかけると彼女は怯えてしまう。
「な…なななな、なんでしょうか!?」
………俺ってそんなに怖いかな?
そう思っていると彼女はまるで俺の心を読んだかのように言う。
「べっ…べつに怖くてこうなってる訳じゃあありませんから……」
「じゃあ何で?」
「それは………涼さんが格好いいからです」
嘘ついているのがまるわかりだった。
「うっ…嘘じゃないですよ?」
何故だろうか、彼女にさっきから心を読まれてる気しかしない……
でもそれを言うなら……
「お前だって可愛いじゃないか」
「っ~~~~~~~~~~~~~///!?」
まるで意表をつかれたかのように、顔を真っ赤にさせているのが可愛くてもっとからかいたくなってしまった。
「うん。すごく可愛い……「失礼しました!!」………………」
からかおうとしたら逃げてしまった。
俺は彼女がいなくなってから一人で呟いた
「明日謝らなきゃな………」
そのとき俺は考えてもいなかった。明日謝りに行くことが、俺の腐った日常を壊すことになるなんて………
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