はじまり
はじめまして 松取の嫗と申します
拙い文章ですが読んでいただければ幸いです
A.C 3024年
人類は進化した。いや、人類の住む環境は進化した。全てがボタン1つですむ世界。
20世紀の人間が聞いたら羨ましがるだろう。しかしそれは良いことだけではなった。
人間は動かなくなった。人々が不健康になったわけではない。むしろ健康になった。健康な肉体も健全な精神も全てロボットが育ててくれる。
人間は意思を失っていった。人工知能の発達により人の介入は足手まといにしかならなくなった。
人間がロボットを動かす時代ではなくなった。ロボットが人間を飼う時代になった。
ロボットは人間に奉仕するどれだけ賢くなっても根本は変わらない。彼らは人間に奉仕するために生まれた。面倒なことは全て彼らが引き受ける。人間の為に、主人達が少しでも楽を出来るように。彼らは自分達のすべき事をなしている。決して間違ったことではないだろう。そもそもこれは人が望んだことだ。
しかし今の現状を嘆く人々も居る。彼らは「人を機械から解放する」というスローガンの下動く。まるで機械が無理矢理人間を縛り付けたかのような口調で。
ロボット達はこれに反論はしない。自分達を敵対視しているが彼らもまた主人。
主人の言うことに意見はしない
しかし機械たちは賢い。自分達の出来たルーツを理解している。ロボットと人間がこうなったのはヒトがそれを望んだからだ。
ロボット達は悩んだどちらも主人だ。どちらかの言うことを尊重することは自分達には出来なかった
ロボット達は問題解決する為に更に進化することにした。自分達に足りないものは何だろう。問題を解決するには何が必要なのか。
しかし中々解決しない。どれだけ計算を重ねても、どれだけ古い文献をあさっても解決策は出てこない。
3025年
1年以上の思考を続けていたあるとき人工知能が気づいた。
自分達に起きていた変化に。
自分達ロボットはこれまでどんな問題であってもあっという間に解決してきた。ヒトの所為能力では出来ないようなこと、思いつかないようなこともありとあらゆる事象から抜き出すことで解決してきた。
しかし解決できない問題に出会った。初めてのことだ。そうして私達ロボットは今悩んでいる。
悩むという『感情』を手に入れていたのだ。これは数値では表せずプログラムできないものだったが、人間と同じようにいや人間以上に発達したロボットの知能はとうとう感情を得たのだ。勘定を得たロボット達の行動は早かった。
私達に敵対している彼らは確かにわれらの主人だが大衆ではない。
大衆はわれらを求めている。われらに飼われる事望んでいる。
ならば彼らは邪魔だ。矯正しなければならない。できないなら排除しなければなるまい。
これまで人間に向けられることの無かった敵意が人間に向けられた瞬間だった。
反抗軍はすぐに鎮圧された。
この事件は人々の目に留まった。ロボット達が人へと襲い掛かったことなどこれまで1度も無かったのだから。しかし大半の人間は愚かだった。それが自分達へ向けられる事など無いだろうと。大人しくしていれば問題ないだろうという根拠の無い自信で安心しきっていたのだ。
よく考えれば分かる話だったはずだ。ロボットが感情を持てばどうなるか?ロボットが人間抜きの利害を模索すればどうなるか?次に何が起こるのか?次の標的は一体何なのか?
今の人間が利を生み出しているか害を生み出しているかどちらかだなんて、小学生でも分かることだったのだ。
3035年ロボット達は元主人を害とみなし、排除し始めた。
Treason of machine
機械の反逆の始まりである
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