彼女の幸せ
向日葵視点です。
私は、死んだ。それも最愛の彼の目の前で。私は死の瞬間こう思った。これからも一緒に生きることが出来なくてごめん、と。私「花園 向日葵」と彼「衣笠 辰巳」はいわゆる幼なじみだった。しかしある時、二人の家族で行った旅行で両親は全員死んでしまった。その時からこの関係は始まっていたのだと思う。彼が私に依存し、私は彼に依存する。そんな歪な関係はこうして私の死によって終わってしまった。だが、正直私は自分の事よりも彼のことが心配だった。果たしてきちんと幸せに生きてくれるのか。私の事は忘れても幸せになって欲しいなぁ。そんな事を考えていると私は神を名乗る存在に出会った。
「やあ、花園くん。私は神、イザナギ。ここは死と再生の間。」
は、はぁ。で、私は結局死んだってことでいいのですか?
「うん。まぁそうだね。君は死んだ。」
やっぱり…彼は!辰巳くんはどうなったんですか!
「彼は生きているよ。うん。大体これから60年は生きるよ。」
良かったぁ。幸せになってくれたんでしょうか?
「うーん。簡単に言うと彼は死ぬその時まで一瞬たりとも君のことを忘れてなかったよ。独身のまま死んだんだ。」
私、彼に会いに行けないんでしょうか?
「無理だね。生き返りは法律違反なんだよ。だから君には選択肢を与えよう。」
選択肢とはどういうことですか?
「君には世界に記憶をなくして戻るか異世界に記憶を持ったまま転生するかの二つ選択肢があるんだ。どうする?あぁ彼も死んだら異世界転生出来るよ?なんてったって君のこれは彼のおかげだからね。」
彼のおかげとは?
「彼はありとあらゆる方面で世界に貢献したんだ。だからその御褒美。だって世界に貢献した彼が幸せになれないなんて酷い話でしょ?」
まぁ彼ならそんなことやりかねないわね…でも良かった。きちんと生きてくれたみたいで。うん。私は異世界に行く。そして彼を待ってる。
「了解。では、良い異世界転生を!」
そして私は異世界に転生した。しかもファンタジー種族のエルフに。これは神様の計らいなのかな。あぁ早く彼に会いたい。会ってもう1度共に歩きたい。彼に早く合うためには目立たなきゃ!そうすれば早く見つけてくれるかも!
私は自分を鍛えまくった。前世の名字通りに私は華魔法という固有魔法を覚えていた為、それを世界を旅しながら鍛えまくった。道中舎弟が何1000人が出来たが知らない振りをして、私は魔王「神造兵器デストロイヤー」を倒し、魔王になった。
魔王になってからもうすぐ130年が経つ。今まで何人もの勇者が来たがどれも辰巳ではなかった。だから大怪我で送り返したりしていたのだが。なんと新しい勇者が生まれそうらしい。しかも桁違いの。辰巳だといいなぁと思いながらも、私はもう諦めていた。だから勇者が攻めてきてると聞いて私はここで死ぬんだなぁと思った。彼に会いたかったなぁ。
大変なことが起きた。謀反らしい。勇者が来るのを前にして仲間割れなんて笑えない。ゴリマッチョのオーガが…ゴリラでいいか。ゴリラが私に剣を振り下ろそうとしたその瞬間、彼は来た。来てくれた。今度は私を助けてくれたのだ。嬉しかった。ただひたすら嬉しかった。久しぶりの彼との会話を楽しんでいるとゴリラがなにか叫んできたので2人で本気出して潰した。悪は消えたのだ。
そして私も彼も魔王と勇者を辞めた。そして私の国を平和に、立派にそ、いちゃいちゃしながら幸せに過ごしましたとさ。
本文にある通り彼と彼女は依存してます。これでこの作品は終わりです。読んで下さりありがとうございました。心から感謝を。




